goo blog サービス終了のお知らせ 

人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

中山七里著「さよならドビュッシー前奏曲~要介護探偵の事件簿」を読む

2013年02月08日 07時00分14秒 | 日記

 8日(金)。昨夕、N監査役から「今日はコンサートないんですか?」と訊かれたので、「昨日も今日もなし。2日連続でコンサートがないのは珍しいんだよね」と答えると、「それじゃあ、地下で・・・・」と言うので、「じゃ、30分ね」ということで地下のRに行きました。ビールは身体によくないということでサワーにして、われわれの四方山話に時にT店長が口を出して、結局8時まで飲んでいました X部長の30分が1時間30分、2時間30分であるように、N監査役の30分も同じ概念であることが判明しました 半分は自分の責任だ、今後気を付けなければ、と自戒して次回に備えたいと思います

 

  閑話休題  

 

昨日の朝刊に読響のチラシが入っていました オーケストラのチラシ広告は珍しいと思います 片面が「読響カレッジ」開始の案内、片面が「読響メトロポリタンシリーズ」の案内になっています。「読響カレッジ」の方は、4月から来年3月まで文京シビックホールを会場に、金曜日の午後7時半からその日の演奏曲目の解説を行い、8時から本番の演奏をするという企画です 日程は4月12日、5月31日、7月26日、9月20日、10月18日、11月15日、1月30日、3月7日の8回です

指揮者陣は小林研一郎、飯守泰次郎、下野竜也、大友直人といった読響でお馴染みの指揮者のほか、ブザンソン指揮者コンクール優勝者・垣内悠希も出演します

年間会員券(8公演・テキスト付)はS席で25,600円、A席で19,200円。1回券はS席で4,000円、A席で3,000円とのことです

割安な企画なので会員になろうかと思い手帳でスケジュールを確認してみたら、すでに8回のうち5回はコンサートの日程が入っていたので、年間会員は諦めることにしました 試しに1度は聴きに行ってもいいかな、とは思っています

こういう”レクチャーコンサート”は今後増えていくのでしょう こういう企画を通してクラシック人口が増え、それがチケット料金の低額化につながれば、こんなに良いことはないのですが

 

          

 

  も一度、閑話休題  

 

新聞業界紙「新聞之新聞」2月6日号に「毎日新聞・梅津氏 桐朋学園大学長に ジャーナリストとして初」という記事が載りました このニュースにはました。記事によると、

「毎日新聞東京本社学芸部の梅津時比古専門編集委員(64歳)が2013年度から桐朋学園大学の学長に就任する チェリストの堤剛学長(70歳)の任期満了に伴う専任教職員による選挙で選ばれ、理事会などで承認された ジャーナリストの学長就任は初めてで、任期は3年

桐朋学園大学といえば小澤征爾をはじめ数多くの音楽家を育てている音楽大学です 一方、梅津時比古さんといえば1010年の日本記者クラブ賞受賞者です。毎日新聞にクラシック音楽のコラムを書いていますが、その仕事は継続するとのこと。王子ホールで何度かお見かけしたことがありますが、いつも目立たないようにされているようです。ご健闘をお祈りします

 

  さらに、閑話休題  

 

中山七里著「さよならドビュッシー前奏曲~要介護探偵の事件簿」(宝島社文庫)を読み終わりましたこの本は「さよならドビュッシー」、「おやすみラフマニノフ」に次ぐ作曲家の名前を冠したミステリーの第3弾です 「さよならドビュッシー」に登場した玄太郎おじいちゃんが主人公になって謎解きに挑むという意外な作品です

「要介護探偵の冒険」、「要介護探偵の生還」、「要介護探偵の快走」、「要介護探偵と四つの署名」、「要介護探偵最後の挨拶」の5つの作品から成る連作短編集です

香月玄太郎は一代で財産を築いた名古屋有数の資産家です。脳梗塞で倒れ「要介護」認定を受けた後も車椅子で会社を切り盛りしています。介護者のみち子を巻き込んで事件の解決に臨みます

「要介護探偵の冒険」は玄太郎の所有する物件の店子だった建築士が密室で殺される事件です 「要介護探偵の生還」は玄太郎を会社の取締役から引きずり下ろそうとする総会屋との戦いが描かれています 「要介護探偵の快走」は近所の老人ばかりが襲撃される事件の解決に挑みます 「要介護探偵の四つの署名」は四人組の銀行強盗に遭遇し、事件を解決する話です 「要介護探偵最後の挨拶」は旧知の仲の政治家がレコード鑑賞の最中死去するという不可思議な事件の解決に臨みます

「さよならドビュッシー」も面白かったのですが、この「前奏曲」の方が輪をかけて面白いです 中でも、音楽好きにたまらないのは最後の「要介護探偵最後の挨拶」です。被害者はタンノイのスピーカーでレコードを聴いていて毒殺されたという事件です そのレコードとはカルロス・クライバーが来日時に指揮をしたベートーヴェンの「交響曲第7番」の海賊盤とのこと しかしレコードを聴いただけで毒を盛られることなんてあるだろうか、と思い、CDになくLPだけにあるものは何か、と考えます。それは音を出すまでの手続きだと思い付きます

