今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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ミノルタ・repo-Sを仕上げるの巻(その2)

2018年01月22日 21時24分35秒 | ブログ

2台目です。外観は、そこそこきれいですがシャッターがいけません。シャッター羽根が猫目で止まっています。

 

オーナーさんからは、裏蓋の閉まり位置が出っ張っている。とのご指摘がありました。確かに少し出ているようですが、特にラッチの調整機構は無いんですよね。

 

この個体もファインダー枠が右に傾いていますね。持病なのかな?

 

 

では作業と思ったのですが、東京地方も5cmの積雪予報が出ていましたが、あらら、とっくに超えて大雪になって来ましたよ。運動不足ですので、雪かきをして来ます。

 

雪かきをしても、作業をしている間にまた積もってくるのでやめました。まずシャッターからやりますが、シャッターダイヤルも固着していて動きませんね。

 

過去に分解されていますね。3時位置のネジは本来もっと内部に使われているネジです。

 

絞り羽根が解放から絞られませんね。張り付きの可能性もありますので、溶剤を滴下しましたが反応がありません。分解しなければ・・

 

絞りまでたどり着くには、シャッターをすべて分解しなければなりません。一番最初に組み込む部分なので。

 

油の付着はありましたが、特に損傷はないようです。すべて洗浄をして組み立てますが正確に組むのは非常に難しい。

 

シャッター羽根も油が回っていましたね。

 

 

洗浄をしてから組み立てますが、6時位置のYブレードを挟んで2枚の羽根を組みます。

 

スローガバナーも洗浄注油で組み立てます。

 

 

シャッタースピードダイヤルのクリック感を出すバネが無理をしたのか伸びていてクリック感が弱いです。熱処理されていますので、矯正すると折れますから予備機から調達します。最初の間違いネジは右側の位置が正規。

 

慣れないと組みにくいシャッターユニットですね。

 

 

裏蓋を閉める時がスムーズでない原因は、通常はラッチは斜めにカットされているのが、上部のカットされていない部分が露出するので、裏蓋のフックピンが衝突するのです。

 

ではラッチに問題があるかと予備機と比較しても全く同じ。プレスだから当然ですね。根本的な問題は、裏蓋にカシメめられているフックピンでした。左右を良く見てください。左の予備機に比べてフックピンの外径が大きいのが分かります。予備機の外径はφ1.68mmで、2号機はφ2.08mmでした。それによって2号機の方はラッチの噛み込みが足りない状態です。

巻上げ機構を組み立てて裏蓋のモルトを貼りますが、どの個体もシボ革が剥離していますね。接着補修をしておきます。

 

完成した本体にシャッターユニットを組み込みます。

 

 

露出メーターの取付。透明板が曇っていますね。研磨をしておきます。

 

 

ファインダーの清掃とレンズの接着。

 

 

レリーズボタンの調整はちょっと厄介。シャッターの切れるタイミングの他に、底部の巻き止めとのタイミングを同調させる必要があります。調整後、カバーを接着します。

 

ストロボの発光テストをします。

 

 

内部はきれいですね。

 

 

1号機と2号機が完成しました。2台も作ってどうするんでしょ?

 

 

第18回の東京オリンピックには、僅かに間に合わなかったんですね。今度の第32回東京オリンピックには間に合ったということです。

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