人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

カンブルラン+読響でブルックナー「交響曲第7番」を聴く~第547回定期演奏会

2015年04月11日 08時02分51秒 | 日記

11日(土)。わが家に来てから185日目を迎え、下界を見下ろすモコタロです 

 

          

            消費税が上がってからシモジモの生活も大変だなあ

 

  閑話休題  

 

8月4日(火)午後7時からサントリーホールで開かれる「PMFオーケストラ東京公演」のチケットを同ホール・メンバーズ・クラブ会員先行発売で購入しました 会員は1割引きです。プログラムは①ベートーヴェン「ピアノ協奏曲第5番”皇帝”」、②ショスタコーヴィチ「交響曲第10番ホ短調」です。指揮はワレリー・ゲルギエフ、①のピアノは2015年チャイコフスキー国際コンクール入賞者です PMFとはパシフィック・ミュージック・フェスティバルのことです。これは何といってもゲルギエフのショスタコでしょう

 

          

 

  も一度、閑話休題  

 

昨夕、サントリーホールで読売日本交響楽団の第547回定期演奏会を聴きました 新年度第1回目のプログラムは①リーム「厳粛な歌~歌曲付き」(日本初演)、②ブルックナー「交響曲第7番ホ長調」。指揮は常任指揮者シルヴァン・カンブルラン、①のバリトン独唱は日本人初のドイツ宮廷歌手・小森輝彦です

 

          

 

読響定期会員になったのは10年以上前の、ドイツの名指揮者ゲルト・アルブレヒトが常任指揮者だった時以来のことです アルブレヒトは、かの巨匠フルトヴェングラーのような、いかにも”ドイツ”といった風貌でしたが、現在の常任指揮者カンブレランはフランス・アミアン生まれです。長い髪を後ろで束ね、スタイリッシュです

自席は、東京交響楽団サントリーシリーズの指定席の2つ後ろの席です。もちろん通路側席です。客席からステージを見た時の景色はそれほど変わりません

さて、1曲目は1952年ドイツ生まれのリームの作曲による「厳粛な歌ー歌曲付き」です。オケのメンバーが登場します。ステージの左サイドに管楽器群が陣取り、右サイドに弦楽器群が陣取ります が、よく見ると、管楽器ではフルート、オーボエ、トランペットといった高音を担当する楽器が見当たりません。また弦楽器ではヴァイオリン・セクションが一人も居ません 要するにこの曲は、低音を担当する楽器、つまり管楽器ではクラリネット、ファゴット、ホルン、トロンボーン、チューバなど、弦楽器ではヴィオラ、チェロ、コントラバスで演奏され、独唱もバリトンで歌われる種類の音楽なのです したがって、チューニングはヴィオラの首席・鈴木康浩が音頭を取ります プログラムに載った歌詞の対訳を見て納得しました。「吐き気も、気怠さも感じない ただ疲れた とても疲れた 主よ 我に安息を恵みたまえ」ですから。これを「暗いMax」と言わずして何と言うのか?初めて聴いた感じではリームではあるけれど、ちょっとムーリかな

 

          

 

休憩後はブルックナーの「交響曲第7番ホ長調」です。この曲で思い出すのは学生時代に白黒テレビで観たこの曲を振るカラヤンです 何気なく点けたテレビにいきなり映し出されたのはカラヤンの顔のアップでした。そこから流れてきた音楽は紛れもなくブルックナーの第7番の第1楽章でした カラヤンは終始目を瞑って音を紡ぎ出します。私はその映像にくぎ付けになりました。これがカラヤンか と思いました。決して良い音とは言えないテレビ音声でしたが、美しく深い音楽に感動を覚えました

ステージ上はヴァイオリン・セクションが追加され、管楽器群も拡大します。オケの態勢は、左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスといったオーソドックスな配置をとります 全体を見渡して気が付くのは、相変わらず他の在京オーケストラと比べて男性比率が圧倒的に高いということです。管楽器は4人しかいません。弦楽器は半分は男性奏者でしょう。東京交響楽団や東京フィルなど、とくに弦楽器が圧倒的に女性が多いオケを見慣れている聴き手にとっては、読響はN響とともに新鮮に見えます この日のコンマスは小森谷巧、その隣には長原幸太が控えます。ヴィオラ・セクションは鈴木康治、柳瀬省汰が並びます

カンブルランのタクトで第1楽章が開始されます。弦楽器のトレモロに乗って、ホルンとチェロによって第1主題が提示されます。これは「ブルックナー開始」とでも言うべき導入で、「これからブルックナーの交響曲が始まりますよ」という合図です 私はこの部分を聴くと、ドイツの深い森と雄大な山々を思い浮かべます

第2楽章「アダージョ」は深い音楽です。聴いていて思わず感情移入してしまいます。第3楽章「スケルツォ」のトランペットによる冒頭のテーマは、雄鶏の朝の鳴き声からヒントを得たと言われているようですが、たしかに、コケコッッコーとしり上がりに鳴く有様が想像できます 

第4楽章は軽快に始まりますが、最後は堂々たるフィナーレを迎えます。最後の音が会場に波紋のように広がり、一瞬のしじまが訪れます。この瞬間こそクラシックを生で聴く醍醐味でしょう。カンブルランのタクトが下ろされて初めて会場一杯の拍手とブラボーが会場を満たします

第1楽章を聴いている辺りでは、弦楽器で言えばヴィオラ、チェロ、コントラバスなどの低音部が充実しているな、と思ったのですが、楽章が後に行くにしたがって、ヴァイオリン・セクションもなかなか力があるな、と思うようになりました 管楽器では、ときに”外す”セクションもありましたが、厚みのある音で迫ってきます

ところで、読響の機関誌「月刊オーケストラ4月号」に「オーディションのお知らせ」というのがあって、「募集パート:首席チェロ1名」とありました。私は10数年読響の会員から離れていたので、事情がよく分かりませんが、要するに現体制では首席クラスの人材が不足しているということか、あるいは首席クラスが近々辞める予定があるのか、どちらかなのだろうか、と想像します。いずれにしても、読響がより良い音を求めて体制を立て直そうとする姿勢は好ましく思います

          

コメント
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