途中立ち寄ったサービスエリアで買い求めた缶ビールで、ほろ酔い気分の父親は饒舌になっていた。
「もっとも、あれの相性が良かったことも、ありますがね」
「何ですよ、お父さん。そんなことまで、お話にならなくても」
少し顔を赤らめながら、母親が窘めた。
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長編小説を読み切ったのは、ほんとに久しぶりです。
ひょっとして、40年以上前になるかも‥‥。
カズオ・イシグロ という作家さん、ご存知ですか?
英国在住の、日本人です。
1982年、28歳の長編デビュー作「遠い山なみの光」で、王立文学協会賞を受賞されました。
1986年、「浮き世の画家」でウィットブレット賞を受賞です。
そしていよいよ1989年、「日の名残り」にて、最も栄誉ある「ブッカー賞」を受賞です。 . . . 本文を読む