人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

ラ・フォル・ジュルネ音楽祭1日目(4日)公演その2~ベートーヴェン「第7交響曲」,チャイコフスキー「偉大な芸術家の思い出に」

2017年05月05日 08時01分05秒 | 日記

5日(金・祝)その2.よい子は「その1」から見てね.モコタロはそっちに出演しています

 

       

 

昨日,午後4時半から東京国際フォーラムのホールAで公演番号114のコンサートを聴きました プログラムは①ベートーヴェン「ロマンス第1番ト長調」,②同「交響曲第7番イ長調」です 演奏は①のヴァイオリン独奏=ドミトリ・マフチン,ドミトリー・リス指揮ウラル・フィルです

自席は1階19列12番,左ブロック右通路側です.リス+ウラル・フィルは1年振りです 私はリスの大ファンで,このコンサートを楽しみにしていました

オケのメンバーが入場し配置に着きます.このオーケストラは左から第1ヴァイオリン,第2ヴァイオリン,ヴィオラ,チェロ,その後ろにコントラバスという編成を採ります

ロシア出身のドミトリ・マフチンがリスと共に登場し,さっそく1曲目のベートーヴェン「ロマンス第1番ト長調」の演奏に入ります ヴァイオリン独奏から入りますが,あのしかめっ面のベートーヴェンがこういう優しく穏やかな曲を書いたのだと思うと,人間ベートーヴェンを感じます マフチンのヴァイオリンは美しく輝いています

2曲目は,本日のメーンイベント,ベートーヴェン「交響曲第7番イ長調」です この曲はかつて「のだめカンタービレ」のテーマソングのような形で使われ,にわかクラシック・ファンを増加させるのに貢献しました 小学校の音楽の授業で習った音楽の三要素=リズム,メロディー,ハーモニーのうち,リズムが基本となる曲です 4つの楽章から成ります

リスが再登場し,第1楽章に入ります リスの指揮ぶりを見ていると,そのスケールの大きさに圧倒されます 指揮の動作に比例してオケから出てくる音楽もスケールが大きいのです とくにチェロ,コントラバスといった重低音の音がロシアの大地を進む重戦車のようです かつてロシアの巨匠スヴェトラーノフが得意としていた音楽作りに似ています

リス+ウラル・フィルが表出するエネルギー,躍動感は半端ではありません 5000人を収容するAホールを揺るがします.あまりの豪演に聴衆も興奮気味で,ブラボーと拍手が延々と続きました  これぞ,ベートーヴェン と言っておきましょう

最後にどうでもいいことを付け加えておきます.またまたサスペンダー爺さん現わるです この公演でも拍手を受けながらオケのメンバーが入場するタイミングで最前列中央の席に着きました  それだけならここに書くまでもないのですが,「ロマンス」の演奏が終わると,なぜか席を立って最前列の通路を右方向に横切ったうえ,後方の席(たぶん通路側席)に移っていったのです この爺さん 席が2つあるのでしょうか? 訳が分かりません 聴衆のみならずオケのメンバーも見ている中,すごく目立っていました.恥ずかしいです

 

       

 

次いで,午後7時からホールB7で公演番号126番のコンサートを聴きました プログラムはチャイコフスキー:ピアノ三重奏曲「偉大な芸術家の思い出に」です 演奏は,ヴァイオリン=ドミトリ・マフチン,チェロ=アレクサンドル・クニャーゼフ,ピアノ=ボリス・ベレゾフスキーです

自席は9列1番,最左端です.3人のソリストが登場し配置に着きます.チャイコフスキーの「ピアノ三重奏曲”偉大な芸術家の思い出に」の偉大な芸術家とは,チャイコフスキーの友人でピアニストだったニコライ・ルビンシテインのことで,彼の死を悼んで作曲したものです

この作品は第1楽章「悲歌的小品」,第2楽章「主題と変奏」の2楽章から成ります

3人の演奏で第1楽章が開始されますが,演奏の途中で,前の方から時々唸り声が聞こえてきます 演奏中に声を出す人は困りものだな,と思っていると,また聞こえます どこから声がするのか,分かりません.それにしてもだれも注意をする様子がありません おかしいな,と思っているうちに,過去の経験を思い出しました チェロのクニャーゼフが演奏しながら唸っていたのです この人はそういうクセを持っているのです.それが分かったので安心して聴けるようになりました

ピアノのベレゾフスキーは文句の付けようのない演奏です マフチンは大熱演です クニャーゼフは,ピツィカートの時にボンボンと鈍い音がして,音楽になっていない感じがしました これはB7の部屋の音響特性の影響かもしれません ただ,メロディーを弾く時はチェロがよく鳴っていて抜群に良かったと思います

1日目の公演は以上で終わりです.若干疲れました 今日も5公演聴きます

 

