キリが良いところでもう一台ローライ35ジャーマニー#3157XXXをやっています。カメラ店様からの個体ですが、海外仕入れのカメラは現品を確認出来ませんので信用取引なわけですが、中には定期的に酷い個体も入って来るわけですよ。仕入れたものは何とか商品にしないといけない訳ですが・・この個体は状態も悪いしかなりいじられています。リンケージの表面が削られていますが、かなり錆が出ていたのでしょう。部品取り用のシンガポールの方がよっぽど程度が良い・・
では、プロですから仕上げなければいけないのです。ジャーマニーは古いということかファインダー周辺が激しく腐食している個体を見ます。部品の表面処理が良くないのか?
シャツターもこれですからね。草むらにあったカメラでしょうか?
沈胴などの不具合を解決してトップカバーのレバーアテも付けました。あとは問題の露出計ですが、これがいけません。不動の原因はメーターコイルの断線でした。湿気が原因でしょうね。万事休す。
Cdsや回路の問題でしたら直しようもありますがコイルは直せません。これはユニットを交換するしかありません。仕方ない、虎の子のユニットを出しますが、このユニットは電池の液漏れにより電池接点が完全に溶けて無くなっているものでした。リン青銅板から接点を作り直します。
めでたく露出計作動となりました。露出計が作動しないと商品として価値が下がります。
完成テストでシャツターを切っていると・・低速2秒が速くなって来ました。おまけにBが止まりません。あ~、また分解です。
問題は、スローガバナーを作動させるレバーとの接触面が摩耗をしていてガバナーを介さずにシャッターが切れてしまう。画像の黒いレバーがシャッターを切ると左から右に回転して、ガバナーの接触面を押す構造です。どれだけ使い込まれたらこうなるの?
ローライ35のスローガバナーは種類があるのは承知していましたが、この部分に機械としてウィークポイントがあるのでしょう、接するレバーと共に形状が変更されています。全く同型のユニットを探して来ました。
レバーも対で交換します。メインバネはとりはずしは比較的容易ですが、取付けが難しいです。専用の工具などがあるのでしょうか?
まぁ、何です。通常の何倍の工数を掛けて、ジャーマニーと言っても初期ではありませんので、何が何でも直さなければならないことは無いかなぁと思わせた1台でした。