人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

「サントリーホール・バックステージツアー」に参加する~toraもステージ・デビュー!

2015年04月17日 07時01分01秒 | 日記

17日(金)。わが家に来てから191日目を迎え,あら見てたのねポーズをとるモコタロです 

 

          

            たまにはこういうポーズもいいでしょ あら見てたのね!

 

  閑話休題  

 

サントリーホールの「バックステージツアー」に申し込んだところ、抽選の結果当選したので、昨日休暇を取って参加してきました 10時40分にホール正面玄関前に集合、50分からツアーが始まりました。案内係の方の説明によると,この日の抽選の当選競争率は通常よりも高く,当選した約80人は極めてラッキーだったとのことでした

 

          

 

最初にブルーローズ(小ホール)に入り,説明を受けました ブルーローズは最大432席の椅子を並べることが可能で,椅子の布はオーストリア製,木の部分はマホガニー,床はチーク材を使用しており,天井に輝くシャンデリアはスワロフスキー製のクリスタルだそうです 相当贅沢に出来ていることが判ります

次いで「サントリーホール誕生」と題する記録映像の上映がありました 約20分の”短編ドキュメンタリー映画”ですが,サントリーホールが出来た翌年の1987年の制作とのことで,映像に出てくるアーティストは若き日のクラウディオ・アバード,ゲオルグ・ショルティ,ヨーヨー・マ,内田光子,堤剛などです ステージを客席が囲む「ワインヤード(ぶどう棚)形式」はカラヤンのアドヴァイスによるものというのは良く知られた話です 映像でおやっと思ったのは,ホールのオープン前の音出し調整のため客席に合唱を入れてマーラーの「千人の交響曲」を演奏するシーンが映し出されたのですが,指揮者が指揮台で飛び上がっているのです.間違いなく伝説の熱血指揮者,指揮界のエンタテイナー山田一雄氏です この映像を観て私は嬉しくなりました そして,サントリーホールのこけら落とし公演の様子が映し出され,若き日のクラウディオ・アバードがウィーン・フィルを振ってベートーヴェンの第7交響曲を演奏しています アバードは颯爽とタクトを振っていてカッコいい

短編映画鑑賞後は,受付で配布されたスケジュール表の色によって3つのグループに分かれてツアーに出ました.私は黄色のグループで,案内係は松崎さんという女性スタッフです 廊下を奥まで行って,上手から舞台裏のアーティスト・ラウンジに入りました.途中,「廊下の絨毯は毎日,目立てをして足跡がない状態でお客様をお迎えしています」という説明に参加者から「おーっ!」という驚きの声が ラウンジには演奏家の椅子がたくさん出番を待っているのは予想通りですが,飲み物の自動販売機が置いてあったのが意外でした 飲み物は90円で飲めるようです.ラウンジの壁には,ホールを訪れた著名な演奏家のサインが飾られていました.リヒテルもあるでよ.ちょん切れてしまったけれど 思ったより舞台裏のラウンジが狭いのには驚きました.100人規模のオケの団員が詰めるにはちょっと窮屈なのでは,と思いました

 

          

          

 

          

          

 

ロッカーやボードには公演の記念にと,日本や外来オケのステッカーが処狭しと貼られています

 

          

 

次に指揮者とソリストの楽屋を見学しました 下の写真Aが指揮者の楽屋です.奥にはトイレもシャワールームもあります

 

          

 

指揮者の楽屋はまるで高級ホテルの一室です.楽屋からステージまでは11~12歩の距離.これは「室内で高めた緊張感をそのままステージまで維持できるように」というカラヤンの助言によるものだそうです

 

          

 

隣のBはソリストの控室です.ピアノも置いてあります.もちろん,この部屋にも奥にトイレ,シャワールームがあります

 

          

 

そして楽屋からステージに出る出入り口ドアです.指揮者もソリストもオーケストラのメンバーもここからステージに出て行きます

 

          

 

すぐ近くにはステージや客席を見ることが出来る”覗き窓”があります 部屋を暗くしているので客席からは,覗いているのが見えないそうです

 

          

 

次に地下に下りました.どこかのだれかが制作した合成写真です(名前を忘れました).登場人物は一人を除いて全員が同じ人物とのことですよ

 

          

 

地下にはグランド・ピアノがスタンバイしています.ピアノ庫は湿度50%,温度23.5度を保ち,ピアノがベストな状態にキープしているとのことで,エレベーター式にステージ上に移動するそうです

 

          

 

楽器類はこのエレベーター↓で上階に上げられます この向こう側は駐車場になっていて,ここにトラックを着けて楽器を搬入するそうです

 

          

 