       

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ラ・フォル・ジュルネ音楽祭1日目(4日)公演その1~ベートーヴェン「トリプル・コンチェルト」.モーツアルト「ヴァイオリン・ソナタ」,伊福部昭「ラウダ・コンチェルタータ」

2017年05月05日 07時32分11秒 | 日記

5日(金・祝)その1.わが家に来てから今日で947日目を迎え「雨にも負けず 風にも負けず トランプにも金正恩にも負けない 丈夫な身体を持ちたい」モコタロです

 

       

 

                     

 

昨日,夕食に「豚バラこんにゃく」と「生野菜サラダ」を作りました 豚肉はカリカリに焼いて,こんにゃくはスプーンで切るのがコツです 本音を言うと1日中コンサートづくめで料理どころではないのです 今日と明日はメイン料理はお惣菜にして手を抜こうと思います

 

       

 

                     

 

昨日,東京国際フォーラムで「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2017」が開幕しました また今年もやってきたな,という感じです 私の場合「5月の連休=ラ・フォル・ジュルネ」という等式が成り立っています

 

       

 

昨日の第1日目は次の5公演を聴きました

①公演番号141(ホールC,9:45~10:30)

②公演番号152(ホールD7,11:45~12:30)

③公演番号143(ホールC,13:45~14:30)

④公演番号114(ホールA,16:30~17:15)

⑤公演番号126(ホールB7,19:00~19:45)

ここでは①②③について書くことにします

 

       

 

最初に聴いたのは午前9時45分からホールCで開かれた公演番号141のコンサートです プログラムは①メンデルスゾーン:劇音楽「夏の夜の夢」から「結婚行進曲」,②ベートーヴェン「ピアノ,ヴァイオリン,チェロのための三重奏曲ハ長調」です 演奏はヴァイオリン=テディ・パパヴラミ,チェロ=グザヴィエ・フィリップ,ピアノ=フレデリック・ギィ,リオ・クォクマン指揮シンフォニア・ヴァルソヴィアです

自席は1階12列21番,センターブロックのど真ん中です.通路側席が取れませんでした 会場は9割方埋まっているでしょうか

ポーランドのオケ,シンフォニア・ヴァルソヴィアは1年ぶりです 何人か懐かしい顔が見えます.マカオ出身の若き指揮者リオ・クォクマンが登場し,1曲目のメンデルスゾーンの劇音楽「夏の夜の夢」から「結婚行進曲」が華やかに演奏されます 結婚行進曲というと,この曲とワーグナーのがありますが,ワーグナーの方は厳かな感じがするのに対しメンデルスゾーンの方は晴れやかです 金管のファンファーレが会場を満たしました

ピアノがセンターに移動,その隣にチェロの演奏台が設置され,2曲目のベートーヴェン「ピアノ,ヴァイオリン,チェロのための三重協奏曲ハ長調」の演奏に備えます ソリストの3人が登場し配置に着きます.この曲は3つの楽章から成ります

第1楽章「アレグロ」,オーケストラの長い序奏に続いてフィリップのチェロが堂々と入り,次いでパパヴラミのヴァイオリンが呼応し,ギィのピアノが加わります この楽章は同じ時期に作曲された交響曲第3番”英雄”に通じる雄渾な音楽です 第2楽章「ラルゴ」がチェロ,次いでヴァイオリンによって美しく演奏されます.パパヴラミのヴァイオリンは1727年製ストラディヴァリウスとのことで,さすがに美しい響きです 第2楽章から連続して演奏される第3楽章「ロンド・アラ・ポルカ」はリズミカルで,しかも雄渾なベートーヴェンらしい音楽です 若きクォクマン率いるシンフォニア・ヴァルソヴィアの力強いサポートと相まって素晴らしいアンサンブルを奏でました

 

       

 

2番目に聴いたのは午前11時45分からホールD7で開かれた公演番号152番のコンサートです プログラムは①モーツアルト「ヴァイオリン・ソナタ第32番変ロ長調K.454」,②同「同・第28番変ホ長調K.380」です.演奏はヴァイオリン=オリヴィエ・シャルリエ,ピアノ=アンヌ・ケフェレックです

自席はC列7番,センターブロック5列目の左通路側席です.先行抽選販売で買ったので自分で指定した席ではないのですが,ラッキーです プログラムを見ていると,隣席の 私とほぼ同年代の女性が「これ,行かれましたか?」とパンフレットを差し出しました 第一生命のモーツアルトに関する展示・コンサートのパンフでした.「昨日行ってきました」と答えると,「ラ・フォル・ジュルネも最近は聴きたいコンサートが少なくなりましたね.来年はもう来るのよそうかと思います」と語り掛けてきました 「確かに,これは絶対聴きたいという公演が少ないですね」と答えました.その後も「近くの席に就学前の子供がいて公演中大きな声を出すのは困りますね」とか「今回のコンサートは1万円くらい使ってしまいました」とか,いろいろと話が続き,私も話を合わせていました

