人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

新国立オペラでヴェルディ「運命の力」を観る~絶頂!イアーノ・タマ―のレオノーラ

2015年04月03日 07時01分11秒 | 日記

3日(金)。わが家に来てから177日目を迎え、カノジョをモノにしようと実力行使に出るモコタロです 

 

          

           (昨日の続き)  お茶よりもおチャケの方がいいって?

 

  閑話休題  

 

1日の日経夕刊の「読み解き現代消費」というコラムは「オシャレシニア輝く~若者世代に勇気と希望」という見出しで注目を引いていました。出だしはこうです

「巣鴨コレクション、通称『ガモコレ』をご存じだろうか。一般の参加者が好きな洋服を着て、モデルのようにランウエー(細い舞台)を歩くイベントだ。名前を見てピンとくる人もいるだろうが、参加者の大半は60~70代の女性である 2012年に東京・巣鴨で始まり、その後、年に数回のペースで実施。今年は東京・銀座やハワイでも開催予定だ」「親はもちろん、今のシニア世代が多少の不満や苦境を乗り越えて前向きに生きる姿を見ると『大丈夫、私もきっとやれると勇気が湧いてくる』。オシャレシニアは、先が見えない世代に勇気と希望を与える『救世主』なのかもしれない

私は20年以上巣鴨に住んでいますが、「巣鴨コレクション=ガモコレ」という言葉を知ったのはこれが初めてです 全国的に知られているように、巣鴨の地蔵通り商店街は『おばあちゃんの原宿』と呼ばれています。4のつく日は縁日で、東京内外から多くの高齢者が押し寄せます 地元の人間は足の踏み場もありません 確かにオシャレな洋服を着こなしているおばあちゃんも”たまに”見かけます。JR山手線、都営地下鉄三田線、都営バス、都電のいずれの駅からも至近距離にあるので、皆さん縁日以外の日も気軽にお出かけ下さっているようです それにしても、「巣鴨コレクション=ガモコレ」ってアド街ック天国的なネーミングですね。私はテレビ見(てる暇)ないけど

 

  も一度、閑話休題  

 

昨夕、初台の新国立劇場でヴェルディのオペラ「運命の力」を観ました キャストはレオノーラにイアーノ・タマ―(ソプラノ)、ドン・アルヴァーロにゾラン・トドロヴィッチ(テノール)、ドン・カルロにマルコ・ディ・フェリーチェ(バリトン)、プレツィオジッラにケテワン・ケモクリーゼ(メゾソプラノ)、グァルディアーノ神父に松位浩(バス)ほか、指揮はベネズエラ生まれのスペイン人ホセ・ルイス・ゴメス、演出はスペイン出身のエミリオ・サージ、管弦楽は東京フィルハーモニーです

エミリオ・サージの演出で「運命の力」を新国立劇場で観るのは2006年3月15日、2007年3月15日に次いで今回が3回目です

 

          

 

セビリアのカラトラーヴァ侯爵の娘レオノーラは、ドン・アルヴァーロと愛し合っているが血筋を理由に父は二人の関係を認めない 二人は駆け落ちしようとして父に見つかってしまう。アルヴァーロが拳銃を投げ捨てると、運悪く銃が暴発し父に当たって死亡する その18か月後、カラトラーヴァ侯爵の息子ドン・カルロ(レオノーラの兄)は父の敵アルヴァーロとレオノーラの行方を追い続けている。レオノーラは険しい山にある修道院に着き、洞窟での隠遁生活に入る。偽名でイタリア軍の兵士になったアルヴァーロと、同じく偽名で兵士になったカルロはお互いの正体を知らないまま友情を結ぶ。戦闘で重傷を負ったアルヴァーロがカルロに最後の頼みをするが、そこから正体がばれてしまう カルロはアルヴァーロに決闘を申し込むが、周囲から引き止められる。その5年後、カルロが修道院のラファエロ神父に会いにやってくる。彼こそアルヴァーロだった。カルロは決闘を申し込むが、カルロが破れ瀕死となる。アルヴァーロは、呪われた自分では最後を見取れないと、代わりの人を探しに洞窟に行く。そこでレオノーラと再会する しかし、喜びもつかの間、カルロは最後の力を振り絞ってレオノーラを刺す。レオノーラはアルヴァーロを許すよう神に祈り、息絶える

 

          

 

このオペラの序曲は名曲ですね。金管が3回主音を鳴らしてから、オペラの主題メロディーが次々と登場します。3時間にも及ぶオペラのストーリーを凝縮したような音楽です

観終わってあらためて感じたのは、このオペラは幕間が多い、つまり場面転換が多いオペラだな、ということです 第1幕を除いて第2幕から第4幕間でそれぞれ2場から成り立っています。つまり全部で7場から成立している訳です。場面転換の度にオーケストラが止んで、次の幕開けを待つわけですが、これが意外に長く感じます

歌手で一番光っていたのは何と言ってもヒロインのレオノーラを歌ったグルジア生まれのイアーノ・タマ―です 劇的なソプラノ=ソプラノ・ドラマティコです。高音が非常に美しく、力強さも保っています また、ロマ(ジプシー)の若い娘プレツィオジッラを歌ったケテワン・ケモクリーゼは昨年、新国立で「カルメン」のタイトルロールを歌ったメゾ・ソプラノですが、この役柄がピッタリです 野性的な魅力を秘めた、演技力も優れた女性です

男性陣では、ドン・カルロを歌ったイタリア出身のマルコ・ディ・フェリーチェが安定したバリトンを聴かせてくれました ドン・アルヴァーロを歌ったユーゴスラビア出身のドン・トドロヴィッチは声量もある明るいテノールですが、私は特に高音部がどうも引っかかりました。無理やり声を出しているような感じがしました 日本人で印象に残ったのはグァルディアーノ神父を歌った松位浩です。深みのあるバスです

午後6時半に始まった公演は、25分休憩を1回挟んで午後10時頃にカーテンコールが終わりました 今回8~9年前と同じ演出で観て、休憩時間に、あの頃自分はいったい何をやっていただろうか、などと物思いに耽っていました

 

          

 

コメント
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