ローライ35の生産開始は1966年でシリアル№は#3,000,201から始まったようですが、この個体は#30041XXとなっていますから生産初期型に間違いはありませんね。驚きは状態でほぼ未使用の状態を維持しており、純正ケースとストラップも付属しています。経時のシャッター不調はありますが他に不具合は無いようです。私も初期オリジナルの各部の作動など非常に参考となるので慎重にメンテナンスをして行きます。
ジャーマニーの接眼枠は樹脂が痛んでいる個体が多いですが、この個体は完璧ですり傷もありません。トップカバーに僅かな梨地の光線傷があります。
裏蓋内側の状態。以後の生産機とかなり部品の違いが確認できます。
圧板は角度によってスプロケット部にフィルムを通した形跡が確認できます。しかし、本数は僅かでしょう。
試し撮りをしてコレクションをしていたというカメラでしょうかね? 放置機ではなく保管は良好にされていたと思われます。メンテナンス後は有名中古店様から販売されますので、ジャーマニー初期型美品が欲しいマニアさんは要チェックですね。
スプール軸ギヤは切削部品です。以後は真鍮素材のプレス部品。フィルムの切れ歯があるので使用はされたことは分かります。各部の清掃注油をして行きます。
ファインダープリズムを取付けて最後に巻き戻しレバープレートを取り付けます。
スプールの形状が以後のタイプ(右)とは異なります。また、内部の塗装は以後のリンクル塗装ではなく。普通の艶消し黒塗装です。
巻上げレバーの取付けネジ部には一段落し込みの加工が施されています。上は以後のタイプで加工はなくフラットです。
露出メーターの針は初期型としては元気に動いていますね。精度も良好です。以後のメーターの窓カバーは追針と同じオレンジ色で塗装されていますが、初期型は真鍮地のままです。
裏蓋内側の違い。上が初期、下が以後。塗装は初期は通常の艶消し黒塗装、主に巻き戻しダイヤル部分の設計変更が目につきます。初期は金属部品のネジ留め。以後は樹脂部品をCリングで固定してあります。
シャッターユニットには青で「3556」と捺印されています。製造日付ではなく製造番号でしょうかね?
シャッター羽根の開閉をコントロールするリングの仕様が違っています。
「4043602」号機まで使われたようです。訂正「30839XX」ですでに変更されていました。
このような希少な個体もあるんだなぁと思いました。私も資料用として欲しいですけどね。まぁ、無理ですね。