今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
(お問合せ)tomytmzk@titan.ocn.ne.jp
 

ちょっと古めのPEN-FTブラックが来ましたよの巻

2017年07月14日 20時29分55秒 | ブログ

毎日暑い日が続いています。関東地方は梅雨明けしたのでしょうか? 数日前に軽い熱中症の症状となってしまい、やっとエアコンを使い始めました。そんなことで、体が怠いので作業はサボり気味でしたが、24万台とブラックモデルとしては古い方に属するPEN-FTが届きました。基本的には作動しているのですが、状態はかなり劣化をしていますね。PEN-FTの色入れがかなり黄ばんでいます。シューアダプターを装着していた個体でしょう。

ミラーボックス内はカビ汚れが激しいですね。

 

 

フィルムレールは腐食が進んでいます。放置が長かったのでしょう。では、分解して行きましょう。

 

梅雨はどこへ行ったのさ。暑さで頭がボケているので画像もピンボケだわさ。トッフカバーを分離して見ると、おぉ、未分解の個体でしたね~。

 

長期に使われていなかった証拠。カメラ虫の抜け殻。

 

 

これも放置機に多いですが、メッキ部分の汚れはカビですね。アルコールで拭いても簡単には落ちませんね。

 

圧板は研磨で、このように清掃をしておきます。

 

 

幸い、シャッターは悪くはありません。チャージギヤ軸の摩耗は少なめですが、この頃の個体は何故かギヤ間のクリアランスが大きく取られています。巻上げフィーリングに影響するのですね。

 

完成したシャッターユニット。24万台はシャッターバネは改良後の条数が多いタイプになっていますね。素性は良いユニットです。

 

ここで、電池室のリード線が断線しましたので新しいリード線で新製しておきました。オリジナルのリード線は酸化が進んで半田付けが出来ません。

 

前板、ミラーボックスのカビもきれいになっていますね。

 

 

ハーフミラーは劣化が進んでおり新品と交換します。

 

 

露出計の調整をしたところで、まだシボ革は貼っていません。レンズマウントも仮付け。当初の巻上げ重いから軽快に巻き上がるフィーリングに変わっています。この個体は当たりです。

 

トップ面の「PEN-FT」はシューアダプターを装着していた個体と見えて白の色入れが画像よりもずっと黄ばんでいます。で、入れ直すことにします。

 

付属の40mmは悪くはありませんが、ヘリコイドグリスが抜け気味で軽く回ります。清掃をしてグリスを入れ替えたところ。

 

放置された40mmは結構カビが発生していて、清掃出来ないものが多いのですが、前玉を分解して清掃をしました。クリック部のグリスを塗布してドットリングをセットします。

 

当初は、#2405XX(1968-9月製)と古い生産分で巻き上げの重さと最悪なフィーリングで、どうなるかと心配しましたが、巻上げも軽くなってスムーズ、作動も良好になりました。露出計は、通常は感度低下をするのが普通ですが、この個体の場合は逆にオーバー気味となっていました。「感度が良い」というよりは、やっぱり性能劣化(狂い)しているのには違いはないのですね。電池の電圧(1.35~1.55V)によって、針の指示が敏感に変化をする傾向にあります。ここら辺りが30万台以降の信頼性と違うところと感じます。残念なのが本体フィルムレールの腐食が大きいこと。私だったら、同時期の本体に交換するところですけどね。まぁ、良い個体には違いありません。

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オートルーブ・オイルポンプの巻

2017年07月10日 15時37分42秒 | ブログ

暇なのでFS1のオイルポンプを探していたんだけどさ。探していたポンプではないポンプが出て来たよ。以前にオークションで落札していたらしい。実際に取り付けてみないとオイルシールからのオイル漏れがあるかは不明ですけど、取りあえず交換して様子を見ようかと・・クランクケースとの接合面を研磨しておきます。

アジャストプーリとアジャストプレートの最大隙間は0.25mmで規格最大で入っています。しかし、ボアアップをしているので吐出量を増加したいわけで、調整シムを作って隙間を広げるつもりです。

 

ガスケットはストックがあるとは思うのですけど、在庫から探すのが面倒なので作っちゃいます。接合面のオイルを塗って形を写します。

 

こんな感じね。あとはシム作り。

 

 

真鍮2枚が元々入っていたシム。0.1mm程度のシムの代用と探しましたら、PEN-Sの巻き戻し軸に入っている調整用のシムの中から0.1mmのものを探しました。外径は特に問題ではないので、このまま使います。

 

 


