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人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

「エルミタージュ美術館オーケストラ」コンサートを聴く~映像を観ながら聴くロシアの音楽

2013年12月04日 07時00分35秒 | 日記

4日(水)。昨夕、五反田の「ゆうぽうとホール」でエルミタージュ美術館オーケストラのコンサートを聴きました このコンサートは、法人会がん保険制度30周年を記念して、引き受け保険会社アフラックとの共催で開いたものです。事前に申し込んで招待券をいただきました

「エルミタージュ美術館オーケストラ」とは聞きなれない名前ですが、プログラムによると、ロシア最古の音楽院・サンクトペテルブルク音楽院に設立され、実力が認められエルミタージュ美術館へ本拠地を移した美術館公式の特別なオーケストラで、主に外国のVIPをロシアに招待する際に、最高の美術と音楽でもてなすためのオーケストラとのことです

6時半開演ということで、5分前に会場に滑り込んだので、座席は1階最後列右サイドの24列52番です。舞台を眺めていて、その昔クラシックバレエをやっていた小学生の娘と、この会場で「白鳥の湖」を観たことを思い出しました

 

          

 

プログラム表に載っている演奏曲目は①グリンカ「幻想的なワルツ」、②チャイコフスキー「雪娘」、③ボロディン「ノクターン」、④チャイコフスキー「バレエ音楽”白鳥の湖”より”ロシアンダンス”」、⑤シベリウス「悲しきワルツ」、⑥ラヴェル「ピアノ協奏曲ト長調」です

指揮はグルジア出身、あの鬼才ヴァレリー・ゲルギエフのもとで研鑽を積んだというゲオルグ・チチナゼ、⑥のピアノ独奏はこのオケと共演した経験のある実宝理佳です    

最初に主催者側の挨拶があり、次いで舞台中央後方と左右に設置された大型スクリーンに、エルミタージュ美術館のあるサンクトペテルブルクの街並みが映し出され、ナレーションでオーケストラが紹介されます そして、この日のナビゲーターが登場し、最初のグリンカの「幻想的なワルツ」を解説します。そして、舞台が暗い中、オケの面々が登場します。メンバーの顔が良く見えません。最初くらい暗い照明を明るくしてメンバーの顔が見えるようにすればいいのに、と思いました それとも、エルミタージュ美術館でのコンサートは、絵画を守るためにいつも薄暗いところで演奏しているのでしょうか

指揮者のチチナゼが舞台右サイドから小走りに現われます。通常は左サイドから登場しますが、これがロシアン・スタイルでしょうか それにしても忙しい指揮者です。オケは左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバスという、ピアノの鍵盤を逆にした音の配置で、コンマスは女性です

グリンカに続いてチャイコフスキーの「雪娘」が演奏されます。次のボロディン「ノクターン」を聴くためにあらためてプログラムの解説を読んで頭をかしげました??? 解説には次のように書かれていました(文章そのまま)。

ボロディン:夜想曲(ノクターン) 

「化学の研究者でもあったボロディン(1833-1887)は『ロシア五人組』の一人。ドイツのハイデルベルクで出会った妻との幸福な時代を思い出して書かれたと言われる。第3楽章「夜想曲」(ノクターン)はこれまで多く編曲されているが、ボロディンの編曲はその中でも秀逸。冒頭のチェロで歌われる叙情的な旋律は、繰り返される度に楽器と伴奏型を変えて現れる」

この解説には大きな欠落があります。それは「第3楽章『夜想曲』(ノクターン)はこれまで多く編曲されているが、ボロディンの編曲はその中でも秀逸」という部分です このままでは、いったい何の曲の第3楽章なのか分かりません。正しくは「ボロディンの弦楽四重奏曲第2番の第3楽章『夜想曲』(ノクターン)は・・・」です。また、「ボロディンの編曲はその中でも秀逸」というのは、自分で書いた曲を自分でオーケストラ版に編曲したのですから、秀逸なのは当たりまえです。・・・・とケチをつけましたが、演奏は美しく、楽しめました

 

          

 

次にチャイコフスキーの「くるみ割り人形」から「序曲」が演奏されましたが、この曲だけ、低音部のチェロとコントラバスが外されました。楽譜どおりなのかもしれませんが、聴いていて、それまでの安定感が失われ、不安定な印象の演奏になりました

次に「白鳥の湖」から「ロシアンダンス」がコンマスのサンドラさんの独奏で始まりましたが、この人のヴァイオリンは美しく素晴らしいものがありました なお、前半の曲の演奏中は、3つのスクリーンに美術館内部やサンクトぺテルブルクの街並みなどが映し出されていて、目で観ながら演奏を聴くという、このオケ本来の目的に適った演出が取られていました

15分の休憩後、ナビゲーターから「後半の第1曲目はシベリウスの『悲しきワルツ』に代えてマスカー二の『カヴァレリア・ルスティカーナ』間奏曲を演奏する」旨のアナウンスがありました これは大方の聴衆にとっては歓迎すべき変更でしょう。短いながらも哀しく美しい曲で、演奏はロマンティックの極みでした

次はこの日のメイン・ディッシュ、ラヴェル「ピアノ協奏曲ト長調」です。前半の薄暗い舞台から、一転して明るい舞台になっています。ソリストの実宝理佳(じっぽう・りか)がグリーンのドレスで登場します 実宝のピアノは1階最後部席まで十分届きます。残念なのは管楽器、とくに木管があまり調子が良くないようです それでも最後はチチナゼのタクトでクライマックスを築きあげました

気分を良くしたチチナゼはアンコールに、シュトラウスのポルカを演奏し、拍手喝さいを浴びました

 

          

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