人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

ラ・フォル・ジュルネ音楽祭2日目(5日)公演その2~アレンスキー「2台のピアノのための組曲第1番」,ショーソン「ヴァイオリン,ピアノ,弦楽四重奏のためのコンセール」

2017年05月06日 08時15分26秒 | 日記

6日(土)その2.よい子は「その1」から見てね  モコタロはそっちに出演しています

 

       

 

昨日,午後5時15分から東京国際フォーラムのホールB7で「ラ・フォル・ジュルネ音楽祭」公演番号224のコンサートを聴きました プログラムは①アレンスキー「2台のピアノのための組曲第1番」,②ストラヴィンスキー「サーカス・ポルカ」,③コープランド「キューバ組曲」です 出演はロシア人コンビ,ピアノ=ボリス・ベレゾフスキー&アレクサンドル・ギンジンです

自席は21列38番,左ブロック最後方の席.舞台が遠いです

二人の演奏者が登場しピアノに向かいます.向かって左側がベレゾフスキー,右側がギンジンです ベレゾフスキーも体格が良い方ですが,ギンジンは横に体格が良いタイプです

1曲目のアレンスキー「2台のピアノのための組曲第1番」は,第1曲「ロマンス」,第2曲「ワルツ」,第3曲「ポロネーズ」から成ります このうち「ワルツ」は耳に馴染みやすい曲想で,単独に演奏されることも多いようです 3曲ともタイトル通りの曲想で,二人はロマンティックに,また叙情的にアレンスキーの世界を表出していました

2曲目はシューベルト「幻想曲ヘ短調」です シューベルトはこの曲を作曲した半年後に31歳の若さで死去しました そういう意味では最晩年の作品です.モーツアルトの35歳といい,天才ほど早逝しますね この曲を連弾するに当たり,右側にいたギンジンが自分の椅子を左側に持ってきたのですが,そこで,ベレゾフスキーとの間で何やら会話が交わされました ベレゾフスキーが「そんなに近くに椅子を置いたら身体がくっついてピアノが弾きにくくなるよ(そうでなくても”席取り”なんだから)もっと離してくれない?」とでも言い,ギンジンが「そんなことないと思うけどな.まあいいや離すよ」とでも答えたのではないか,と勝手に想像しました 聴衆の笑いを誘っていたので「中らずと雖も遠からず」だと思います

この幻想曲は,シューベルトの曲の中でも有名な曲ですが,驚いたのは身体の大きさに似合わず,ギンジンの演奏が繊細なものだったのです 弱音がとても綺麗です

次いでブラームスのワルツ集「愛の歌」から数曲が連弾で演奏されました この曲は,この日にローザンヌ声楽アンサンブルで聴いたばかりでしたが,ピアノ連弾で聴くと,「同じ曲を聴いているのか?」と疑問に思うほど異なる趣を感じました しかし,これはこれでまったく違和感がありません さすがはブラームスだと思います

次にストラヴィンスキー「サーカス・ポルカ」が2台のピアノで演奏されます 今度は向かって左がギンジン,右がベレゾフスキーです.また二人がこそこそ話し合っています そのうちベレゾフスキーが舞台袖に引っ込んでしまったので,てっきり口喧嘩でもして,ギンジンが一人で演奏するのかと恐れていましたが,そのうちベレゾフスキーが楽譜を携えて再登場しました.何のことはない,楽譜を舞台袖に忘れてきただけのことでした 商売道具を忘れてくるなんて,どうなのよ?

「サーカス・ポルカ」はバランシン振付によるサーカス小屋のバレエのために作曲された作品ですが,踊るのは象です 「50頭の象と50人のダンサーのための新作バレエ」として初演されました 聴いてみると,なるほど象がダンスを踊っているようにも聴こえます とても面白い曲だと思いました

最後は2台のピアノでコープランド「キューバ舞曲」が演奏されました この曲は1942年にコープランドとバーンスタインのピアノにより初演されました.ノリのいい曲で,二人のピアニストの掛け合いが面白く聴けました

 

       

 

演奏後 外に出ると,地下のEホールでは曽我大介指揮アマデウス・ソサイエティー管弦楽団がベルリオーズの「ラコッツィ行進曲」を演奏していました

 

       

 

次いで,午後7時からホールB7で公演番号226のコンサートを聴きました プログラムはショーソン「ヴァイオリン,ピアノ,弦楽四重奏のためのコンセール  ニ長調」です 演奏はヴァイオリン=二コラ・ドートリクール,ピアノ=マタン・ポラト,弦楽=アルデオ弦楽四重奏団です

