人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

ジョナサン・ノット ✕ ゲルハルト・オピッツ ✕ 東響でブラームス「ピアノ協奏曲第2番」、ルトスワフスキ「管弦楽のための協奏曲」を聴く

2021年12月05日 06時39分25秒 | 日記

5日(日)。わが家に来てから今日で2521日目を迎え、米ミシガン州の高校で11人が死傷した銃撃事件で、地元の検察官は3日、発砲した少年の両親がクリスマスの贈り物として銃を買い与え、事件の予兆も漫然と見過ごしたことから、過失致死の罪で訴追したと発表した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     この親にしてこの子ありという事件だけれど  銃許容社会・米国の弊害とも言える

 

         

 

昨夕、サントリーホールで東京交響楽団の第696回定期演奏会を聴きました プログラムは①ブラームス「ピアノ協奏曲第2番 変ロ長調 作品83」、②ルトスワフスキ「管弦楽のための協奏曲」です     ①のピアノ独奏はゲルハルト・オピッツ(二コラ・アンゲリッシュの代演)、指揮は東響音楽監督ジョナサン・ノットです

 

     

 

拍手に迎えられて楽団員が配置に着きます 弦は左奥にコントラバス、前に左から第1ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、第2ヴァイオリンという対抗配置。コンマスは、新たに東響のコンマスに就任した小林壱成です 隣席は同じくコンマスのグレブ・ニキティンというダブル・コンマス態勢を敷きます

1曲目はブラームス「ピアノ協奏曲第2番 変ロ長調 作品83」です この曲はヨハネス・ブラームス(1833-1897)が1878年から81年にかけて作曲、1881年11月9日にブタペストでブラームスのピアノ独奏により初演されました 当時としては異例の4楽章形式を取り「ピアノを伴う交響曲」とも言われています 第1楽章「アレグロ・ノン・トロッポ」、第2楽章「アレグロ・アパショナート」、第3楽章「アンダンテ」、第4楽章「アレグレット・グラツィオーソ」という構成です

ピアノ独奏のゲルハルト・オピッツはドイツ正統派を代表するピアニストで、ヴィルヘルム・ケンプの弟子に当たります 1977年の第2回アルトゥール・ルービンシュタイン国際コンクールで優勝して世界的な脚光を浴びました

ホルン独奏により第1楽章が開始されますが、この演奏が素晴らしかった ホルンに呼応してオピッツのピアノが悠然と入ってきます。しっかりと地に根を張った演奏という印象を受けます オピッツの演奏姿を見ていると、白髪で顎鬚の顔つきといい、全体的な体型といい、まるでブラームスがピアノを弾いているような気がしてきました 第2楽章では、弦楽セクションの重厚感が際立っていました 第3楽章は冒頭と中間部でチェロの独奏がありますが、首席の伊藤文嗣の抒情感に満ちた演奏が染み入りました オピッツのピアノとのコラボはこの日のハイライトと言っても良いでしょう 間を置かずに入った第4楽章では、冒頭のオピッツの軽やかな演奏が印象に残りました そして、まさに「ピアノ付き交響曲」のごとくピアノとオケが混然一体となってフィナーレになだれ込みました

演奏中、オピッツはほとんど身体を前後左右に動かさず、最低限の動きでピアノに対峙していました 専門的なことは良く判りませんが、こういう一面も”ドイツ正統派”を代表するピアニストの姿なのかな、と思ったりしました

カーテンコールが繰り返され、オピッツとノットが満場の拍手に応えました チェロの伊藤文嗣にも大きな拍手が送られました

 

     

 

プログラム後半はルトスワフスキ「管弦楽のための協奏曲」です この曲はポーランドの作曲家ヴィトルト・ルトスワフスキ(1913-1994)がワルシャワ・フィルの音楽監督W.ロヴィツキの依頼により1950年から54年にかけて作曲、1954年11月26日にワルシャワで初演されました 第1楽章「序曲」、第2楽章「夜の奇想曲とアリオーソ」、第3楽章「パッサカリア、トッカータとコラール」の3楽章から成ります

オケは16型の大編成に拡大しステージが狭く感じます

第1楽章はティンパニの連打で開始されますが、全体的に不穏な雰囲気を感じる曲想です 刻々と変化するテンポに呼応するオケは暗譜で指揮をするノットの「アンダー・コントロール」にあります 第2楽章は極めて速いテンポにより音楽が進みます。中盤のトランペットの演奏を聴いて、かなりバルトークの「管弦楽のための協奏曲」の影響をうけているな、と感じました 第3楽章はコントラバスの超スローテンポの演奏によってパッサカリアのテーマが演奏され、それが別の楽器で次々と変奏されていくとともに、テンポも速くなっていくという流れになっています この楽章でも、時々バルトークを感じさせるフレーズがありました 初めて聴いた曲ですが、作品としては面白い曲だと思いました それもノット ✕ 東響の演奏あってこそでしょう

【コンサート余話】

1曲目のブラームス「ピアノ協奏曲第2番」の演奏中のことでした 第2楽章の演奏中、自席の前列のカップルにどうも落ち着きがありません 女性はバッグの中を探り続け、男性はマフラーを首に巻き出したりと動きが不自然です 「こいつら何をやってるんだ?」と思っていると、第2楽章が終わったとたんに席を外して会場を出てしまい、終演まで2度と戻ってきませんでした どうやら、ホールとホテルを勘違いして会場に来てしまったようです サントリーホールの最寄り駅は溜池山王ですが、溜息散脳な出来事でした

 

     

コメント
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