14日(木)。わが家に来てから今日で3256日目を迎え、トランプ前米大統領が8月にジョージア州でマグショット(犯罪容疑者の顔を識別するために法執行機関が撮影する写真)を撮影した時に着用していたスーツの布切れが添付されたトレカが、2024枚限定で発売され話題になっていると米紙ニューヨーク・ポストが報じた というニュースを見て感想を述べるモコタロです
1着のスーツから2024枚のトレカ分の布が採れるのか? フェイクに決まってる
昨日、夕食に「茄子と鶏肉の炒めもの」「生野菜とアボカドのサラダ」「モヤシの味噌汁」を作りました 「茄子~」は、賞味期限切れの豆板醤を捨てて、購入したばかりのを使ったせいか、いつもと同じ量なのにかなり辛くなってしまいました
「お金も大事だよ~
」だけど、「賞味期限も大事だよ~
」。これから気をつけようと思います
昨夜、紀尾井ホールで「紀尾井 明日への扉 タレイア・クァルテット」演奏会を聴きました
実は、同じ時間帯に佐渡裕指揮新日本フィルによるベートーヴェン「第九」の公開リハーサルが すみだトリフォニーホールで開かれていたのですが、せっかくチケットを買ったのだし、プログラムも好きな曲ばかりなので、予定通りタレイア・クァルテットを聴くことにしました
プログラムは①ベートーヴェン「弦楽四重奏曲第11番ヘ短調 作品95 ”セリオーソ”」、メンデルスゾーン「弦楽四重奏曲第1番 変ホ長調 作品12」、シューベルト「弦楽四重奏曲第14番 ニ短調 D810 ”死と乙女”」です 演奏はタレイア・クァルテット(ヴァイオリン=山田香子、二村裕美、ヴィオラ=渡部咲耶、チェロ=石崎美雨)です
タレイア・クァルテットは2014年に東京藝大在学中に結成。サントリーホール室内楽アカデミー第5期フェローメンバー。第4回宗次ホール弦楽四重奏コンクール第1位、大阪室内楽コンクール2023セミファイナリスト及びボルドー弦楽四重奏フェスティバル賞を受賞しています
なお、石崎美雨さんは日本フィルのチェロ奏者です
拍手の中、赤のコスチュームで統一した4人のメンバーが登場し配置につきます タレイア・クァルテットを聴くのは、コロナ前の「サントリーホール・チェンバーミュージック・ガーデン」でアカデミー・フェローとして出演した時以来なので、とても懐かしい顔ぶれです
1曲目はベートーヴェン「弦楽四重奏曲第11番ヘ短調 作品95 ”セリオーソ”」です この曲はルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770-1827)が1810年に作曲、1814年5月にシュパンツィク四重奏団により初演されました
「セリオーソ(厳粛な)」というタイトルは作曲者自身が付けたもので、第3楽章の冒頭にもその指示があります
第1楽章「アレグロ・コン・ブリオ」、第2楽章「アレグレット・マ・ノン・トロッポ」、第3楽章「アレグロ・アッサイ・ヴィヴァーチェ・マ・セリオーソ ~ ピウ・アレグロ」、第4楽章「ラルゲット・エスプレッシーヴォ ~ アレグレット・アジタート ~ アレグロ」の4楽章から成ります
第1楽章は4人の緊迫感に満ちた総奏で開始され、第1ヴァイオリン・山田香子を中心に集中力に満ちた演奏が展開します 第2楽章は冒頭のチェロ・石崎美雨のゆったりした下降音型の演奏がとても心地よく響きます
その後、ヴィオラ・渡部咲耶 ⇒ 第2ヴァイオリン・二村裕美 ⇒ チェロ・石崎 ⇒ 第1ヴァイオリン・山田へと受け継がれるフーガが素晴らしい
このフーガは後で繰り返されますが、私は聴きながらバッハ「音楽の捧げもの」を思い出していました
第3楽章は実質的にスケルツォですが、とくにヴィオラがよく歌っていました
第4楽章は4人のアンサンブルが見事です
この曲を聴いていつも思うのは、取ってつけたような不思議なフィナーレです
「それまでのセリオーソ(厳粛な)はいったいどこへ行ったのか
」と言いたくなるような喜びに満ちた溌溂とした音楽に急転し、そのまま曲と閉じます
「短調の曲でも、最終楽章は明るく終える」というモーツアルト的なサービス精神を受け継いだのだろうか
2曲目はメンデルスゾーン「弦楽四重奏曲第1番 変ホ長調 作品12」です この曲はフェリックス・メンデルスゾーン(1809-1847)が20歳の1829年に作曲しました
第1番となっていますが、これは出版順で、実際に成立したのは2番目です
第1楽章「アダージョ・ノン・トロッポ ~ アレグロ・ノン・タルダンテ」、第2楽章「カンツォネッタ:アレグレット」、第3楽章「アンダンテ・エスプレッシーヴォ」、第4楽章「モルト・アレグロ・エ・ヴィヴァーチェ」の4楽章から成ります
4人の演奏で第1楽章が開始されます 第1主題は親しみやすいメロディーで、とても印象的です
第2楽章に「メヌエット」でも「スケルツォ」でもない「カンツォネッタ」を持ってくるところがメンデルスゾーンの特徴です
舞曲風な旋律が楽しい
第3楽章では第1ヴァイオリンが美しい旋律を歌います
第4楽章は速いテンポにより駆け抜けます
この曲はコンサートで滅多に演奏されないので、貴重な機会となりました 本公演を聴くにあたりパシフィカ・クァルテットのCDで予習しておきました
プログラム後半はシューベルト「弦楽四重奏曲第14番 ニ短調 D810 ”死と乙女”」です この曲はフランツ・シューベルト(1797-1828)が1824年に作曲、シューベルトの死後の1833年に初演されました
「死と乙女」という通称は、第2楽章が自作の歌曲「死と乙女」の一部が使われていることによります
第1楽章「アレグロ」、第2楽章「アンダンテ・コン・モート」、第3楽章「スケルツォ:アレグロ・モルト ~ トリオ」、第4楽章「プレスト ~ プレスティッシモ」の4楽章から成ります
冒頭は切れ味鋭いデモーニッシュな演奏で開始されます 4人のアンサンブルが素晴らしい
第2楽章を聴くと、私には「シューベルトの葬送行進曲」に聴こえます
主題と5つの変奏から成りますが、第2変奏における石崎のチェロが良く歌い、迫ってくるものがあります
第3楽章は力強さが漲ります
第4楽章はタランテッラのリズムが支配します
シューベルトらしく、同じフレーズがしつこいくらい繰り返されます
コーダはテンポアップし、アグレッシブな演奏で駆け抜けます
聴きごたえのある見事な演奏でした
満場の拍手に4人は、シベリウス「アンダンテ・フェスティーヴォ」をしみじみと演奏、再び大きな拍手を浴びました
紀尾井ホールもクリスマスモードです