今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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またまた来ましたPEN-Sブラックの巻

2016年08月13日 18時41分34秒 | ブログ

遅れて来たペンマニアさんから、またまた来ました。もう、遅れて来たなんで言えません。私よりずっとレア物を所有されていまして、もはや第一人者でしょう。で、PEN-Sブラックですが、#1670XXと、前回取り上げた個体#1667XXと同じロットですね。仕様も全く同一です。新宿の有名中古屋さんが出品されていた個体だそうです。裏蓋のモルトは何となく交換されていて、一見問題はなさそうに見えますが、シャッターは良くないです。

右の吊環が曲がっていますね。これは、この部分が落下により陥没したために、吊環を外して修正したのでしょう。裏からナット留めの時には、吊環を固定して回らないようにしなければなりません。ちょっと、仕事が雑です。

 

シャッターは低速不調気味、地板外周に油が付着していますが、これはハウジングのチャージ機構に油を着けたため。注油をするとシャッター羽根に油が回るので厳禁です。

 

そのハウジング側のシャッター羽根と接するプレート。分かり難いですが、メッキに腐食が発生していて摺動抵抗が大きくなります。

 

磨いたところ、あまり変わり映えがしませんかね? 現物は変わっています。

 

 

スローガバナーも動きがギクシャク気味です。再組立で調整します。このように、シャッターは僅かなフリクションを減らす努力が必要です。

 

前回と同じロットなので、調整ワッシャーも同じ。スプロケット側は1枚に見えますが、実際には2枚入っています。この個体にはスプール側にも入っています。どれだけ精度が悪いんだよ。

 

カム板とスローガバナーの当たりを確認して組みます。この頃は、巻き戻し部分は旧設計の頃です。

 

旧設計は上下ガタを調整ワッシャーの枚数で調整しています。巻き戻し軸の下側のワッシャーが欠落していますので追加しておきます。

 

レンズは後玉に難あり。普通は裏側のコーティングが劣化するのが定番ですが、このレンズはコーティングは完璧で表側にガラスの腐食があります(点々)

 

シャッターは調子を取り戻しました。ブラックモデルは相変わらず高値だそうで、私にはとても買えません。オリンピックネタですので、私の世代では、東京オリンピックと言えばこのマークです。

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