61.前へ!!
僕が僕の本然を見失わない距離で
僕が僕である要素を損なわない感覚で
僕が僕に見えるギリギリの角度で
僕が僕であることに戸惑いのない範疇で
自分を証する物言いで
僕以外にはない思考で
己が言葉で
自らでないと書けない詩を
僕のUtaを表記してゆく
僕は此処に居ると宣言した僕は
既に過去の人間だから
どんなに拙速に己を語っても
決して早くはないのだ
それは絶えず
過去から届く遺言に他ならないから
本当の僕を知ってもらうには
分秒を惜しんで
咆哮を続けねばならぬ
それ故僕は何時でも
百枚の紙片と十本のball penを携帯し
三世を移動してゆく
移ろいではなく
己の意思の意図を高々と掲げて
動いてゆくのだ
何時でも、此処から前へ!!と