おもいで
或る出来事は
終わった時点から伝説になり
或るものは
永遠に変質しない匂いになり
又、心を惑わす振り子になり
又、又、
夢と現の接点になる
胸のcosmosを
潤いで満たす元素になり
又、眩しい哀楽の溜り場になり
又、又、
inochiを前に繋ぐ膠にもなる
自叙伝の一頁になり
後悔の一行になり
又、懺悔の祷りになり
又、又、
歓喜の一声になる
生と死の間に
数多の無言の時間が揺蕩い
唯、累累と連なり、沈黙し、沈殿し、
けれど其処から
人ごとに
福音として甦るように
良否善悪濃淡清濁、唯、懐かしい
疎密硬軟悲哀喝采、今昔、懐かしい
全ての時間割を超越し
全ての生き様を網羅し
おもいで
唯、唯、懐かしい記憶よ