今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
(お問合せ)tomytmzk@titan.ocn.ne.jp
 

めずらしいなぁPEN-EE-3の巻

2018年03月14日 12時00分00秒 | ブログ

モデルとしては珍しくはありませんが、修理に出していただけるケースは少ないのがEEシリーズですね。新しい? モデルなのでセレンなども正常ですがオーバーホールをします。

 

ホットシューの部分をぶつけているため右側の部分を中心に陥没しています。これは修正をします。

 

巻き戻し側の吊環部も陥没しています。

 

 

アンダーカバーにも打痕があります。

 

 

レンズはかなりカビが発生しています。経験的に清掃は出来るカビです。

 

 

後玉にもカビが多いです。

 

 

本体を洗浄して巻上げ側の組立とモルトを貼っておきます。

 

 

シャッターユニットです。フライホイールの動きが少し悪いです。分解清掃をしておきます。

 

完成したシャッターユニットを組み込みました。

 

 

裏蓋を洗浄、モルトを貼って本体に取り付けます。

 

 

フィルムカウンターユニット。初期のEEと比べると上手くユニット化をされて、組立もネジ3本なので組立工数の低減に寄与している。しかも部品も樹脂製で非常にコストが低いですからね。マイナス点は多少チープなこと。

 

トップカバーのへこみは修正をしました。シューのレール部に打撃を受けたことが分かりますね。

 

アンダーカバーのへこみも修正してあります。

 

 

ということで、良い状態の個体となりました。まだまだ活躍してくれるでしょう。今回は革ケース付きで来ていますが、レンズキャップは紛失しています。露出計の寿命に影響しますので、レンズキャップを入手をしてセットしておいてください。

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ORIENT Crystal という時計の巻

2018年03月11日 21時24分45秒 | ブログ

まぁ、なんともキンキラ金の派手な時計ですよ。国産オリエントの製品ですが、曜日の表示がアラビア文字になっていますので、中近東辺りへ輸出したものでしょうか。あちらは金を身に着ける習慣があるようですので、特別にデザインされたモデルでしょうね。文字盤のインデックスも宝石? が入って、これも数えて25石なのでしょうか・・

外観はかなりばっちいです。SSベルトは油脂汚れでベトベトですので外して超音波洗浄に行きました。裏蓋には469468の刻印があります。cal.46941という機械がありますので、それの海外輸出バージョンナンバーかも知れません。とすると1975年以降のモデルと思います。

元々、オリエントの自動巻きはセイコーに似ていますね。現状は不動状態なので、自動巻き機構を取り去りました。マジックレバー式ですのでセイコーの系統です。

 

不動の原因は、テンプの振り石がアンクルのハコから飛び出してタイミングが狂ってしまったためでした。強い衝撃でも受けたのかな? 分かりません。で、すべて分解をして洗浄をしました。

 

セイコーに慣れていると組み易い機械です。カンヌキなどに注油をして組んで行きます。

 

部品の精度は良好で、受ケもピタッと合ってくれます。すでに輪列が終わってアンクルを取り付けます。

 

耐震装置のバネの形状が非常に厄介です。3か所を同時に抑え込まないとセット出来ない・・セイコーに慣れているからでしょうか? たぶん、専用工具があると思います。

 

 

日車の早送りはツヅミ車で駆動しています。

 

 

日ノ浦側を組み立てて曜車、日車を取付けました。「アラビア」ってプリントしてありますね。

 

問題発生。曜車の早送りが途中で出来なくなりました。原因は樹脂製の歯車の1つが磨滅していたため。画像のように早送りレバーが歯車に届きません。

 

右穴部分の歯車が短くなっています。多分、早送りでレバーが歯車の頂点と衝突したのを無理にプッシュしたのでしょう。交換部品は無いのでこのまま組みます。

 

金ピカの針を取り付けました。

 

 

マジックレバー式の自動巻き受ケとローターをセットしました。ローターには46961と刻印されています。

 

 

6振動の機械ですね。片振りを修正して・・素直なデータになります。

 

 

超音波洗浄をしたケースにセットしました。

 

 

専用ベルトを取り付けたら、さらにキンキラ金。国内ではあまり売れないデザインと思いますけど、キンピカが好かれる国や民族もあるのでしょうね。2時位置のプッシュボタンは曜日の早送りです。セイコーのスポーツマチック5 デラックスの76系が3時位置のボタンで日送りが出来るのに似ています。当時、国内では3番目のメーカーでしたが、東南アジアの空港に降り立つと、オリエントの時計が展示されていたり、頑張っているんだなぁと思った記憶がありますが、輸出に力を入れていたメーカーさんですね。最近の機械式復活で輸出量も大幅に増えているようです。近くの日野市にあった工場は今はなくなっていますけどね。

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眠っていたOM-1の巻

2018年03月09日 17時42分06秒 | ブログ

特にエントリーの予定も無かったのですが、間が開くので簡単に・・この個体はお身内から譲られたという個体ですが、外観はきれいですね。全く問題のない状態で使われなくなって、長期の放置で劣化した部分があるという個体ですね。

