今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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ミノルタ・repo-Sを仕上げるの巻

2018年01月20日 20時39分55秒 | ブログ

大阪のご常連さんは熱心です。ミノルタのレポ-Sが来ていますが、3台のうち2台を仕上げよ。とのことです。レポ-Sの発売は1964年11月とのことですから、東京オリンピックが終わった翌月なんですね。しばらくオリンパスXAに慣れていたので急に60年代に呼び戻された感じです。

フルマニュアル式でシャッターはSEIKO B 1/8~1/500まである高級機ですね。シャッタースピードを決めて絞りは露出メーターの指針にメータ針を合わせる追伸式。しかし、残念ながらメーターの感度が極端に落ちています。

 

右がこの個体のメーター。左は3号機(予備機)から取り出したメーターです。なんと予備機の方が製造は古いのです。セレンは個体差や保管環境によって寿命に差があるということですね。今回は予備機のものを使います。

 

下がこの個体のトップカバーですが、角が当たっていて変形が有ります。修正をしておきます。

 

60年代のカメラはモルトやシボ革の接着剤が完全に風化をしていますね。

 

 

簡単にシボ革が剥がれてしまいます。古い接着剤をすべて取り除いておきます。

 

 

シャッターは過去に分解修理を受けています。これからオーバーホールをして行きます。

 

前板ヘリコイド部とシャッターユニットを分離します。

 

 

ヘリコイドグリスはカラカラの状態です。

 

 

PENとは設計思想が全く異なっていて、よく言えばハーフだからと言う簡略が無く、上級カメラと同じ手法で設計されているかな。とにかく、コントロール用のリングが多いこと。

 

シャッターユニットは、作動に特に不具合が無い状態ですが、部品の洗浄注油で組み直していきます。

 

リング、リング・・・

 

 

新しいモルトを貼って・・

 

 

完成したシャッターユニットを組み込みます。

 

 

底部のチャージ・リンケージを取り付けます。

 

 

予め形状修正と洗浄をしてセレンユニットを組み込んだトップカバーをセットします。

 

 ファインダーを取り付けるとフレーム枠が右に傾く。ダイカストのネジ部の水平が出ていないようです。厚紙で補正をしておきます。

 

アンダーカバーにシンクロソケットを取り付ける構造なので、半田付けによる結線ではなく、バネ板による接触としています。

 

1964年の東京オリンピックが終わった直後に生産されたモデルですね。半世紀の時間が流れているんですね。右のケースは東京オリンピックで発行された記念の1000円+100円硬貨セットと左は大東京祭の記念バッチです。このバッチは小学校で斡旋されたもので、帽子に付けていたもの。では、2台目に掛かりますよ。