22日(月).わが家に来てから今日で964日目を迎え,北朝鮮が21日午後 弾道ミサイル1発を発射,高度約560キロまで上昇し約500キロ飛行して日本の排他的経済水域に落下した というニュースを見て感想を述べるモコタロです
お目付け役の中国は 経済大国であっても 政治中国だから 力及ばずといったところか
昨日,9月1日(金)に開かれる「サントリーホールReオープニング・コンサート」のチケットを取りました コンサートの第1部はオルガンと金管アンサンブルによるオープニング・セレモニーで,第2部はロッシーニ「ミサ・ソレニムス」です
演奏はジュゼッペ・サッバティー二指揮東京交響楽団ほかです
20日(土)午後3時から初台での「バッハ・コレギウム・ジャパン」のコンサートの後,午後6時からミューザ川崎で東京交響楽団の第650回定期演奏会を聴きました プログラムは①モーツアルト「ピアノ協奏曲第6番変ロ長調K.238」,②ブルックナー「交響曲第5番変ロ長調」です.①のピアノ独奏は小曽根真,指揮はジョナサン・ノットです
1曲目はモーツアルト「ピアノ協奏曲第6番K.238」です 第6番ですが,第1番から第4番までは他の作曲者の編曲なので,実質的には第5番に次ぐ2番目のオリジナル曲です
1776年の作曲なのでモーツアルトの生まれたザルツブルク時代の20歳の時の作品です.第1楽章「アレグロ・アペルト」,第2楽章「アンダンテ・ウン・ポーコ・アダージョ」,第3楽章「ロンド:アレグロ」の3楽章から成ります
オケは弦楽器21人と管楽器6人の27人の小編成です.モーツアルトの時代はこの規模が普通だったのでしょう
指揮者ノットとともに小曽根真が登場しピアノに向かい,ノットの合図で第1楽章が開始されます 小曽根真のピアノは肩の力が抜けて軽やかです
それぞれの楽章にピアノ独奏部分がありますが,今まで聴いたことのない斬新な演奏でした
とくに第3楽章のカデンツァはちょっとモーツアルトから離れて現代に近い響きがありました
ジャズ・ピアニスト小曽根真の真骨頂といったところでしょうか
ただ,やり過ぎず節度を保って演奏するところはクラシックでも一流と言えるでしょう
会場いっぱいの拍手とブラボーでカーテンコールに呼び戻されますが,ピアノの蓋の蔭になって1階席の聴衆から見えない演奏者たちのために,小曽根は自ら蓋を閉じて彼らが見えるようにして聴衆の拍手に応えました 共演者に対するこの気配りはクラシックのピアニストでは見たことがありません
バークリー音楽院を首席で卒業して世界的に活躍する小曽根真は,ピアニストとして一流であるばかりでなく,人間として一流なのだと思います
小曽根はアンコールにレクオ―ナの「スペイン組曲”アンダルシア”」から第4曲「ヒタネリアス」を鮮やかに演奏,いっそう大きな拍手を受けました
なお,会場の音響で気になったことがあるので書いておきます.自席は2階のCBブロック2列目のやや左側なのですが,ピアノの音が2階左サイドの壁に反響して「パタパタ」という音が聴こえてくるのです.これはピアノだけでオケの音はそういうことはありません.この会場の特性かも知れません
休憩後はブルックナー「交響曲第5番変ロ長調」(ノヴァーク版)です この曲は1875年2月から3か月間で完成しましたが,その後1877年から78年にかけて手直しをしています.この曲は演奏される機会に恵まれず,カットなしで全曲が演奏されたのは1935年で,実にブルックナーの死後40年が経とうとしていました
第1楽章「序奏:アダージョ~アレグロ」,第2楽章「アダージョ:ゼア・ラングザーム」,第3楽章「スケルツォ:モルト・ヴィヴァーチェ」,第4楽章「フィナーレ:アダージョ~アレグロ・モデラート」の4楽章から成ります
オケの規模が拡大しフル・オーケストラの態勢で臨みます ノットのタクトで第1楽章が低弦によって厳かに開始されます.すると,突然,音楽が断ち切られ,金管のコラールが奏でられます
そうかと思うとゲネラルパウゼ(全休止)が待っています
これはブルックナーの交響曲の大きな特徴の一つです.「神に対する祈りと賛歌」を現していると思われますが,聴く側としてはその都度 大きな緊張を強いられます
巨大な音楽を作ったということではワーグナー,マーラー,ブルックナーが3大巨人と言えるかも知れませんが,この3人の音楽は全く性格が異なります ワーグナーの歌劇・楽劇は音楽が止まることなく永遠に続きます
マーラーの交響曲は目先がクルクルと変わり先が読めません
それに対し,ブルックナーの交響曲は静かな祈りと神への賛歌が繰り返され,突然のゲネラルパウゼが待っています
ジョナサン・ノットの指揮は,いつものように全体的に速めのテンポで明快に進めていきます 私がいつも聴いているオットー・クレンペラーの演奏に比べると明らかです.ノット+東響によるこの日の演奏は,第1楽章:22分,第2楽章:21分,第3楽章:13分,第4楽章:24分で合計80分でした
演奏で特に良かったのは,第2楽章冒頭での独奏をはじめとするオーボエ首席・荒木奏美と,全楽章でのフルート首席・甲藤さちです
事前の放送が効いたのか,第4楽章の最後の一音が鳴り終わった後,しばしの しじま があり,ノットがタクトを下すと大きな拍手とブラボーがかかりました これが正常な姿です