人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

ショスタコーヴィチ「弦楽四重奏曲第3番」「ピアノ五重奏曲ト短調」を聴く~新日本フィル室内楽シリーズ / ショーソン「ヴァイオリン,ピアノと弦楽四重奏のためのコンセール」CDを聴いてみる

2017年05月10日 07時48分18秒 | 日記

10日(水).昨日の日経朝刊「首都圏経済欄」に「首都圏GW集客堅調 『体験型』好調,好天も追い風」という記事が載っていました  4日から6日まで東京国際フォーラムで開かれた「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2017」は写真入りで紹介されており,キャプションに『ほぼ前年並みの42万人が訪れた』と書かれていました 有料公演のチケットを持っていれば地下のホールで無料コンサートが聴けるので,多くの人が複数のコンサートを聴いたのではないかと思います さらに言えば,42万人にはフォーラムの地上広場を訪れただけの人も含まれているのではないかと推測します

ということで,わが家に来てから今日で952日目を迎え,韓国で朴槿恵前大統領の罷免に伴う大統領選挙の投票が9日午前6時から始まり,革新系最大野党「共に民主党」の文在寅候補が当選したというニュースを耳にして感想を述べるモコタロです

 

       

  誰が大統領でもいいけど”来た!挑戦”に厳しく 日本に理解のある人でないと困るなぁ  勧告しておくよ

 

                     

 

昨日,夕食に「赤魚の粕漬け焼き」「生野菜とタコのサラダ」「ウインナと野菜のスープ」を作りました 赤魚はロシア産と書かれていました.今でもロシアは赤が似合うのか,な

 

       

      

                      

 

先日購入したエルネスト・ショーソンの「ヴァイオリン,ピアノと弦楽四重奏のためのコンセール」のCDを聴いてみました 演奏はヴァイオリン=ジェニファー・パイク,ピアノ=トム・ポスター,弦楽四重奏=ドーリック弦楽四重奏団です.全員が英国出身のアーティストです

 

       

 

演奏者たちは誰一人知らないのですが,CHANDOSレーベルなら間違いないだろうという勘は当たりました 第1楽章冒頭のピアノからして感動的です 第2楽章の「シシリエンヌ」における抒情性は言葉にして言い表せない素晴らしさです そして第4楽章フィナーレは躍動感に満ちています

まだこの曲を聴いたことがない方は,是非 第2楽章「シシリエンヌ」だけでも聴いてみてください  いくつかの演奏が YouTube にアップされています

     

                     

 

昨夕,すみだトリフォニーホール(小)で新日本フィル室内楽シリーズ第108回「ショスタコーヴィチとスターリン」を聴きました プログラムはショスタコーヴィチ①弦楽四重奏曲第3番ヘ長調,②ピアノ五重奏曲ト短調です 出演はヴァイオリン=チェ・ムンス,ビルマン聡平,ヴィオラ=井上典子,チェロ=森澤泰,ピアノ=野田清隆です

 

       

 

自席は11列1番,左端です.この室内楽シリーズは久しぶりですが,お客さんがたくさん入っていてビックリしました ソロ・コンマスによるショスタコーヴィチだからでしょうか

7時15分の開演に先立ち,7時から今回のプロデューサーであるソロ・コンマスのチェ・ムンスによるプレ・トークがありました チェ氏は1988年ソヴィエト政府奨学金を受けてモスクワ音楽院に留学し,首席で卒業後 同大学大学院を経て97年に帰国しています したがってソ連の崩壊を現地で体験した貴重な音楽家です その後,小澤征爾に認められ新日本フィルのコンマスに就任しています

舞台右手にショスタコーヴィチの写真パネルが飾られている中,彼は語ります

「死ぬかもしれない状況の中で曲を書いた人は そうはいないです  ショスタコーヴィチはスターリン時代の粛清の恐怖,第二次世界大戦のカオスの中で,作曲家としての矜持を守りながら生き抜きました  それは想像を絶する厳しさだったと思います.私は90年代初めにソ連に留学中,ソ連崩壊の時期にショスタコーヴィチの第7交響曲を聴きましたが,人々は食い入るように耳を傾けていました  今回演奏する2曲は1940年代の作品ですが,21世紀の今,ある意味で混沌とした時代に聴く意味があると思います.お楽しみください

1曲目は「弦楽四重奏曲第3番ヘ長調」です この曲は第二次世界大戦終了直後の1946年に作曲されましたが,5つの楽章から成ります

チェ・ムンス,ビルマン聡平,井上典子,森澤泰が登場し,さっそく演奏に入ります 演奏を聴く限り,いかにもショスタコーヴィチらしいシニカルな曲です 演奏ではチェの鋭いヴァイオリンが際立っていましたが,定期演奏会を離れて,今回室内楽で初めて聴いたヴィオラの井上典子(元アルデオ弦楽四重奏団メンバー)とヴァイオリンのビルマン聡平の演奏は特筆に値します  二人とも首席奏者になったばかりですが,今回ダテに首席になっているわけではないことを証明しました

なお,この曲を聴くにあたりパシフィカ・クァルテットによるCDで予習しておきました

 

       

 

2曲目は「ピアノ五重奏曲ト短調」です この曲は1940年に作曲されました.5つの楽章から成りますが,同時期に作曲されたのが交響曲第5番や弦楽四重奏曲第1番と言えば,ショスタコーヴィチの充実期の作品であることが分かります

日本音楽コンクール第1位という経歴のピアニスト野田清隆が加わります ピアノによりドラマティックに開始される第1楽章は,中盤から繊細さが際立つようになります 続く第2楽章は神秘的な雰囲気です そして第3楽章のスケルツォは愉悦間に満ちた音楽です チェのヴァイオリン独奏が冴える第4楽章「間奏曲」を経て,行進曲風の音楽を中心とした第5楽章に至ります 5つの楽章がそれぞれショスタコーヴィチの魅力を凝縮したような音楽で,皮肉に満ちています 「いったいどこまでが建前で どこからが本音なのか?」と訊きたいくらいです

今回の演奏を聴いて,この5人のメンバーであれば安心して聴けると思いました 部屋の音響特性のせいか,ピアノの高音部がキンキンと耳に響いたのが気になりましたが,演奏そのものは良かったと思います

 

       

 

会場一杯の拍手とブラボーにアンコールが演奏されることになりましたが,どうやら3人のようです チェ,ビルマン,野田の3人により,ショスタコーヴィチの初期の作品「2つのヴァイオリンとピアノのための5つの小品」から第4曲「ワルツ」と第5曲「ポルカ」が楽しく生き生きと演奏されました それでも拍手が鳴りやまず,今度は5人が登場し,ピアノ五重奏曲の第3楽章「スケルツォ」をもう一度演奏し,コンサートを締めくくりました とても楽しい演奏でした

 

       

       

この曲を聴くにあたり,アシュケナージ(ピアノ)+フィッツウィリアム弦楽四重奏団によるCDで予習しておきました それにしても名曲ですね

 

       

コメント
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