今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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目覚まし時計とジョンブリアンの巻

2015年06月06日 20時06分28秒 | ブログ

久しぶりに大阪のご常連さんから目覚まし時計とPENのジョンブリアンが届きましたよ。PENと時計の掘り出し物を骨董市などで探していらっしゃる。大変よろしい行動をされていますね。で、今回は時計は時計でも腕時計ではなく小型の目覚まし時計です。私も自分用のトラベルクロックを数個直したことはありますが、あまりやりませんね。

時代物ですから結構ばっちいです。あら、裏側のフレームを無理にこじった形跡がありますね。修理をしようと考えたのでしょうけど、開くわけないでしょ。

 

この手の時計は、大概使い込まれてホコリの混入と天真の摩耗で止まっているものが殆どです。途中は飛ばして、機械を清掃をしてから注油をしました。幸い、天真の摩耗はそれほど進んではいないようです。摩耗の場合は、鉛筆の芯を研ぐように研磨するしかないのですけど。腕時計の輪列と違って右端のゼンマイから左に円周状に輪列が並んでいます。左端がテンプです。

目覚まし時計ですから、時計とは別回路で目覚まし機構が組み込まれています。ピンセット側が目覚まし用のゼンマイです。12時位置のベルを止めるボタン部の機構が過去に修理を受けており、リターンスプリングはやっつけで作ったもののようです。正常にベルが鳴ってボタンで止まるように調整をします。

ボディーは風防ガラスなどを分解して洗浄してあります。脚と12時ボタンを取り付けます。フレームのリングの変形を修正してはめ込みます。

 

こんな感じです。真鍮のノブなども磨いておきます。

 

 

タイムグラファーで測定すると4振動なんですね。カチカチカチと規則正しく作動をしていますが、当時の生活音としては気にならなかったカチカチ音は、現在の基準で行くとうるさくて眠れないかも知れませんよ。私の実感です。

 

今日の日曜日は関東地方は少し風が強かったのですが、行楽日和の良い一日でした。梅雨入り前の晴天ってとこでしょうね。で、今日は作業はサボって、気になっていた自転車とバイクを見てやりました。「あ~、覚悟はしていましたが結構来ています」やはり物には日頃の愛情が必要です。日曜日ぐらい趣味が出来たらうれしいのですが・・。交換して殆ど走っていないグランボアのタイヤ。ひび割れがしています。ママチャリタイヤと違って、高圧なので交換することにしましょう。安いタイヤで良いかな?

不思議にルマン号のフレームはそんなに錆は出ないのですが、キャリアなど鉄のメッキものがダメですね。

 

ハンドルやステムは表面処理無しだからすぐに酸化してきます。昔からメッキやアルミの磨き出しにはネバーダルを使っています。綿に研磨剤が浸み込んでいて、細かなところにも馴染みます。

 

自転車は殆どアルミとステンレスなので錆の進行はそれほどでもありませんが、問題は鉄の塊のバイクです。新品で組んだウィンカーのボディーが腐食しています。もう入手出来ないのに・・(あっ、もう一台分新品で持っていたんでした)今日は時間が無くて全部は見てやれません。シリンダーはくっ付いているのでエンジンは回りません。どなたかFS1のシリンダー譲ってください。

で、PENジョンブリアンです。このオーナーさんは以前に1台所有されています。最近探していらっしゃる方いましたよね? あまり使用せずに保管されていたという感じの、どこと言って欠点のない個体ですね。これは掘り出し物でした。

 未分解機と思いましたが、過去に一度整備を受けていました。ファインダーの対物レンズが再接着されています。ファインダーブロックは樹脂が劣化を始めて、ガラス淵部が白化しています。

 

ファインダーは軽く研磨をしてあります。対物レンズはすでにガラス製となっていますが、四隅の墨塗りはされていません。反射防止の黒紙が入っています。

 

シャッターには「61-4」の捺印があります。ボディーはすべて洗浄したところ。これからシャッターをO/Hします。

 

スローガバナーはユニットではなく、地板に直接取り付ける前時代的な設計ですね。

 

スプール軸も初期の滑り機構が組み込まれていない、真鍮の挽物です。

 

 

本体側とトップカバー側の組立が終わりました。この頃は、駒数針はまだ金色です。

 

メッキの弱いシャッターリングは非常にきれいです。あまり使われなかった証拠です。

 

 巻き戻しダイヤルのレバー基部にクラックが入っていますね。後期の製品に比べて少し肉厚が薄いようです。設計変更をされたのでしょう。

 

きれいなPENジョンブリアンですね。製造番号も2000XXと覚えやすい? たぶん、目覚まし時計も同じ時代の工業製品なのでしょう。現代にない人間的というか、何となくホッとする素晴らしいデザインだと思います。オーナーさん曰く「あのころの工業製品はなぜこんなに気を引くのでしょう」に納得です。

http://www.tomys800.sakura.ne.jp/


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