普段、PENやローライ35のような小さくて精密なカメラを扱っていると、このコダック・シグネット35などは、蹴飛ばしてもへこまない頑丈なカメラに見えますね。分厚いダイカストボディーは鎧のようですが、表面処理がありませんので腐食が進んでいます。このカメラはピカピカの磨きなのかなぁ? それともヘアーライン? レンズのシリアル前のアルファベットで製造年が分かるようですが、なんと私と同じ歳でした。何とかしなければ・・
ft機ですから北米にあった個体のようですが、乾燥した地域にあった個体としては結構な酸化ですよね。相当、放置期間が長かったようです。
一応シャツターは切れますが、ドイツ製のように精密なシャッターではないのが幸いして動いているのでしょう。減算式のフィルムカウンターが動かないようです。しかし、印刷文字はなんで普通と逆なんでしょう?
ここね。スプロケット軸がカムになっていてフィルムカウンターを動かすのですが軸が錆びて固着しています。
底部を見てみますが作動や摩耗は特に問題はないですね。清掃と注油をしておきます。
フィルムカウンターを作動させるためのレバー軸が固着しています。内部は汚れがひどいので清掃をします。
ちゃんと距離計内蔵で特徴的な三角形の二重像が見えます。しかし、対物や接眼は汚れ放題できれいには見えません。ハーフミラーは劣化が有名ですが、この個体は比較的良く見えます。しかし、拭き上げをすると蒸着メッキが剥がれる危険があります。まぁ、何とかやりましたけど・・
研磨をしたトップカバーを取り付けますが、そのまま被せるとフィルムカウンターが動きません。知恵の輪です。
シャッターは止まりそうもない構造です。ガバナー関係の清掃と注油をして復活です。その他、レンズの清掃をして組み込みます。
裏蓋は別体式で厚いダイカストです。圧板はクロームメッキのようです。
スライド式の露出計算盤は親切な装備かも? こちらも研磨をしておきます。
この程度の磨きとしてありますが、中々愛嬌のあるデザインですね。当時はフィルムの拡販を目的としてフィルムメーカーもカメラを発売したのでしょう。しかし、シボ革など劣化しやすい部分にも全く不具合が無く、頑丈なカメラだなぁと思いました。私もまだ頑張らないと・・