ご常連さんのお父様の形見の時計とのことです。竜頭がオリジナルでないので、なるべくオリジナルの状態に戻したいとご自身でT入り純正の竜頭を調達されて来ました。
古い腕時計は巻芯が錆付いていて竜頭を分離しようとすると折れてしまうものがありますが、幸いこの個体は巻芯に錆は無く交換することが出来ました。純正の方が一回り大きいですね。
巻芯に注油と竜頭にシリコングリスを塗布して取り付けました。変わっているのがケースの裏蓋。基本的に圧入式ですが、開ける時は右に回転させるとスロープを上がって裏蓋が分離できるというもの。それなら最初からネジ式にしておけばとも思います。
風防ガラスのキズ研磨、ケースとベルトの洗浄をして完成です。