ここで一旦ツアーを中断し,12時15分から30分間,一般の聴衆とともに「オルガン・プロムナード・コンサート」を聴きました このコンサートはサントリーホールが月1回無料で開いているもので,会場に入って驚きました.ウィークデーの木曜にも関わらず,かなりの人々が集まっています 会場の半分以上は埋まっているのではないかと思われます.私は2階LB席に座りました

 

          

 

この日の演奏者はイタリア,ヴェネト出身の若いオルガ二スト,アレックス・ガイです.プログラムは①モランディ「序曲,主題と変奏,フィナーレ」,②M.E.ボッシ「英雄的小品」,③ペトラーリ「グローリアのための詩句」から3曲です

アレックス・ガイがカジュアルなワイシャツ姿でオルガン席に着きます.1曲目の作曲家モランディはロッシーニの初舞台を手助けした人とのことですが,この曲を聴くと,まるでロッシーニのオペラを聴いているような感じを受けました とにかく楽しい曲です.2曲目の「英雄的小品」の作曲者ボッシはイタリア・ロマン派を代表するオルガ二ストとのことです.曲はまさにタイトル通り英雄的な堂々たる作品ですが,最後は静かに終わります 3曲目のペトラーリの「グローリアのための詩句」は,モランディ同様,まるでオペラのような作品です.次々とアリアが歌われているような感じがします 大音響で聴くパイプオルガンの響きは気持ちの良いものです

 

          

 

演奏鑑賞後,再び1階通路奥のスペースに集まり,今度はステージに乗ることになりました.そこでパイプオルガンの説明を受けましたが,サントリーホールのオルガンはオーストリアのリーガー社製で,ストップ数は74(つまり74の音色を奏でることができる),パイプ数は5898本とのことで,すべて手作りにより完成したそうです 5898本ですよ,奥さん

 

         

 

ステージから客席を見るとこんな感じで,客席とすごく近いです.壮観です

 

         

 

天井の照明はこんな感じです.壁はすべて凸凹があり,まっすぐなところは1か所もありません.これは音の反射を効果的に利用するためで,残響は空席時で2.6秒,満席時で2.1秒との説明がありました

 

          

 

床には半円形の筋(隙間)が入っていますが,これは37分割可能な電動セリで,コンピューター制御によりせり上がるとのこと 1センチずつ高くすることが出来,最高で1メートルの高さまでせり上げることができるそうです 床には微妙に無数の穴が空いていますが,これはチェロのエンドピンの跡だそうです 演奏家によっては,自分の楽器の穴の位置が分かるそうです.プロは,穴取れないですね

 

          

 

「ステージの後ろの席をP席と言いますが,なぜP席と言うかわかりますか?パイプオルガンの下だからP,ではありません.指揮者の居る指揮台をポディウムと言います.そのポディウムが見られる席ということでP席なのです」という説明です 私はかつて知っていましたが,忘れていました

最後に,「皆さん,記念にステージ・デビューしましょう」という掛け声がかかり,案内係の方が「ドレミの歌」の歌詞を書いた大きな紙を高く掲げ,参加者全員で歌いました こっぱずかしくも私も歌いました 写真の右に写っているのが黄色グループの案内をして下さった松崎さんです.素敵な女性でしょう

 

          

 

ここで,ホワイエに戻り,建物内の装飾がサントリーらしくお酒にまつわるアイテムでデザインされているという説明を聞き,納得しました 麦の穂の形が,そこかしこにデザインされていて,こだわりのホールであることが分かります ホワイエの絨毯は1枚物の特注品とのこと.また,かつてサントリーのロゴマークで,今はサントリーホールのロゴマークになっているデザインは漢字の「響」を表していることや,ホール前に設置されているカタツムリのような形をした黄金色のオブジェも,実は「響」が隠されていることなど,驚きの事実が明かされました

 

          

 

最後に階段で2階へ上がる途中の踊り場から「ブルーローズ」入口の上に飾られた青いバラを見ました これは木で作ったものだそうです.今までサントリーホールには数えきれないほど来ていますが,木が付きませんでした

 

          

 

ツアーは13時15分に終了しましたが,参加して感じたのはホールの建設費はパイプオルガン,絨毯,シャンデリア等を含めて膨大だっただろうということ,また,それ以上にホールの維持費が半端ではないだろうということです このツアーで有り難かったのは,動画撮影とオルガン・コンサートを除いて写真撮影が自由にできたことです サントリーという企業から見れば周到なイメージ・アップ戦略の一環なのでしょうが,サントリーホールの太っ腹の配慮に感謝感激雨あられです

それぞれがアンケートに感想を書いてホールを後にしました 私はサントリーホールが出来た年に娘が生まれたので親近感を感じている旨の感想を書きました.松崎さんの説明は分かり易くとても参考になりました ご案内いただいた松崎さんはじめスタッフの皆さん,お世話になりありがとうございました.お陰様で楽しく充実した時間を過ごすことができました

コメント
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