自席は6列34番,右ブロック左から4つ目です

演奏者の6人が登場します.ヴァイオリンの二コラ・ドートリクールはヴィエニャエフスキ国際コンクール等に入賞している実力者,ピアノのマタン・ポラトはイスラエル出身で,ジュリアード音楽院修士課程を修了しています アマデオ弦楽四重奏団は2001年にパリ国立音楽院内で結成した女性4人のグループです ヴァイオリン=キャロル・プティドゥモンジュ,梁美沙(ヤン・ミサ),ヴィオラ=原裕子,チェロ=ジョエル・マルティネズというメンバーです

ショーソンの「ヴァイオリン,ピアノ,弦楽四重奏のためのコンセール」は,フランクの影響を受けた傑作です 第1楽章「アニメ」,第2楽章「シシリエンヌ」,第3楽章「グラーベ」,第4楽章「フィナーレ:トレザニメ」の4つの楽章から成ります 私がこの曲を生演奏で聴くのは今回で3度目です.演奏したピアニストで言うと,1度目は児玉桃,2度目は萩原麻未でした

第1楽章冒頭はピアノによる強打の和音によって開始されますが,このテーマがあとで繰り返し出てきます これがフランクの循環形式の影響があると言われる所以です ヴァイオリンもピアノも素晴らしいと思います アルデオ弦楽四重奏団の面々は一人一人が身体全体を使って曲にのめり込んでいる様子がうかがえます 聴きごたえ十分の演奏でした

会場一杯の拍手とブラボーに,ドートリクールが たどたどしい日本語で「オカワリ イカガデスカ?」とアンコールを仄めかし,第2楽章「シシリエンヌ」を演奏し,再度大きな拍手を浴びました

2日目(5日)の演奏は以上の通りです.疲れました 最終日の今日は7公演聴きます.いざ

 

       

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ラ・フォル・ジュルネ音楽祭2日目(5日)公演その1~クニャーゼフ+ヴォロディン,ローザンヌ声楽アンサンブル,ファンダンゴ・バロック

2017年05月06日 07時53分12秒 | 日記

6日(土).その1.わが家に来てから今日で948日目を迎え,真夜中に CDラックの前で これからどうしようか と悩むモコタロです

 

       

 

                     

 

昨日,東京国際フォーラムで「ラ・フォル・ジュルネ音楽祭」第2日目(5日)のコンサートのうち次の5公演を聴きました

①公演番号221(ホールB7,10:00~10:45)

②公演番号242(ホールC,11:30~12:15)

③公演番号223(ホールB7,13:45~14:30)

④公演番号224(ホールB7,15:30~16:15)

⑤公演番号226(ホールB7,19:00~19:45)

ここでは①②③の模様を書きたいと思います

 

       

 

最初に聴いたのは午前10時からホールB7で開かれた公演番号221のコンサートです プログラムは①シューマン「民謡風の5つの小品」,②ストラヴィンスキー「イタリア組曲」,③ラヴェル「ハバネラ形式の小品」,④同「亡き王女のためのパヴァーヌ」,⑤グラナドス「スペイン舞曲集」から「アンダルーサ」,⑥ピアソラ「ル・グラン・タンゴ」です 演奏はチェロ=アレクサンドル・クニャーゼフ,ピアノ=アレクセイ・ヴォロディンというロシア・コンビです

自席は6列31番,右ブロック左通路側です

二人のアーティストがステージに登場,さっそく1曲目のシューマン「民謡風の5つの小品」の演奏に入ります 第1曲「ユーモアをもって」の演奏で,早くもクニャーゼフのチェロの弓の糸が切れました 第2曲「ゆっくりと」はチェロの弱音がとても美しく響きます 第3曲「速くなく,たっぷりとした音で弾くように」では抒情的な演奏が印象に残ります 第4曲「速すぎないように」と第5曲「力強く,はっきりと」ではエネルギーに満ちた演奏が展開します この間,弓の糸が2回切れました

次いで,ストラヴィンスキー(ピアティゴルスキー編)「イタリア組曲(チェロとピアノのための)」の演奏に入ります この曲は1920年に初演されたバレエ「プルチネッラ」から1932年にチェロとピアノのための組曲としてチェロの巨匠ピアティゴルスキーと作曲者が共同で編曲したものです 5つの曲から成りますが,最も印象に残ったのは3曲目の「アリア」です チェロのピッツィカートが聴かれますが,前日とは異なり,極めて音楽的に響きました 前日,同じ演奏者によるピッツィカートが鈍い音に聴こえたのは,会場の端の席で聴いていたせいかもしれないと思いました 第5曲のフィナーレは躍動感溢れる鮮やかな演奏でした