そうこうするうちに,開演直前,やってきました.まさかここまでのサスペンダー爺さん 今回は真ん中の席は取れなかったようで,最前列の左端に座りました.オトナシイからいいや

シャルリエとケフェレックが登場します.ケフェレックはいつものように上が白,下が黒のシンプルかつエレガントな衣装です この人は本当にセンスがいいと思います

さっそく1曲目の「ヴァイオリン・ソナタ第21番ホ短調K304」の演奏に入ります この曲は1778年にパリで出版された6曲セットの「選帝侯妃ソナタ」の1曲です.この曲は第1楽章「アレグロ」,第2楽章「テンポ・ディ・メヌエット」から成ります

第1楽章では,シャルリエの思いが強すぎるのか,時にケフェレックより若干遅れ気味に入るのが気になりました ただ,全体的には強弱をつけたメリハリのある演奏で,モーツアルトの光と影を表出していました

2曲目は「ヴァイオリン・ソナタ第32番変ロ長調K454」です この曲は1784年にウィーンで作曲されました.第1楽章「ラルゴ~アレグロ」,第2楽章「アンダンテ」,第3楽章「アレグレット」から成ります

この曲ではシャルリエのヴァイオリンとケフェレックのピアノの対話が楽しく聴けました

二人はアンコールにベートーヴェンの「スプリング・ソナタ」の第4楽章「ロンド」を演奏しました が,曲の途中でシャルリエがヴァイオリンを弾きながらピアノの前に歩いてきて,ケフェレックは曲の途中で立ち上がり,これでおしまい,というポーズを取りました この楽章を全部演奏したら長すぎると思ったのでしょうか.二人のユーモアに会場が笑いに包まれました

私はケフェレックのサイン会が12時45分から開かれると知っていたので,あらかじめ買っておいたCDを持って,急いで地下Eホールのサイン会場に直行しました その甲斐あって,列の1番目に並びました.1番ですよ,奥さん

 

       

       

 

       

       

 

サイン会に時間を取られたため昼食時間があまりなくなってしまったので,コンビニ・オニギリとお茶で済ませました これは例年のことです NHKのブースではホールAの公演の生中継をやっていました

 

       

       

 

3番目に聴いたのは午後1時45分からホールCで開かれた公演番号143番のコンサートです プログラムは伊福部昭①「日本組曲」から「盆踊り」「演伶(ながし)」「佞武多(ねぶた)」,②「オーケストラとマリンバのためのラウダ・コンチェルタータ」です 演奏はマリンバ=安倍圭子,井上道義指揮新日本フィルです

自席は1階20列40番,右端です 開演時間になると,いきなり指揮者・井上道義が登場し,スピーチが始まりました

「今日は,このプログラムでこれだけ多くの人たちが来てくれたことは凄く嬉しい 伊福部昭という人は『ゴジラ』で有名な北海道出身の作曲家ですが,日本の民族音楽に根差した音楽を作曲しています ヨーロッパは狩猟民族ですが,日本は農耕民族です.その農耕民族の土着的な音楽を書いたのですが,作曲当時『はずかしい』と言われました.これはおかしい 素晴らしい音楽です.お楽しみください

スピーチの間にオケのメンバーが入場し配置に着きます.コンマスはソロ・コンマスの豊嶋泰嗣です 井上が再登場し,1曲目「日本組曲」から「盆踊り」「演伶(ながし)」「佞武多(ねぶた)」の演奏に入ります この曲では打楽器群が大活躍します.聴いていると日本人の血が騒ぐ音楽です.バレエをやった経験のある井上は時に踊りながらオケを煽り立てます

マリンバがステージ中央に移動し,2曲目の「オーケストラとマリンバのためのラウダ・コンチェルタータ」に備えます 井上から80歳と紹介された安倍圭子がアイヌ民族衣装で登場します この曲は安倍圭子が伊福部氏に依頼して作曲されたとのことです

安倍は両手に2本ずつマレットを持ち,80歳とは思えない俊敏な動作で右に左に動きながら,数種類あるマレットを取り換えながら演奏します マリンバに光を当て改良を加えながら世界中に広めたのが安倍圭子で,世界中に沢山の弟子が居るとのことですが,さもありなん 精力的に伊福部昭の土俗的なエネルギーを創出していきます ヴァイオリン奏者たちさえも演奏する安倍圭子の手の動きを見つめています この人 凄い人です 会場一杯の拍手とブラボーが80歳のアーティストに寄せられたのは言うまでもありません

 

       

 

この日に聴いた4番目と5番目のコンサートの模様は「その2」としてアップします

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