27(日)。最近観た映画から。「本当におもしろくて刺激的な映画体験を望むなら早くこれを観ろ!大人のためのエンターテインメント!」のキャッチフレーズに誘われて園子温監督「冷たい熱帯魚」をテアトル新宿で観た。監督自身の実体験といくつかの猟奇殺人事件からインスパイアされて作ったという。
物語は小さな熱帯魚屋を営む男が、ひょんなことから巨大熱帯魚屋の男に誘われ、知らず知らずのうちに悪の道に引きずりこまれ破滅への世界へ導かれていくというもの。主人公を演じる吹越満は、地味でまじめな性格が、抗しがたい力によってだんだん捻じ曲げられていく有様を見事に演じている。それに加えて、巨大熱帯魚屋の経営者役のでんでんが強烈な存在感を示している。人が好いと思わせておいて、急に態度を変えて主人公をどん底に追い込んでいく男を見事に演じ分けている。
殺人と死体解体といったシーンが、これでもかといった具合に出てくる。R-18の指定を受けている。昨年観た韓国映画「息もできない」と同じ領域にある映画だと感じた。この映画に対しては賛否両論があるだろう。しかし、そんなことにはあまり興味はない。問題はこの映画でどんな(クラシック)音楽が使われているかだ。
使われたクラシック音楽は2つ。一つはワルトトイフェルの「スケーターズ・ワルツ」。もう一つはマーラーの「交響曲第1番の第3楽章」だ。スケーターズ・ワルツは、水族館での楽しい雰囲気のシーンで使われている。マーラーの方は、主人公が「おかしいぞ。いま引き返さないと後戻りできなくなる」と疑問に思う場面のたびに流される。
この曲は、冒頭ティンパニーにより葬送行進曲風の4度モチーフが打ち続けられ、コントラバスのソロで第1主題が始まり、カノンとして繰り返し繰り返し演奏される。主人公の不安な精神状態を端的に表すのにふさわしい音楽の選定だ。この曲は、いずれ破滅を迎える主人公への葬送行進曲なのだ。そうした意図があってマーラーのこの曲が選ばれたのではないか。監督の本当の意図は知らないが、これが私の勝手な解釈だ。
物語は小さな熱帯魚屋を営む男が、ひょんなことから巨大熱帯魚屋の男に誘われ、知らず知らずのうちに悪の道に引きずりこまれ破滅への世界へ導かれていくというもの。主人公を演じる吹越満は、地味でまじめな性格が、抗しがたい力によってだんだん捻じ曲げられていく有様を見事に演じている。それに加えて、巨大熱帯魚屋の経営者役のでんでんが強烈な存在感を示している。人が好いと思わせておいて、急に態度を変えて主人公をどん底に追い込んでいく男を見事に演じ分けている。
殺人と死体解体といったシーンが、これでもかといった具合に出てくる。R-18の指定を受けている。昨年観た韓国映画「息もできない」と同じ領域にある映画だと感じた。この映画に対しては賛否両論があるだろう。しかし、そんなことにはあまり興味はない。問題はこの映画でどんな(クラシック)音楽が使われているかだ。
使われたクラシック音楽は2つ。一つはワルトトイフェルの「スケーターズ・ワルツ」。もう一つはマーラーの「交響曲第1番の第3楽章」だ。スケーターズ・ワルツは、水族館での楽しい雰囲気のシーンで使われている。マーラーの方は、主人公が「おかしいぞ。いま引き返さないと後戻りできなくなる」と疑問に思う場面のたびに流される。
この曲は、冒頭ティンパニーにより葬送行進曲風の4度モチーフが打ち続けられ、コントラバスのソロで第1主題が始まり、カノンとして繰り返し繰り返し演奏される。主人公の不安な精神状態を端的に表すのにふさわしい音楽の選定だ。この曲は、いずれ破滅を迎える主人公への葬送行進曲なのだ。そうした意図があってマーラーのこの曲が選ばれたのではないか。監督の本当の意図は知らないが、これが私の勝手な解釈だ。
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