10日(日)。鼻の右側面が痒いので掻いたら赤く腫れてしまいました あまりにも痛いので近所の耳鼻科で診てもらいました ヘルペスの疑いがあるとのことで、検査をしてもらいました。腫れた箇所に綿棒をグリグリと押し付けて肉を採取しましたが、痛いのなんのって じっとガマンの子で、堪え難きを堪え忍び難きを忍びました 15分後に呼ばれ「陰性でした。ヘルペスではありません」と言われ、調剤薬局を通じて塗り薬が出ました これで外出時にマスクを外せない日が長引くぞ、と思いました メリー・クリスマスまでまだ間があるのに「真っ赤なお鼻のトナカイさん♬」になりたくない 早く治さないと ベリー・クルシミマスになってしまう
ということで、わが家に来てから今日で3252日目を迎え、国連安全保障理事会は8日、パレスチナ自治区ガザでの人道目的の即時停戦を求める決議案を採決したが、常任理事国である米国が拒否権を行使して否決となった というニュースを見て感想を述べるモコタロです
人の命と国のメンツとどっちが大切か! 常任理事国の全会一致原則が最大の障害だ
昨日、晴海の第一生命ホールで「小倉貴久子 フォルテピアノの世界 ~ 2台クラヴィーアのためのコンチェルト」公演を聴きました プログラムは①ヨハン・セバスティアン・バッハ「2台のクラヴィーアのための協奏曲 ハ短調 BWV1062」、②カール・フィリップ・エマヌエル・バッハ「チェンバロとフォルテピアノのための協奏曲 変ホ長調」、③ウォルフガング・アマデウス・モーツァルト「2台のクラヴィーアのためのフーガ ハ短調 K.426」、④同「2台のクラヴィーアのための協奏曲 変ホ長調 K.365」です 演奏はチェンバロ/フォルテピアノ=小倉貴久子、川口成彦、管弦楽=オルケストラ・デル・モンド・デル・フォルテピアノです
小倉貴久子は東京藝大・大学院修了、アムステルダム音楽院を特別栄誉賞付き首席卒業。ブルージュ国際古楽コンクール・アンサンブル部門及びフォルテピアノ部門で第1位と聴衆賞を受賞 多くのCDや書籍を発表
川口成彦は東京藝大、アムステルダム音楽院の古楽器修士課程修了。第1回ショパン国際ピリオド楽器コンクール第2位。ブルージュ国際古楽コンクール最高位
「オルケストラ・デル・モンド・デル・フォルテピアノ」はピリオド楽器(古楽器)を使用する17名から成るオーケストラです コンサートマスターは丸山韶。フルート=管きよみ、オーボエ=は三宮正満、ホルン=藤田麻理絵といった「バッハ・コレギウム・ジャパン」の常連メンバーが参加しています
自席は1階8列23番、センターブロック右通路側です。会場は結構な客入りです
1曲目はJ.S.バッハ「2台のクラヴィーアのための協奏曲 ハ短調 BWV1062」です この曲はヨハン・セバスティアン・バッハ(1685-1750)が1730~31年頃に作曲した「2本のヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調 BWV1043」を、1732~36年頃に自ら編曲したものです 第1楽章「(指定なし)」、第2楽章「アンダンテ・エ・ピアノ」、第3楽章「アレグロ・アッサイ」の3楽章から成ります
ステージ中央にチェンバロ(下手)とフォルテ・ピアノ「ジルバーマン」(上手)が向かい合わせに設置されています 古楽オーケストラ(立奏)がその後ろに並びます 小倉が下手(第1)、川口が上手(第2)にスタンバイし演奏に入ります 古楽器特有の柔らかな音が会場に響き渡ります チェンバロもフォルテ・ピアノも音が小さいのは、もともとサロン的な部屋で演奏されていた歴史を考えれば理解できるのですが、川口のジルバーマンの音が小さすぎます 撥弦楽器の「チェンバロ」よりも新しい打弦楽器の「フォルテ・ピアノ」の音が小さいのはいかにも不自然です 演奏自体はリズミカルで軽快そのものでしたが、音のバランスが気になりました
2曲目に移る前に小倉がマイクを持ってチェンバロとフォルテ・ピアノの違いについて簡単に説明しましたが、その間、フォルテ・ピアノの方だけに「調律」が入りました やっぱり音が小さくなるように調整されていたようです
2曲目はC.Ph.E.バッハ「チェンバロとフォルテピアノのための協奏曲 変ホ長調」です この曲は大バッハの次男、カール・フィリップ・エマヌエル・バッハ(1714-1788)が1788年に作曲しました 第1楽章「アレグロ・ディ・モルト」、第2楽章「ラルゲット」、第3楽章「プレスト」の3楽章から成ります
この曲では川口がチェンバロを、小倉がフォルテ・ピアノを弾きます
第1楽章が開始されますが、小倉のジルバーマンの音が良く聴こえます 調律が入り、音が大きくなるように調整されたためと思われます この曲では、菅きよみのフラウト・トラヴェルソ、藤田麻理絵のナチュラル・ホルンが冴えた演奏を繰り広げていました
(上の写真は下手のチェンバロ)
(上の写真は上手のフォルテ・ピアノ「ジルバーマン」)
休憩後の1曲目はモーツァルト「2台のクラヴィーアのためのフーガ ハ短調 K.426」です この曲はウォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756-1791)が1783年に作曲しました
今度はフォルテ・ピアノ「ヴァルター」2台による演奏です この曲では下手に川口が、上手に小倉がスタンバイします
2人の丁々発止のやり取りを聴いていると、この曲はバッハの影響をモロに受けていることが分かります
最後の曲はモーツアルト「2台のクラヴィーアのための協奏曲 変ホ長調 K.365」です この曲は1779年に作曲されました 第1楽章「アレグロ」、第2楽章「アンダンテ」、第3楽章「ロンド:アレグロ」の3楽章から成ります
この曲では下手に小倉が、上手に川口がスタンバイします。バックのオーケストラは座って演奏します
この曲はモーツアルトの生まれ故郷ザルツブルクで作曲されたので、おそらく姉ナンネル(マリア・アンナ・モーツアルト)と一緒に演奏するために書いたと思われます 2人のフォルテ・ピアノによる”対話”を聴いていると、まるでモーツアルトと5歳年上のナンネルが楽しく演奏している様子が目に浮かび、微笑ましく思いました 愛があれば歳の差なんて・・なんのこっちゃ
演奏の途中で、2人は同じヴァルターを弾いているのに、音色が全く違うことに気が付きました 小倉は限りなくチェンバロに近く、川口は限りなく現代のピアノに近い音がします これはピアノの調律のせいなのか、あるいは弾き方のせいなのか、製造年代が違うのか、全く分かりませんが、これほど違うとは驚きました
この曲では三宮正満のオーボエ、藤田麻理絵のナチュラルホルンが素晴らしい演奏を繰り広げ、アンサンブルに華を添えました
(上の写真はフォルテ・ピアノ「ヴァルター」)
満場の拍手に、アンコールとしてモーツアルトが1776年に作曲した「3台のクラヴィーアのための協奏曲 ヘ長調 K.242 ”ロドロン”」を「2台のクラヴィーア」用に編曲した曲の第3楽章「テンポ・ディ・メヌエット」を優雅に演奏、大きな拍手の中 コンサートを締めくくりました
バッハ・コレギウム・ジャパンの会員を辞めてから数年経つので、古楽器演奏は久しぶりでしたが、やっぱりピリオド楽器による演奏も良いものだと、あらためて思いました