人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

日本モーツアルト協会第554回演奏会を聴く~古典四重奏団によるモーツアルトのクァルテット

2013年12月20日 07時00分49秒 | 日記

20日(金)。昨日の朝日「天声人語」は、住友生命が公募する創作四字熟語を借用して、今年を振り返っています 「秘密法をゴリ押しした自民は『自暴秘鬼』の形相、ブレーキ役の公明は『全面公伏』とあいなって、目を転じれば東京都庁は『知事滅裂』・・・・・」と続きます

猪瀬東京都知事が知事選前に徳州会グループから5,000万円受け取って借用書を渡したとかいう問題は、まさに「闇の中の魑魅魍魎(ちみもうりょう)」ならぬ、「闇の中の知事盲領」といったところでしょうか 本人は”百条委員会”にかけられたら”百叩きの刑”でお仕置きされることを恐れてか、さっさと辞職届を出したようですが、甘いですね 今回の事件は東京地検特捜部に公職選挙法違反容疑で告発状が届いています。一時は”地に落ちた”と言われた東京地検特捜部にとって、名誉挽回ならぬ名誉倍返しのチャンスになるかもしれません

すでに、永田町界隈では猪瀬親分の後釜を誰にするかで持ち切りのようでござんすが、これといった切り札が居ないように思いますねえ これから東京渡世はどうなるんでございましょうか

 

  閑話休題  

 

昨夕、東京文化会館小ホールで日本モーツアルト協会の第554回演奏会を聴きました プログラムはモーツアルトの①弦楽四重奏曲ハ長調「ミラノ四重奏曲曲第3番」K.157番、②同・変ロ長調「ハイドン四重奏曲第4番”狩”」K.458番、③同・イ長調「ハイドン四重奏曲第5番」K.464番で、演奏は古典四重奏団です

 

         

 

私は日本モーツアルト協会の会員ではありませんが、コンサート会場で配られるチラシの中に「モーツアルトの弦楽四重奏曲」の文字を発見すると、どうしても聴きたくなるのです 日本モーツアルト協会は、モーツアルトの作品番号(ケッヒェル番号)が会員番号になっていると聞いています。詳細は知りませんが、その通りだとすれば”正会員”は1番から626番までの会員しかいないはずで、多分、少なくない人が”正会員”になるべく、ウエイティング・リストに載せられてケッヒェル番号が空くのを待っているのだと思います 私は今のところ入会しようとは思いませんが、モーツアルトの曲を中心に年10回のコンサートが聴けて年会費40,000円は高くないと思います。要はプログラムと演奏者次第です

 

          

 

開演が午後6時半で全自由席なので急いで食事をとって上野の東京文化会館小ホールに向かいましたが、会場入り口はすでに長蛇の列が出来ていました 暇な人、もとい、時間的に余裕のある人生を送っておられる人が多いようです 幸いセンターブロックの前から8列目の通路側H-20の席が確保できました。会場は8割方埋まっている感じです。会場を見渡す限り、この協会も定期会員の超高齢化問題を抱えているようです それほど遠くない将来、ケッヒェル番号を背負った会員が入れ替わってしまうのではないかという不安がよぎります

さて、演奏する古典四重奏団は、1986年東京藝術大学と同大学院の卒業生によって結成されました。第1ヴァイオリン=川原千真、第2ヴァイオリン=花崎淳生、ヴィオラ=三輪真樹、チェロ=田崎瑞博というメンバーです レパートリーは80数曲にものぼりますが、このクァルテットの最大の特徴は、すべての曲を暗譜で演奏することです 私はこのクァルテットによる『ムズカシイはおもしろい』シリーズでシューベルトやモーツアルトの弦楽四重奏曲の解説付き演奏会を聴きましたが、私のような素人にも分かり易く曲を分析・解説した上で演奏してくれるので、曲を理解するのに大いに助けになりました。素晴らしい企画だと思います

 

          

 

拍手に迎えられて4人のメンバーが登場します。向かって左から第1ヴァイオリンの川原千真、チェロの田崎瑞博、ヴィオラの三輪真樹、第2ヴァイオリンの花崎淳生という配置です。もちろん、彼らの前には譜面台はありません

チューニングの後、さっそく1曲目の弦楽四重奏曲ハ長調「ミラノ四重奏曲K.157」の演奏に入ります。1772年作ということですからモーツアルト16歳の時の作品です。第1楽章はリズミカルな曲想でディヴェルティメント(喜遊曲)という雰囲気です 第2楽章の哀しげなメロディーを聴いていて、なぜか歌劇「フィガロの結婚」のバルバリーナのアリアを思い浮かべました 第3楽章はまたディヴェルティメントという雰囲気に戻ります

曲が終わって、チェロの田崎氏がモーツアルトの弦楽四重奏曲についてレクチャーをします 

最初に、これから演奏するK.458の「狩」四重奏曲の第4楽章冒頭部分を演奏し、「モーツアルトは冒頭部分を書き直しています。途中で書くのを止めて、次のページに別のメロディーを書いています これは何を意味しているかと言えば、彼は一度書いたものを修正しないということです。つまり、間違ったら修正せずそのままにして、新たに頭に浮かんだ音楽を書いているということです」と説明。そして、途中で書くのを止めた音楽を4人で弾いて見せます

次にモーツアルトが8歳の時に作曲した、いわゆる”ロンドンのスケッチブック”に集録された、父親の手が加わっていない曲を演奏し、次いで、彼に影響を与えたショーベルトの曲を演奏します。非常に良く似ています

田崎氏の解説が続きます。「明らかにモーツアルトはショーベルトに負けています。当然と言えば当然ですよね。8歳の時の作品が当時の最高レベルの作曲家に勝てるわけがない そこで勝てたら、まさにモーツアルトは天才だったと言えますが、その後で懸命な努力をしてショーベルトを超えたのです」と解説し、第2曲目のK.458「ハイドン四重奏曲第4番”狩”」の演奏に移ります。

この曲は1884年の作ですから28歳の時の作品です。狩という愛称は第1楽章冒頭のメロディーが狩猟のホルンを連想させることから名づけられました 第1ヴァイオリンの川原千真のリードで軽快に演奏が進みます。それにしても、最初から最後まで暗譜で弾くのですから驚きです

休憩後はK.464「ハイドン四重奏曲第5番」の演奏です。私はこの曲の第3楽章「アンダンテ」が好きです。とくにヴァイオリンとヴィオラの伴奏にのせてチェロがユーモラスなメロディーを奏でるところは、クマのぷーさんが森を散歩しているようで微笑ましく感じます

プログラムに挟まれたチラシに「古典四重奏団 ムズカシイはおもしろい!!~モーツアルト全曲2014の1~3」の案内が載っていました。来年の9月27日(土)14時から、10月10日(金)19時から、10月26日(日)14時からの3回、レクチャーコンサートがあります。会場は第一生命ホールで、チケットは来年6月発売とのこと。忘れずに手配しようと思います

 

          

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