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カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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重修理のミノルタ・レポの巻

2022年05月16日 21時00分00秒 | ブログ

ブログにUPした機種のご依頼が続くことは良くあります。ご常連さんからミノルタ・レポが来ました。このオーナーさんは複数のレポを所有されているマニアさんです。ブラックモデルですが、底部カバーのへこみや、いろいろな不具合がある訳ありの個体のようです。

チャージが出来ないですね。これはレリーズボタンが復帰していないことによるものと、持病であるシャッター羽根と絞り羽根の張付きによる複合の不良です。

 

底部カバー角に激しい落下痕があって、ネジ穴が変形していてネジを取り外すことが困難でした。

 

ピントリングが左側に倒れていますね。当初はイモネジの取付不良と思ったのですが違いました。色々な不具合が「落下」のダメージを示していることに、この時はまだ気が付いていません。

 

とりあえずシャッターを作動させるためにメンテナンスをして行きます。この時はまだ部分のダメージにも気が付いていません。

 

形どおりのスローガバナー洗浄をして行きます。ここでも前回の個体に起きた不具合に気が付いていません。

 

流石に気が付きました。前回と同じくカム板との連動ピンのカシメが外れていました。幸い、外れたピンはシャッター内の奥に挟まっていましたので、再カシメをしました。

 

「メーター合わせリング」はEV8からEV16の範囲で操作し、それ以上に無理な力を掛けないようにします。無理に力を掛けると連動ピンにストレスが掛かりカシメ脱落の原因になります。シチズンの設計は精密ですが、少し強度的に余裕がないと感じます。

 

ははぁ、ピントリングのストッパーピンも陥没していますね。今までの事から、この個体は前から見て右下を落下により強く損傷していると分かります。点検するとピントリングが変形していました。

 

では、モルトを貼り替えて組み立てて行きます。

 

 

で、シャッターユニットを本体に組み込むとレリーズの上下作動が渋くなる。点検をすると(やっとかい) ダイカスト製のフレームに変形があることが分かりました。

 

前カバーを外してみると・・あら~、完全に折れていました。強固に見えるダイカスト製部品も意外に弱いのですね。今回は接着で対応します。

 

前カバーが付くので意外に強度は保てると思います。定盤に当ててみると変形していることが分かります。これを修正をして取り付けます。

 

すると、レリーズシャフトはスムーズに上下するようになりました。これで正常に作動するはずです。

 

スプロケット軸などの清掃注油をして行きます。

 

 

モルトも貼り替えてあります。折れたダイカスト部は正確に修復されています。

 

 

底部カバーの修正と、巻上げリンケージの清掃グリス塗布をします。

 

 

殆んどの個体で裏蓋のシボ革が剥がれかかっています。糊が全く効いていないのです。補修しておきます。

 

露出計の感度調整をして組み込みます。

 

 

一般的には故障廃棄されるか部品取りとなる状態の個体だったと思いますが、レポマニアさんによって救出された幸運な個体でしたね。今回は部品交換ではなく、オリジナル部品の修復によって修理をしてみました。

 

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