人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

グー・シャオガン監督「春江水暖」を観る 〜 変わりゆく中国で懸命に生きる大家族の四季を描いたヒューマンドラマ:ル・シネマ

2021年02月25日 07時25分10秒 | 日記

25日(木)。わが家に来てから今日で2238日目を迎え、トランプ前大統領が19年にベトナム首都ハノイで行われた第2回米朝首脳会談後に北朝鮮の最高指導者・金正恩氏に対し、「大統領専用機エアフォースワンに乗って北朝鮮まで帰らないか」と誘っていたと英BBCテレビが伝えた  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     金正恩はトランプより頭がいいから 拉致されて米国に連れていかれると思ったかな

 

         

 

昨日、夕食に「肉じゃが」「舞茸の味噌汁」「生野菜とアボカドのサラダ」を作りました 寒い夜は日本酒の熱燗に限りますね

 

     

 

         

 

昨日、渋谷の東急文化村「ル・シネマ」でグー・シャオガン監督による2019年製作中国映画「春江水暖(しゅんこうすいだん)」(2時間30分)を観ました

舞台は再開発の只中にある中国・杭州市の富陽地区。顧(グー)家の家長である年老いた母の誕生日を祝うため、4人の息子、孫、親戚たちが集まる しかし、祝宴の最中に母が脳卒中で倒れ、命は取りとめたものの認知症が進み、介護が必要になってしまう レストランを営む長男夫婦と恋に悩む娘、漁師の次男夫婦と息子、ダウン症の息子を男手一つで育て 金のために闇社会に足を踏み入れる三男、取り壊し現場で働きながら 気ままな独身生活を送る四男    変わりゆく中国社会で、彼らは懸命に生きていく

 

     

 

この映画は、大河・富春江が流れる街・富陽の美しい自然を背景に、変わりゆく中国社会の中で懸命に生きる大家族の四季を描いたヒューマンドラマで、中国のグー・シャオガン監督の長編デビュー作です 監督のグー・シャオガンは、山水画の傑作絵巻「富春山居図」にインスピレーションを得て、日々の生活の中で悩みながら生きる普通の人々の姿を、美しい映像とともに描きました

山水画に着想を得ただけに、若者が大河を泳いでいくシーンをはじめ、カメラは横移動のゆったりした長回しにより若者と周囲の景色を捉え、時間は淀みなく続いていることを表します 山水画は右から左へと観ますが、カメラは左から右へゆっくりと移動していきます 見事な映像表現です

ストーリーでは、三男はダウン症の息子を育てるため2人の兄に金を借りに行きますが、「前に貸した金を返してもらっていない」と断られてしまいます 仕方なくイカサマ賭博に手を出して金を作り、長兄に預けられていた母を引き取ります 長兄の娘から「兄弟で一番、情が熱い」と言われますが、汚い金だったため、結局は逮捕されてしまいます いくら善行を施しても元が穢ければ続かないということでしょう

長兄の娘は教師の青年と恋に落ち、結婚したいと両親に訴えますが、とくに母親は相手に家も車もないことから、後で本人が苦労するだけだとして猛烈に反対します 仕方なく若い2人は駆け落ちしてしまいますが、後で、認知症の祖母の後押しによって結ばれます 若い人たちは「財産がなくても好きな人と結婚したい」と考えても、親たちは後々のことを心配して「経済的な安定が大大前提」だと考えてしまう 「相手に家も車もないことを理由に結婚に反対する」というのは言語道断ですが、「愛情は大事。お金も大事」というのは本当のことです

この映画では、古いビルが取り壊される一方で 高層ビル群が聳え立つ、現代中国の地方都市の現況を映し出し、変わりゆく中国を描いています

本作は2019年・第72回カンヌ国際映画祭批評家週間のクロージング作品に選ばれ、日本でも2019年・第20回フィルメックスのコンペティション部門で審査員特別賞を受賞しています 2時間半の間 まったく弛緩することなく、美しい映像と現代中国における大家族の人間模様を垣間見ることができました  素晴らしい映画でした。お薦めします

 

     


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