幸い、シャッターは正常に切れます。露出計も生きていて実用に問題はありません。しかし、光学系がね。リターンミラーがこの状態。

 

お決まりのモルトの劣化。劣化する前から、全く裏蓋を開けていないと、裏蓋の塗装面も侵されてひどいことになります。

 

では、メンテナンスということで・・

 

 

プリズムは手遅れですが、問題はプリズムと接眼レンズ間の遮光用モルト。

 

 

とにかく劣化したモルトを完全に取り除くことから始めます。

 

 

トミカのビート、ボンネットの[H]塗装したった。劣化したモルトは恐ろしい、塗装だけでなく、メッキ面も侵してしまうのです。

 

取り除くと・・当時の技術者はモルトの劣化による弊害を考えなかったのでしょうかね?

 

ペンタプリズムとスクリーンを取り除いて清掃します。

 

 

これは後期の同型モデルから移植するようですね。

 

 

ターミナルのリード線を半田付けします。

 

 

裏蓋のモルトを交換してからプリズムをセットします。

 

 

OM-1のシボ革は両面テープ接着なので剥離が目立ちます。

 

 

古い両面テープを取り除いて清掃の上、ゴム系接着剤で接着します。

 

 

各部の清掃注油をしますが、2か所の左ネジが緩んで脱落寸前でした。

 

 

使用されていなかったために各部の消耗は少なく、良いコンディションになりました。元気に復活です。

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国産名車コレクション スズキ・セルボの巻

2018年03月06日 12時47分13秒 | ブログ

今日6日は「国産名車コレクション」のスズキ・セルボの発売日でした。書店の開く時間を見計らって自転車で飛んでいきました。シリーズも後半になって、そもそもの生産数が少ないようで、大型書店ですが入荷は1冊でした。それをGET !!

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モデルの出来は普通かなぁ? 私の所有していたフロンテクーペが排気ガス規制によりカタログから落ちてしばらく後に、週間平凡パンチにスクープ記事が載ったのを記憶しています。排ガス対策を施したTC53エンジン(550cc)と軽自動車の規格拡大により主に横に広くなった(前後はバンパーの大型化)ボディーを与えられていました。

イメージカラーはオレンジ色に近いパナマレッドで、女性向けのファッショナブル指向をセールスポイントにしていました。実際に街中で見るセルボの殆どはこのカラーでしたね。フロンテクーペでは開かなかったリヤウインドーは開閉式に改良されました。

 

私はフロンテクーペのマルーン色がベストマッチだと思いますけどね。カタログは4人乗りとなった後期型のものです。前期型は2シーターでしたが、それではセールス的に厳しかったための改良でしょう。私のフロンテクーペは、生産完了の11台前の最終型のため、数々の装備が省略・簡略化されていましたが、出来るだけパーツを交換してあるべき装備としていました。

ホンダZよりも傾斜したフロントガラス。イタリアのジュージアーロのデザインとも言われていますが、デザインをしたとしてもイメージだけで、実際にはスズキのデザインでしょう。首をかしげることもあるスズキデザインの中では突然変異という感じ。

豪華なメータ装備のフロンテクーペのダッシュボード。ハンドルの大きさが時代ですが、最後期モデルは普通のフロンテの丸いホーンボタンに統一されましたが、もちろん、パーツで取って交換していました。

 

当時、カーグラフィック誌で、国産モデル中で最も良いバケットタイプシートと書かれました。ホールド感は素晴らしかったです。

 

空冷のフロンテSSSなどにはエンジン用のキットパーツも多数発売されていましたが、水冷の後期となるとオプションは雰囲気優先になりましたね。私は、フェアレディーZのまねをしてリヤルーパーを付けていました。

 

カタログも所有しているのですが、当時のカタログは豪華でした。

 

 

この写真が私のフロンテクーペ。乗車位置が低く、まるで公道をカートで走っているような感じです。今見ても魅力的なデザイン。この車体は私の友人が大切に守ってくれています。

 

代わってセルボです。あまりカタログは持っていません。カタログの女性をイメージに使うのがスズキらしい? ヘッドライトもフロンテクーペの角目から丸目になって、女性をターゲットにしていることが分かります。

 

う~ん、メーターの数は変わらないのですが、なんか普通の車のダッシュボードになってしまって残念に思いました。

 

これはフロンテクーペ用のバッチ、オーナメント新品です。今となっては貴重なパーツ。

 

後期型では省略されていたボンネット左先端のバッチ。セルボでも「CERVO」というバッチが同じ位置に付いていたのは後ろのモデルでも再現されています。魅力的な当時の軽自動車・・