次いで,ラヴェルの「ハバネラ形式の小品」が演奏されましたが,クニャーゼフのグリッサンドが決まっていました 続けてラヴェルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」が演奏されましたが,「抑制された美の極致」とでも表現すべき美しい演奏でした

次いで,グラナドスの「スペイン舞曲集」から「アンダルーサ」がスペイン情緒豊かに,最後にピアソラの「ル・グラン・タンゴ」がエネルギッシュに演奏されました このラ・フォル・ジュルネ音楽祭は1コマが通常45分ですが,このコマは1時間です.しかし,演奏曲目が多いこともあり5分オーバーしました.充実した65分に聴衆は大喜びでした

 

       

 

2番目に聴いたのは午前11時半からホールCで開かれた公演番号242のコンサートです プログラムは①ブラームス「2つのモテット」から「何ゆえ悩む者に光が与えられたのか」,②「愛の歌」,③「運命の歌」です 演奏はダニエル・ロイス指揮ローザンヌ声楽アンサンブルです

拍手の中,ローザンヌ声楽アンサンブルのメンバーが入場し2列に並びます.男声16名,女声14名のコーラスです 指揮者ダニエル・ロイスが登場し,1曲目の「2つのモテット」から第1番「何ゆえ悩む者に光が与えられたのか」が始まります この曲は聖書から歌詞が取られた宗教曲です.厳かな曲想がアカペラで歌われます.こういう曲を聴くとにわかクリスチャンになりそうです

2曲目は「愛の歌」です.これは全18曲から成るピアノ連弾の伴奏を伴うワルツ集です ブラームスは「歌は無くてもかまわない」としていたようですが,聴く限りは歌が入った方が”愛の機微”が伝わってくるようで良いと思います 1曲目の宗教曲から世俗曲への落差が大きく,最初は戸惑いましたが,すぐに慣れました

3曲目は「運命の歌」です.これもピアノ連弾の伴奏で歌われます 聴いた感じでは,この日聴いた曲のうち最もブラームスらしい曲想だと思いました ローザンヌ声楽アンサンブルは,とにかく透明感のある美しいコーラスです これに匹敵するのは,日本ではバッハ・コレギウム・ジャパンのコーラスくらいでしょう

歌い終えた30人のメンバー全員がステージから消えるまで拍手が続きました こういうコンサートは極めて稀です 素晴らしいコンサートでした

終演後,ガラス棟に行ってみたら,音楽関係の古本や映画のポスターなどが売られているコーナーがありました

 

       

       

昼食後,マルシェで「ラ・フォル・ジュルネ2017」の記念CDを買いました 1,200円です.毎年買っているので12枚溜まりました

 

       

       

 

3番目に聴いたのは午後1時45分からホールB7で開かれた公演番号223の「ファンダンゴ・バロック」コンサートです 配布されたペラ1枚のプログラムによれば「かつてメキシコやコロンビア,ペルーをはじめとする南アメリカ諸国のダンスと音楽は,同時代にヨーロッパで演奏されていたバロック音楽を受け継ぎながら発展したという経緯がある アメリカ,アフリカ,ヨーロッパ,アジアの音楽の出会いが新たな文化的イベントを生んだ.その象徴がファンダンゴである」とのことです

演奏するのは「テンベンべ」という男4人女1人から成るメキシコ民族音楽演奏グループです ギターとヴァイオリンと歌が中心ですが,曲によってはダンスが踊られます プログラムには十数曲の曲名が書かれていますが,ここに紹介しても1つも分からない(何しろ書いている本人が分かっていない)ので割愛します

最後の曲では演奏に合わせて男女によるダンスが踊られ,聴衆から自然と手拍子が起こりました また,アンコールに楽しい曲が演奏され,これも手拍子を誘いました 何しろ今年のラ・フォル・ジュルネ音楽祭のテーマは「ラ・ダンス」ですから,趣旨に沿っています ラテン系の人たちは自分たちのペースに巻き込むのが得意ですね

終演後,地下のEホールを覗いてみたら,ギターを伴奏に歌が歌われていました

 

       

 

4番目と5番目に聴いたコンサートの模様は「その2」にアップすることにします

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