27日(木)。昨日の日経朝刊文化欄に「揺れる音楽ホール 枯渇する専門人材 ~ クラシック、資格制度創設へ」という見出しの記事が載っていました 記事を超訳すると次の通りです
「クラシックでは音楽ホールでプロデュース業務に関わる人材の不足が深刻化している 各ホールが独自に育てるのも限界があり、業界全体で育成の必要性が叫ばれる クラシックの分野でプロデューサーやマネジャーと呼ばれる人材には、プログラム作成やアーティスト選定、制作プロセスや作品の管理、助成金の申請など様々なノウハウが求められる シンポジウムのコーディネーターを務めた芸術文化観光専門職大学の藤野一夫副学長は『多くの施設で、専門知識を持たない事務スタッフがこなしているのが現状』と嘆く 全国公立文化施設協会(公文協)の22年度の調査によると、公立の劇場や音楽ホールで働く人材は、正規雇用が41.3%、非正規は58.5%だった 一方、年齢構成をみると50歳以上が52%と過半数を占め、若い年代ほど割合は低下していく 2003年導入の指定管理者制度が拍車をかけた 行政の文化事業費の削減や、民間事業者への運営丸投げが加速し、『本来時間をかけるべき人材育成がないがしろになった 特に現在30~40代の働き盛りが枯渇し、早急な対策を打たないとさらに深刻化する』と藤野副学長は語る。民間事業者にも育成に力を入れる動きが出ている。公共ホールの指定管理を手掛けるサントリーパブリシティーサービスは、3年前からアートマネジメントを学んだ芸術系大学の学生の新卒採用を始めた 指定管理事業者のほとんどは即戦力の人材を中途採用することが多いが、『様々な文化施設で経験を積めるのが当社の強み。専門性だけでなく総合力を持った人材を育てることで、業界全体にもプラスになる』と同社担当者は語る。公文教は今年、専門人材の認定制度の創設に向けて動き出した。美術館の学芸員や図書館司書を念頭に、音楽ホールや劇場向けの新たな資格をつくる 今後2年間ほどかけてカリキュラムや認定方法などを検討するという」
私はこの記事を読むまで、クラシックの各ホールでは専門知識を持ったプロデューサーやマネジャーがいて、主催公演をはじめ様々な公演をこなしているのだと思っていました また、公立の劇場や音楽ホールで働く人たちの約6割が非正規職員によって運営されているということも初めて知りました 「指定管理者制度」は創設早々から問題があると言われてきましたが、やっぱり「運営丸投げ」だったのですね 「専門人材の認定制度の創設」は避けて通れない道だと思います とにかく若い人を育てないとクラシック音楽ホールの未来は暗いと思います
それで思い出したのは、「サントリーホールでは20,000円、武蔵野なら15,000円」というキャッチで有名な「武蔵野市民文化会館」(公益財団法人 武蔵野文化生涯学習事業団)です 数日前のXで同事業団の「正職員募集」の告知が流れていました 採用職種は「芸術文化事業業務」で、勤務先は武蔵野市民文化会館ほか市内文化施設、仕事の内容は事業の企画・運営、施設管理運営業務、庶務経理など、採用日は令和6年4月1日としています これこそ、音楽ホールの専門家を養成し定着させるための正職員募集だと思います 私が現役の働き手だったら何の躊躇もなく応募するでしょう まだ十分 現役で働くことが出来、クラシック音楽が好きな人は応募してみてはいかがでしょうか 競争率は相当高いと思いますが
ということで、わが家に来てから今日で3269日目を迎え、米コロラド州最高裁の裁判官が、来年の米大統領選挙に向けた州予備選にトランプ前大統領の出馬を認めない判断を示したことをめぐって脅迫を受けていたことが分かり、米連邦捜査局(FBI)や地元当局が捜査に乗り出した というニュースを見て感想を述べるモコタロです
トランプが犯罪容疑者なら 支持者も右へ倣えか 仲良く牢獄で過ごせばいいんじゃね
昨日の夕食は、前日の「ローストビーフ」が余ったので2日連続でいただくことにしました 違いは? 前日はサッポロCLASSICでしたが、この日は赤ワインです
昨日、新文芸坐でアントワン・フークア監督による2023年製作アメリカ映画「イコライザー THE FINAL」(109分)を観ました
シチリアでのマフィアが管理するワイナリー襲撃で負傷し、心身ともに限界を迎えたアメリカ国防情報局の特殊工作員だったマッコール(デンゼル・ワシントン)は、アマルフィ海岸沿いの静かな田舎町に辿り着く 身内のように温かく接してくれる人々の存在に救われた彼は、この町を安住の地にすることを心に誓い、イコライザーのスイッチともいうべき腕時計を外すことを決意する しかし、この町にもマフィアの手が広がり、マッコールは大切な人々を守るため再びイコライザーの仕事を開始する やがて事態はイタリア全土を巻き込む爆破テロ事件へと拡大していく
本作は名優デンゼル・ワシントンが”正義の味方”を演じる人気アクション「イコライザー」シリーズの最終章となる第3作です
私は第1作も第2作も観ていないので、初めて観る作品です 「equalizer」とは「等しくする人、平等にする人」といった意味で、この映画では「世の悪人を完全抹消する闇の仕事請負人」として活躍するマッコールのことを指します 最初はマフィアが一般市民を苦しめ、それを知った主人公が単独で、人に知れないうちにマフィアを殺害していくという「勧善懲悪」の典型のような分かりやすいストーリーです
マッコールがシチリア島で負った傷を、街で長年医者を務めてきたエンゾが治療します その時エンゾは「あなたは良い人間か、悪い人間か?」と訊きます。マッコールは「分からない」と答えます。その答えを聞いたエンゾは彼の傷が銃創であることを追求せず、警察にも通報しませんでした その後、マッコールが「あの時、なぜあんなことを聞いたんだ?」と訊くと、エンゾは、「良い人間は『分からない』と答える」と言います もし彼が「俺は良い人間だ」と答えていたら信用されなかったであろうと推測されます 世の中には良いことをしている善人のような顔をして、裏でキックバックを受けて私腹を肥やしている悪い奴がいくらでもいますから、油断できません
この映画で一番良かったのは、アマルフィ海岸沿いの街並みの美しさです あんな街に住んでみたいと思いました