以前にO/Hをした最初期型のPEN-Fが止まったと戻って来ました。空シャッターを切っている時にリターンミラーが閉じた状態でフリーズしたとのことです。点検するとシャッターダイヤルが低速側で固着して回らないので、これは内部が壊れていると予想したのでした。開けて見ると・・あ~これですね。スローガバナーの歯車の軸受けが脱落していました。この三角形の部分が、1/8から1/4にシャッターダイヤルを回したとき、この軸受けを支点として左右に動いて歯車を切り替えているのです。軸受けは裏側からカシメられていますが、支点としてのストレスを受け続けているので外れてしまったのでしょうね。カシメしろはありませんので再カシメは不可能です。
こういう感じ。軸受け先端のギザギザがカシメの痕。
問題は、最初期型にのみ使われている#12のスローガバナーだということ。すぐに#14に変更されているので良品の交換部品を調達するのは困難なのです。(まぁ、在庫を片っ端から分解して行けばあるでしょうけど)
そもそも、スローガバナーは構成パーツもパーツリストに載っていない、分解不可のASSYユニットですが、仕方がないので分解して行きます。
ご覧のようにカシメしろは全く無いのでポンス台でカシメるわけにもいきません。これは接着しか手がありませんが、可動部分ですので強度がもってくれるか・・
接着後、再組立をしてあります。現状では正常に作動はしていますが、将来的な保証は出来ません。
レンズマウントの合致マークが以後の個体と異なる最初期型なので、潰したくありませんがらね。
新しいPEN-Fも良いですけど、元祖のパーツを再生産してくれないかなぁ・・