SEIKO 7S系ダイバーその2の巻

2017年07月09日 20時20分02秒 | ブログ

ヤマハ FS1ですけどね。多忙で作業に掛かれなかったのですが、取りあえず組立だけはと思いましてやりましたよ。シリンダーは排気ポートの片側が強く当たっている形跡があります。軽いダキツキ現象を起こしたのでしょう。

 

本当はホーニングをした方が良いのですけど、水ペーパーでクロスハッチ? を付けました。

 

古いベースパッキンのカスを取り除いておきます。

 

 

指定トルクで締め付けてエンジンは終了。新しいオイルに交換して、オイルポンプを点検すると・・あれ? オイルの吐出量の調整隙間が殆ど無い。(標準0.2~0.25mm)変だなぁ。過去にO/Hをしてありますが、もしかしてダキツキの原因は潤滑不足だったりして・・確か、予備のオイルポンプがあったはずなんだが・・

で、作業はしていませんので、少し前に終わらせていた、やはり九州のご常連さんのセイコー・ダイバーです。単純に落下で秒針が外れたとのことです。

 

セカンドダイバーのような秒針はリプロパーツでしょうか?

 

 

秒針の取付と注油をして完成です。私は左のCラインケースの方が好きですけどね。

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SEIKO 7S系ダイバーその2の巻

2017年07月09日 20時20分02秒 | ブログ

ヤマハ FS1ですけどね。多忙で作業に掛かれなかったのですが、取りあえず組立だけはと思いましてやりましたよ。シリンダーは排気ポートの片側が強く当たっている形跡があります。軽いダキツキ現象を起こしたのでしょう。

 

放蕩はホーニングをした方が良いのですけど、水ペーパーでクロスハッチ? を付けました。

 

古いベースパッキンのカスを取り除いておきます。

 

 

指定トルクで締め付けてエンジンは終了。新しいオイルに交換して、オイルポンプを点検すると・・あれ? オイルの吐出量の調整隙間が殆ど無い。(標準0.2~0.25mm)変だなぁ。過去にO/Hをしてありますが、もしかしてダキツキの原因は潤滑不足だったりして・・確か、予備のオイルポンプがあったはずなんだが・・

で、作業はしていませんので、少し前に終わらせていた、やはり九州のご常連さんのセイコー・ダイバーです。単純に落下で秒針が外れたとのことです。

 

セカンドダイバーのような秒針はリプロパーツでしょうか?

 

 

秒針の取付と注油をして完成です。私は左のCラインケースの方が好きですけどね。

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SEIKO 7S系ダイバーの巻

2017年07月09日 00時00分00秒 | ブログ

最近、腕時計やってないよね。素材を調達する軍資金が・・・。で、九州のご常連さんから送られて来たセイコー・ダイバー7S26-0040ですけど、風防ガラスや文字盤、針がリプロ品と交換されている改造品をジャンクで入手されていたそうです。ご依頼は水平に入っていない風防ガラスの修正と・・

それと、髪の毛の混入とのことでしたが、髪の毛ではなく金属の切削片です。なにか苦労をした形跡がありますね。

 

 

風防は、サードダイバーなどのように圧入リングで留められているのではなく、プラパッキンのみで圧入する構造のようです。純正ではない風防ガラスは僅かに外径が大きいようで、完全に圧入することが出来ず斜めになったまま。

 

裏側から風防ガラスを押し出します。パッキンはすでに削られていて、前回の組立時も苦労した形跡があります。その後を手直しする方がもっと苦労しますが・・

 

ベゼルプレートも一部が浮いていますね。どうしてちゃんと調整しないのでしょうね。

 

ベゼルインサート(0時指標)も劣化をしています。そもそも、オリジナルのプレートなのか不明です。

 

風防ガラスはプラパッキンを調整して圧入してあります。ベゼルインサートはエポキシ接着剤に蓄光塗料を混ぜて入れ直しておきます。

 

文字盤の外周を見ると透明な液が付着しています。んっ、なんだ? どうもシリコングリスのようです。ベゼル内周のOリングにはシリコングリスが塗布されていますが、風防ガラスが完全に圧入されていなかったために浸み込んだものと推測されます。防水も何もあったものではありません。

機械のO/Hのご指示はありませんが、油切れの状態でしたので、天真、自動巻機構、巻き芯に注油とグリスを塗布しました。

 

裏蓋のパッキンにシリコングリスを塗布して締めます。

 

 

私は、このモデルのオリジナル状態を知りませんが、オークションなどでは、リプロパーツを使用した改造モデルも出回っているようです。しかし、リプロパーツを使用すると精度的に合わないという問題が必ず出て来ます。そこを如何に修正をして組むかが腕の見せどころでしょう。

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