6日(水)。わが家に来てから今日で3248日目を迎え、英国防省は2日、ウクライナ侵略の前線に派遣された露軍兵士の妻が兵士の帰還を求める活動の拠点であるSNSサイト「プーチ・ダモイ」に11月末頃、「フェイク」の警告ラベルが貼られたが、露大統領府関係者が関与した可能性が高いとの見方を示した というニュースを見て感想を述べるモコタロです
プーチン政権が運営する SNSサイトの名前は「プーチン・ダサイ」なんじゃね?
昨日は娘が外食で 私がコンサートだったため、夕食作りはお休みしました
昨夜、サントリーホールで読売日響「第633回定期演奏会」を聴きました プログラムは①ヤナーチェク:バラード「ヴァイオリン弾きの子供」、②リゲティ「ピアノ協奏曲」、③ヤナーチェク:序曲「嫉妬」、④ルトスワフスキ「管弦楽のための協奏曲」です 演奏は②のピアノ独奏=ピエール=ロラン・エマール、指揮=シルヴァン・カンブルランです
読響定期演奏会らしい先鋭的なプログラミングのせいか、客入りが芳しくありません かく言う私も、この日のプログラムは4曲中3曲が初めて聴く近・現代曲です
オケは14型で左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスといういつもの読響の並び コンマスは日下紗矢子、その隣は元読響コンマス・小森谷巧さんではないでしょうか
1曲目はヤナーチェク:バラード「ヴァイオリン弾きの子供」です この曲はレオシュ・ヤナーチェク(1854-1928)がスヴァトブルク・チェフの詩に基づいて1912年に作曲、1917年11月14日にプラハで初演されました シューベルトの「魔王」のようなストーリーで、死んだヴァイオリン弾きの父親が病気の赤ん坊に語りかけると、翌朝に赤ん坊は死んでいたという悲劇です 死んだ父親を独奏ヴァイオリン、病気の赤ん坊をオーボエ、貧しい村人をヴィオラセクション、村の顔役をチェロとコントラバスが描いていきます
カンブルランの指揮で演奏に入りますが、ストーリーを頭に入れて聴くと、とても聴きやすく美しい曲だと思いました 何より特別客演コンマスの日下紗矢子のヴァイオリン・ソロが素晴らしかった そして鈴木康治率いるヴィオラ・セクションのアンサンブルが冴え渡っていました また、11月から読響の正規団員となった首席オーボエの荒木奏美の演奏が素晴らしかった
2曲目はリゲティ「ピアノ協奏曲」です この曲はジェルジ・リゲティ(1923-2006)が1985年から88年にかけて作曲、1988年2月29日にウィーンで初演されました 第1楽章「ヴィヴァーチェ・モルト・リトミコ・エ・プレシコ」、第2楽章「レント・エ・デセルト」、第3楽章「ヴィヴァーチェ・カンタービレ」、第4楽章「アレグロ・リソルート、モルト・リトミコ」、第5楽章「プレスト・ルミノソ」の5楽章から成ります 協奏曲のため、オケは10型に縮小しソリストを際立たせる編成となります
ピアノ独奏のピエール=ロラン・エマールは1973年のメシアン国際コンクールで優勝、19歳でアンサンブル・アンデルコンタンポランの専属ピアニストに抜擢されました その後、世界のオーケストラと共演を重ねています
エマールは椅子の座面を高い位置に設定してスタンバイします
カンブルランの指揮で第1楽章に入ります 高速テンポで演奏が展開しますが、独奏ピアノに関してはほとんどジャズのインプロヴィゼーション(即興演奏)を聴いているような気分です 初めて聴く曲ということもあって、今どの楽章を演奏しているのか分からなくなります 時々、音楽評論家の澤谷夏樹氏のプログラム・ノートをチラ見しながら聴きましたが、何が書いてあるのかさっぱり分からないのです まるで音楽大学の作曲科の学生を相手に書いているように感じます プロの評論家だったら私のような素人にも分かるように書いてほしいと思います
というわけで、ソリストの超絶技巧の実力はよく分かったのですが、曲自体の内容がイマイチ良く分かりませんでした それにしても、あの譜めくりの青年の動作は鮮やかでした あれほどビシッと決まる譜めくりを見たのは初めてです 演奏後、エマールが彼の肩を叩いて 労をねぎらっていたのが印象的でした
エマールは鳴りやまない拍手に、ミニマル・ミュージック風のリゲティ「ムジカ・リチェルカータ」より第7曲を鮮やかに演奏、それでも鳴りやまない拍手に同曲第8曲を演奏し、再び大きな拍手に包まれました
プログラム後半の1曲目はヤナーチェク:序曲「嫉妬」です この曲はヤナーチェクが1894年から95年にかけて作曲しました 本来は歌劇「イェヌーファ」の序曲として作曲しましたが、独立曲としました
オケは16型に拡大し、フルオーケストラ態勢を取ります
この曲は、ティンパニの5連打で開始され5連打で終えるという、ある意味分かりやすい曲です 演奏時間が短い曲ですが、ストーリー性のあるドラマティックな曲でした コーラングレの演奏が素晴らしかった
最後の曲はルトスワフスキ「管弦楽のための協奏曲」です この曲はヴィットルド・ルトスワフスキ(1913-1994)がワルシャワ・フィルの音楽監督ヴィトルト・ロヴィツキの依頼により1950年から54年にかけて作曲、1954年11月26日にワルシャワで初演されました 第1楽章「イントルーダ」、第2楽章「カプリッチョ・ノッツモ・エ・アリオーソ」、第3楽章「パッサカリア、トッカータ・エ・コラール」の3楽章から成ります
オケに打楽器陣が追加され、ステージが狭く見えます
カンブルランの指揮で第1楽章に入ります 冒頭はブラームス「交響曲第1番」を思わせるテンパ二の連打で開始されます 次いで民謡風のテーマがチェロ ⇒ 第2ヴァイオリン ⇒ ヴィオラ ⇒ 第1ヴァイオリンへと引き継がれていきます 中盤ではストラヴィンスキー「春の祭典」の弦楽器によるキザミのような音楽が現れます 第2楽章は弦楽器を中心とする高速の無窮動が続きます 第3楽章の冒頭は超スローテンポによるパッサカリアですが、あまりにもテンポが遅いのでパッサカリアとは気が付かないくらいです その後、コーラングレが美しいメロディーを奏でます そして力強いトッカータに移りますが、木管楽器、金管楽器、そして打楽器が総力を挙げてアグレッシブな演奏を展開します カンブルランの躍動感あふれる精力的な指揮に読響の面々が呼応し、熱量の高い演奏で輝かしいフィナーレを飾りました
満場の拍手の中 カーテンコールが繰り返されました
私がこの曲を聴くのは2度目だと思いますが、1度目の演奏の印象があまり残っていないのに比べ、カンブルランの指揮による演奏は、この曲が名曲だと思えるように感じます カンブルランは特に近・現代の音楽を得意としていますが、パートナーとしては機動力のある読売日響がピッタリだと思います
ということで、サントリーホール前のカラヤン広場もクリスマスモードです