SI26Ⅰ 天恵の風
眠られぬ夜を
宛てもなく
漂いながら
ふと
身の内に残っている
青い春の欠片を見付ける
寅の刻の始め
錆びてゆく
厖大な過去の
無味無臭の無の塊りから
Xmasの夜の
天主の贈り物のように
その発見は
古びた五体と
淪落の情感を
鮮やかに蘇生させる
凋落してゆく
意識や肉体の零落は
如何とも為し難いけれど
愛しい旧知の
inochiの残像は
生存を綴る歴史の
プラチナの栞に挟まれた
黄金のpageのように
天恵の優しい風に運ばれて
荒んでゆく現の荒野を
ときどき
潤してゆくのだ