昭和の恋物語り

小説をメインに、時折よもやま話と旅行報告をしていきます。

長編恋愛小説 ~水たまりの中の青空~(十八)築百年とまでは行かずとも

2015-10-24 17:16:15 | 小説
だだっ広い部屋で一人床に就いた彼だったが、その夜は深々と冷え込んだ。 障子を隔てた縁側から、隙間風が入ってくる。 月明かりが漏れてくる所を見ると、雨戸の立て付けが悪いのだろう。 築百年とまでは行かずとも、相当の古い家屋であることは間違いがない。 父親は「男同士で一つ部屋に」と言ったのだが、母親が頑として譲らなかった。 「先生が眠れませんよ、それでは。気疲れされますわ、きっと。それに‥‥」 口を濁 . . . 本文を読む

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