9日(土)。年末を迎え、相次いで訃報が届きました 一人は高校時代の同窓生K君で、クラスは違っていましたが体育の授業が一緒でした。卒業後は別々の大学に進学し、卒業後は私が新聞関係団体(NSK)に、K君は広告関係団体にそれぞれ入職しました
私が新聞広告を扱う部門に配属された時に久しぶりに仕事の関係で再会したわけですが、彼は三つ子が誕生して大変だったようです
奥さまからの喪中はがきには死因が書かれていなかったので詳細は分かりませんが、「いつか飲もうよ」と話し合っていながら、すっかりご無沙汰して再会出来なかったのが心残りです
同じ年代の友人の訃報には特別寂しいものがあります
もう一人は、NSKの時にお世話になった大先輩のNさんです 直接仕事でご一緒したことはありませんが、趣味を通じていろいろと交流がありました
当時 Nさんは本職の傍ら、創元推理文庫の翻訳の仕事を手がけておられました
ある日、Nさんから「今、推理小説の翻訳をしているんだが、本文の中に『チャールダッシュの女王』というのが出てきて、チャールダッシュについて書かれているんだが、どんな音楽なのか聴いたことがないので翻訳するのにイメージが湧かない
『チャールダッシュの女王』がどんなものか分かる方法はないか
」と相談を受けました
当時はインターネットがない時代です。CDを聴くしかありませんが、私はそのCDを持っていませんでした
しかし、他の誰でもなく私を頼ってきてくれたのに「CDも何も持っていません
」と答えるわけにいかず(沽券にかかわる)、「分かりました。明日CDをお持ちします
」とお答えし、仕事帰りにタワーレコードに寄ってエメリッヒ・カールマンのオペレッタ『チャールダッシュの女王』のCD(2枚組:7000円)を買い求め、家で一度全曲聴いてから、翌日Nさんにお貸ししました
翻訳する上で役に立ったと喜んでいただき、こちらも嬉しく思いました
享年99歳とのこと。天寿を全うされたと思います
あらためて K君、Nさんのご冥福をお祈りいたします
ということで、わが家に来てから今日で3251日目を迎え、自民党の「清和政策研究会」(安倍派)の政治資金パーティー収入問題で、同派に所属する松野博一官房長官は8日午前の閣議後記者会見で、自身が一千万円超の裏金のキックバックを受けていた疑いについて「お答えは差し控える」と繰り返し、具体的な説明を避けた というニュースを見て感想を述べるモコタロです
官房長官が責任取って交代しても 首相からして説明責任を果たしていないからな
昨日の夕食は「あごだし旨辛鍋」にしました 材料は豚バラ肉、ニラ、白菜、モヤシ、シメジ、豆腐です
鍋だったので一時的にお酒を解禁し、10月の誕生祝いにいただいた「浦霞」の冷酒をいただきました
鍋が一段と美味しかったです
昨日の日経朝刊文化面に「回顧 2023 ~ 音楽」が載っていました もうそういう時期になったのか、と 時の流れの速さを感じます
ポピュラーとクラシックの両方が扱われていますが、クラシックは瀬崎久見子編集委員が1年を振り返っています
超略すると以下の通りです
「コロナ禍で延期となっていた公演が実現したこともあり、クラシック音楽は来日ラッシュとなった 11月にはベルリン・フィル、ウィーン・フィル、ロイヤル・コンセルトヘボウなど欧州の一流楽団の公演が集中した
国際情勢が強く影を落とした1年でもあった
イスラエル・パレスチナ情勢の悪化で、イスラエル・フィルが来日を中止したのは象徴的な例だ
ウクライナ戦争や円安によるコスト高で中止になる来日公演もあった
こうした世界に対し、演奏会を通じてメッセージを発した国内オーケストラも少なくなかった
山田和樹指揮東京都交響楽団は、三善晃作曲「反戦三部作」を演奏、セバスティアン・ヴァイグレ指揮読売日響は、ナチス・ドイツと共産主義の両方を批判したハンス・アイスラー「ドイツ交響曲」を日本初演した
オペラでは、チョン・ミョンフン指揮東京フィルがヴェルディ「オテロ」を、大野和士が新国立オペラでヴェルディ「シモン・ボッカネグラ」を取り上げ、争い続ける人間の愚かさを訴える力演を見せた
欧州歌劇場の来日も本格的に再開し、9月にはローマ歌劇場が音楽監督ミケーレ・マリオッティと「椿姫」と「トスカ」を上演、11月にはボローニャ歌劇場初の女性音楽監督となったウクライナ出身のオクサーナ・リーニフが来日し注目を集めた
日本の音楽界ではこの1年、オペラ演出の栗山昌良、指揮者の外山雄三、飯守泰次郎、作曲家の西村朗ら、重鎮が亡くなった
」
今年もいろいろありましたね あとは、朝日の吉田純子編集委員による「回顧 2023 ~ 音楽」が出るのを楽しみに待ちたいと思います
私自身の音楽回顧は「今年のコンサート・マイ・ベスト5」として12月31日に発表する予定です
早稲田松竹でダニエル・シュミット監督による1976年製作スイス映画「天使の影」(101分)を観ました
とある都会の片隅に立つ娼婦リリー(イングリット・カーフェン)は、繊細な性格から仲間内では浮いた存在になっていた 家に帰れば、働かず彼女の稼ぎをせびるヒモ男ラウール(ファスビンダー)が待っていた
ある日、リリーは財界の大物であるユダヤ人に見初められて愛人となり、のし上がっていくが、次第に破滅願望が強くなっていく
この映画はライナー・ヴェルナー・ファスビンダーの戯曲「ゴミ、都市そして死」を、親友であるシュミット監督が映画化した作品で、ファスビンダーもヒモ役で出演しています
戯曲を映画化した作品ということで各シーンが絵画的で台詞が戯曲的ですが、序盤のシーンではヒモ男ラウールの”放送禁止用語”が炸裂し、おい おい!と突っ込みを入れたくなります
リリーは女装癖のあるナチス高官の娘という設定で、結局はユダヤ人とはうまく行かないという結末になるわけですが、どうもストーリーを追いずらいきらいがあり、途中で何度か眠くなってしまいました それでも、いくつか印象に残るシーンがあります
一つは、リリーは真っすぐに歩いているのに、何人かの娼婦たちが現れ 語りかけては消え、ループのようにまた現れて語りかけるシーンです
最後まで解らないのは戯曲「ゴミ、都市そして死」が、どういうわけで映画「天使の影」になったのかということです イメージがまったく異なります