人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

ホジャイノフ+飯森+東響でショパン「ピアノ協奏曲第2番」他を聴く~第629回定期演奏会

2015年04月20日 07時01分12秒 | 日記

20日(月)。わが家に来てから194日目を迎え,ついに箱入り息子になったモコタロです 

 

          

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  閑話休題   

 

昨日の朝,3か前の残った料理を食べたら,急に気分が悪くなりお腹の調子がおかしくなってきました.出すものを出したら気分も少し良くなってきたので,予定通りコンサートに出かけることにしました 

という訳で,昨日サントリーホールで東京交響楽団の第629回定期演奏会を聴きました プログラムは①ショパン「ピアノ協奏曲第2番ヘ短調」、②カンチェリ「ステュクス~ヴィオラ、混声合唱と管弦楽のための」、③ドビュッシー「海~管弦楽のための3つの交響的素描」です 指揮は飯森範親、①のピアノ独奏はニコライ・ホジャイノフ、②のヴィオラ独奏は東響首席・青木篤子,コンマスは大谷康子です

 

          

 

合唱が入るプログラムの関係で,P席(分かりますね.指揮者のポディウムの見える席のことでしたね)は空席になっています こういう場合は,P席の定期会員は自分の席がないことを承知で年間チケットを買っているはずです

さて,1曲目のショパンのピアノ協奏曲第2番は,出版の順番が第1番と入れ替わったため第2番となったもので,実際には最初に作曲されました 指揮者・飯森範親とともに赤い蝶ネクタイのホジャイノフが登場します

第1楽章「マエストーソ」の振幅の大きな音楽が会場に響き渡ります 序奏が長く,主人公のピアノはなかなか出てきません この辺りはモーツアルトの協奏曲に似ています.女王は後からおもむろに登場するのです ホジャイノフを聴くのはこれが3度目だと思いますが,彼の良いところは弱音が非常に綺麗で,しかも音の力が維持されているところです したがって,第2楽章「ラルゲット」が一番の聴きどころになります.ホジャイノフは完璧なテクニックのもと,ロマンティシズムの極致を表現していきます 彼はロシア生まれで現在モスクワ音楽院在籍の弱冠23歳の若者ですが,すでに演奏スタイルが確立しているように思います

会場一杯の拍手とブラボーに,アンコールとしてワルツのような曲を弾き始めました 相当技巧を要する曲です.後でロビーの掲示で確かめたらローゼンタールの「ヨハン・シュトラウスの主題によるウィーンの謝肉祭」とありました.ローゼンタールは1862年にポーランドで生まれた作曲家・ピアニストで,リストの高弟です この曲を分かり易く言えば,まるでリストの”超絶技巧パラフレーズ”です

 

          

 

休憩後の最初はギア・カンチェリの「ステュクス~ヴィオラ,混声合唱と管弦楽のための」です.P席に合唱団が配置に着きますが,男女がばらばらに入り組んでいて,文字通り混声合唱の様相です ソリストの青木篤子が指揮者とともに登場,指揮台の脇でスタンバイします

ギア・カンチェリ(1935年~)は,いま,国名を4月から「ジョージア」にしようということで世界的に話題になっている「グルジア」の出身です.グルジアといっても馴染みがありませんが,一番有名なのは幸か不幸か恐怖政治のスターリンです タイトルのステュクスは「古代ギリシアの生者と死者の世界に流れる川」を意味しているとのことです 静けさが支配していたかと思うと,いきなり管弦楽と合唱とが一体となって最強音を発するといった油断できない曲です 圧倒的なエネルギーの爆発の後は,沈黙の世界が待っています.この,爆発と沈黙の対比がこの作曲家の特徴のようです なぜわざわざヴィオラをソロに仕立てたのか,とつらつら考えると,”動”対”静”の”静”を語らせるのにヴァイオリンではなくヴィオラを使ったのではないか,と思います

この曲のコーラスを担う東響コーラスは,ジョージアの人が聞いても理解される発音を目指し,在日ジョージア大使館の協力を得て,ジョージアの首都トビリシ出身のゴギナシュヴィリ氏の指導のもとジョージアの国と言語を学んだそうです 東響コーラスの皆さん,大変でしたね.お疲れ様でした 皆さんの勉強の成果はしっかり合唱に表れていましたよ

最後は東京交響楽団の十八番,ドビュッシー「海ー管弦楽のための3つの交響的素描」です 第1楽章「海上の夜明けから正午まで」,第2楽章「波の戯れ」,第3楽章「風と海の対話」から成ります この日はオーボエの荒絵理子,フルートの甲藤さち,クラリネットのエマニュエル・ヌヴ―,バスーンの福井蔵ら木管楽器をはじめ,金管楽器を含めて首席クラス総動員の態勢だったこともあり,迫力のある演奏が楽しめました

何となくムカムカする気分の悪さは多少残っていたものの,何とか最後まで聴くことができて一安心です 結局,昨日の昼以降はまったく飲まず食わずで過ごし,今朝やっとポタージュ・スープを飲んで一息つきました.もう2度と3日前の残り物は食べないぞ と固く決心したのでした

コメント (2)
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