22日(水)。昨日の日経朝刊 文化欄の囲み記事「Next ストーリー」は「クラシックの常識 ぶっ壊す ①反田恭平」をテーマに掲げ、「社長と二刀流 オケを会社に ~ 若手に活躍の場 音楽院の夢も」という見出しで、今年のショパン国際ピアノコンクール2位入賞の反田恭平を取り上げています 西原幹喜記者による記事を超略すると以下の通りです
「反田恭平(27)は2018年に音楽事務所「NEXUS」を設立、その後、DMG森精機が設立した「森記念製造技術研究財団」と NEXUSの共同出資による株式会社のオーケストラ「Japan National Orchestra(JNO)」を今年5月に設立し社長に就任した 会社を設立したのは「周囲を巻き込み、一緒に楽しむ理想の音楽家を目指すため」だ
現在、所属音楽家は反田自身を含め17人だが、今年のエリザベート王妃国際音楽コンクールで第3位に入賞した務川慧悟(28)、同じく今年のミュンヘン国際音楽コンクールで優勝したヴァイオリンの岡本誠司(27)と、次世代のスターが並ぶ
反田は 若い音楽家が継続的に活動できるようになるには、経済的基盤を整える必要があるとの思いが強く、『オケをつくることが最終目標ではなく、演奏による収益で大きく成長させ、新しい事業をして上を目指す』と考える
目下の目標は『JNOを欧州ツアーに連れて行き、オケの地位を確立すること』で、『最終的には学校をつくりたい』と語る
2016年夏、留学先のモスクワで寝ていると、子どもたちに囲まれ『先生、先生』と慕われていた。目覚めると涙が出ていた。『やるべきことはこれなのかな・・・。俺、学校をつくろう
』。JNOを大きくして利益を積み上げ、奈良の練習場を核に世界的な音楽院をつくるのが目標だ
『30年後ぐらい』と考えていたが、森精機の森社長に発破をかけられ、9年後の2030年に目標を定めた
」
20代の若さで、自分のオーケストラをつくり、経営を安定化させて所属アーティストの経済基盤を確保したうえで、海外進出を目指す。さらにその先の夢として世界的な音楽院をつくる。こういう発想をしたアーティストはこれまでの日本には存在しませんでした スケールが違います。ただし、課題として①当面は森記念製造技術研究財団にかなりの部分で経済的な支援を仰がざるを得ないのではないか、②いくら優秀な演奏家を集めても、たった17人のメンバーだけでは満足に室内楽さえ演奏できないのではないか、という懸念があります
実質的なスポンサーであるDMG森精機の経営が安定しているうちは良いが、リーマンショック級の大恐慌に陥ったりすれば、一企業としてはオーケストラの支援は二の次になるのではないか、と思ってしまいます
反田氏の新しいことへの挑戦は素晴らしいことなので、何とか夢が叶うよう祈るばかりです
ということで、わが家に来てから今日で2538日目を迎え、米国のトランプ前大統領は20日、トランプ氏の一族が経営する企業トランプ・オーガニゼーションに対する民事詐欺調査(不動産価格の評価を操作したかどうか)の中止を求め、米ニューヨーク州のジェームズ司法長官を提訴した というニュースを見て感想を述べるモコタロです
調査されると困ることがあるから提訴するのは明らか ”元大統領”が聞いて呆れる
昨日、夕食に大学時代の友人S君が送ってくれた「赤尾鯛を塩焼き」にして、「マグロの山掛け」「生野菜サラダ」「豚汁」を作りました 魚はヘルシーで美味しいです
中山七里著「ふたたび嗤う淑女」(実業の日本社文庫)を読み終わりました 中山七里は1961年岐阜県生まれ。2009年「さよならドビュッシー」で第8回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、翌年デビュー
以後、ミステリー系の作品を中心に精力的な執筆活動を続け、「中山七里は7人いる」と言わしめるほど数多くの作品を生み出しています
2020年には作家デビュー10周年を迎え、12か月連続で新作刊行を達成し出版界に話題を撒きました
3年前、稀代の悪女・蒲生美智留は巧みな話術で人を騙し、被害者の人生を狂わせていた 世間を震撼させた凶悪事件から3年後、今度は野々宮恭子と名乗る美貌の生活プランナー(投資アドヴァイザー)が現れる
彼女こそ、3年前の蒲生美智留の共犯者だった
野々宮恭子が今回ターゲットにするのは、国会議員・柳井耕一郎の資金団体「女性の活躍推進協会」事務局長・藤沢優美、柳井の後援会長・倉橋兵衛、柳井の秘書・咲田彩夏、新興宗教団体「奨道館」副館長・伊能典膳、そして柳井耕一郎本人です
野々宮恭子は助手的存在・神崎亜香里とともに「金と欲望に執着する」標的たちを次々と暗黒に突き落としていきます
ところが、野々宮恭子自身にはお金に対する執着心はなく、ただ人を不幸に陥れることだけに喜びを感じている異常人格者です
例によって、「どんでん返しの帝王」の異名を持つ中山七里の どんでん返し が最後に待っています 本作では、主役の影に隠れた人物が一番怪しいようです
いつものように面白くて一気読みしました