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SEIKO 52KSスペシャルなんだがの巻

2018年03月02日 21時36分35秒 | ブログ

セイコー機械式時計の末期に発売されたKSスペシャル(5246-6000)で、個体数が少なく市場価格は高めのモデルです。しかし、状態はよろしくないですね。カットガラス風防が付いていますがオリジナルではないのでは? 内部に繊維片が混入していますので、過去の作業は、あまり良い作業ではないみたいです。

 

カットはこの角度で合っているのかな? 手巻きが重いとのご指摘ですが、この機械は重いのですね。常用ではなくエマージェンシー用です。

 

 

私の嫌いなワンピースケースですね。リング付の風防ガラスは金メッキ仕様ですから、本来は金ケース用でしょう。

 

ケースも傷だらけというコンディションです。

 

 

ベゼルリングもかなりひどいです。

 

 

小型の機械を生かした小さめなワンピースケースです。裏面は腕に馴染むようにラウンドしています。

 

機械のオーバーホールの前にケースを研磨しておきます。極力研磨量を控えたいので、ここまで全て手磨きです。

 

裏面サイドも研磨しました。これから仕上げ磨きをして完成させておきます。

 

 

今日は新宿にいました。寒さも緩んで朝から気持ちの良い青空でした。東急ハンズに材料を入手したかったのです。

 

週末になると大きなトランクを押した海外旅行者が目立ちますね。

 

 

中央線ホームには「かいじ」のE257系が止まっていました。私はブルーリボン賞受賞の183系の方が好きだったな。

 

立川駅の青梅線ホームでは、新しくスーパあずさに投入されるE353系の展示イベントが行われていました。

 

青梅線の発車間際だったので適当にパチリ。おぅ、高運転台を採用したのは良いけど、貫通扉が目立って、イマイチのデザインだなぁ。まぁ、見慣れれば馴染んでくるのでしょう。

 

札幌のご常連さんと食玩の艦船モデルについてお話していたので、昔に作った1/700ウォーターラインシリーズの駆逐艦「陽炎型1番艦」製作当時はメガネ無しでこれぐらい作れたんだよね。今は無理。ということで、ケースを研磨したのみです。

 

分解洗浄をしましたが、ベンジンが褐色に変色するぐらい汚れていました。そもそも、ネジが規格外のところが多く、あまり良い作業を受けていないようです。

 

二番車、ガンギ車、秒針規正レバーを取り付けて行きます。バネが飛ばないうちに二番受を付けないと・・

 

手巻きが重いとのことですので切換伝エ車などには注意して注油をしておきます。

 

 

一番受を付けて伝エ受を取り付けます。あ~、諏訪の設計に慣れていると亀戸は組みにくい・・

 

表側。亀戸は性能は良いのだけど、小さな部品が多過ぎて・・

 

 

日曜車の止ネジは4本のうち2本が規格外。上は細すぎで留まらない。下は材質違い。

 

 

ワンピースケースなので、外部緩急ネジがあります。

 

 

あとは曜車を付ければ完成ですけど、ガンギ車への注油とタイムグラファーに掛けるのでこの段階では付けません。

 

手巻きの重さは改善方向ですね。さて、ここから調整をして行きます。

 

 

曜車を外す時に丸穴部分をピンセットで当てて塗装を剥離されていますね。基本的な注意が出来ない作業者です。この部分ロディコで清掃は厳禁。印刷文字が剥がれます。触ってはいけません。

 

 

文字盤にも不注意のキズが目立ちます。ロディコで繊維片を取り除いていると、KSがくっついて来ましたよ。裏側からの接着も弱くなっているのです。再接着をしておきます。

 

針も汚れにより曇っていて、多少ヨレっていますので清掃修正をしました。KSの針は中央に黒線の印刷がありますので、強く擦ると剥離しますから慎重に・・

 

風防のゴムパッキンは新品が無いので再使用するしかありませんが、前回の組立ではパッキンを噛み込んだまま圧入されていました。また、繊維片が大量に付着していました。このゴムの材質は多少粘っていて、付着した繊維片は中々取り除けません。中性洗剤とブラシで洗浄後、ロディコできれいにします。

オーナーさん曰くカットガラスに金メッキリングはオリジナルとのことですが、良く分かりません。リングの1ヶ所に切り欠きがあるので、ここが0時に合うのかなぁ? まっ、そういうことで。

 

ベゼルリングのキズを研磨していますので、いつも圧入はヒヤヒヤです。強度が落ちているのと、何度も開け閉めしているので、金損疲労によりクラックが入る危険があるからです。今回は事なきを得ました。

 

中々良いですね。外部からの歩度調整は6時側のラグ間にあるメクラネジを外す必要がありますので、この時点ではSSベルトは付けません。ワンピースケースの場合、ケースに機械を固定すると機械の地板に歪が出て、歩度の調整が変わることがあるので、ケーシング後に再調整をします。

 平置きではなく、腕に嵌めて日差+4秒ぐらいですかね。もちろん個体差もありますが、56系のKSよりは精度は良い印象です。カレンダーも瞬時に切り替わり、亀戸のキングセイコーは伊達じゃないということですね。

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