CDは、ディスクをCDプレーヤーの中に入れてスイッチを押せば音楽が流れてきます 一方、LPレコードは、まずジャケットからレコードを取り出してターンテーブルに乗せ、レコード・クリーナーで汚れを落とし、針圧を調整し、ボリュームを絞ってからレコード盤に針を落とし、その後ボリュームを上げる・・・・という手続きが必要です この章に初めて登場する岬洋介がその過程のどこかに目を付けます

さて、私が興味のあるのはそのレコードに集録された演奏です 記述によると、このレコードは「豊橋在住の業者が作製したもので、アナログ・レコード100枚、CD1,000枚を通販で売りさばいている カルロス・クライバー+バイエルン国立管弦楽団が1986年に来日した際、昭和女子大学人見記念講堂でライブ録音されたもの。演奏曲目はベートーヴェンの交響曲第7番。市販されていない海賊版」となっています。

このLPレコードもしくはCDは本当に存在するのか、というのが興味のあるところです もしあるなら是非聴いてみたいと思います。この本はそんなことも妄想させてくれます 最近読んだ本の中ではダントツに面白い本でした。お薦めします

 

          

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

NHKの4月からの新番組「おとうさんといっしょ」放映開始に思うこと

2013年02月07日 07時00分01秒 | 日記

7日(木)。昨日の朝日朝刊・社会面に「イクメン出番だ NHKが『おとうさんといっしょ』」という記事が載りました 記事を要約すると、

「NHKの『おかあさんといっしょ』が放送開始54年目の今年、4月から『おとうさんといっしょ』も始まる。数年前から子育てに積極的な父親を”イクメン”としてメディアが取り上げるなど、父親の子育て参加の機運は高まっている  放送は4月7日から毎週日曜午前8時からBSプレミアムで。再放送は土曜日の夕方5時半。『おかあさんといっしょ』と同様、おにいさんやおねえさんが登場して歌って踊るほか、新キャラクターも登場させる

さて、長男がO歳児保育園に通っていたころのことですから、今から20年程前のことです。当時、文京区白山に住んでいましたが、私は本郷にあるJ保育園にほぼ100%長男の送り迎えをしていました 当時は父親が子供の送り迎えをするのは珍しく、一般的ではありませんでした

ある時、園長先生から「知人からNHKの幼児番組『すくすく赤ちゃん』という番組で、父親と子供のかかわりについて番組を作りたいのだが、出演してくれる父親を数名推薦してほしいと頼まれた。ついては出演してくれないだろうか」と頼まれました。話を聞くと、その番組では、父親と子供が一緒に新聞紙を折ってカブトを作るという内容でした。ちょうど5月の「子供の日」を間近に控えた頃だったのです

「そういうことなら」ということで他の父親・幼児とともに”出演”しました 何週間後かの土曜か日曜の夜にその番組は放送されました。幼児番組なので誰も観ている人はいるまい、とタカをくくっていたのですが、そうではありませんでした

その頃私は元の職場で、新聞社の人事労務関係の研究会の仕事をしていたのですが、懇親会の席で、富山に本社のあるK新聞社のS研究員から「この間、テレビを観ていたらSさん(私のこと)らしい人が映っていたんですが、あれはSさんですよね」と言われました。ちょうど何かの選挙の真っ最中で、どのチャンネルを回しても同じ選挙報道なので、NHK教育テレビを付けてみたら幼児番組を放送しており、幼児を相手に新聞紙でカブトを折っている私の姿を”発見した”ということでした もちろん、「そうです、あれは私です」と白状して、事情を説明しました。その時「どこで誰が観ている分からない。油断できないぞ」とつくづく思いました。

また、職場の女性の紹介で日経女性記者の取材を受け、日経の夕刊にも写真入りで登場しました 取材の趣旨は「夫婦共働きでストレスを溜めない方法」というものでしたが、あらかじめ記者なりの結論があって、それを引き出すために質問をしていたように感じました。今あらためてタイトルを見ると「男も育児ヒステリー」とあります。随分なタイトルを付けてくれますよね。また、写真の説明に文京区の保育園なのに千代田区と書かれていました 新聞記者はもっとまじめに取材してほしいと思ったものです

 

          

 

J保育園では、長女がお世話になった時の”手作り保育”に感激したこともあり、恩返しの意味で父母の会会長に立候補しました。、小さなデザイン事務所を経営するU夫妻と私が中心になり、他の母親たちに編集委員になってもらって「ぱぱままタイムス’93」という月間のミニコミ紙を発行しました アンケートをとって”手早くできる乳児食”、”梅雨時に洗濯物を手早く乾かす方法”など、すぐに役立つ情報を掲載しました。また、父親だけ数人集めて”父親座談会”を開き、子供との関わりや育て方などについて話し合い、その模様を掲載しました

 

          

                      (創刊号の第1面)

 

          

               (父親座談会記録の見開き紙面の片面)

 

その後、長男がO歳児保育園を卒園し年長保育園に通っていた頃、J保育園のS園長から電話があり、日本保育協会が「病後児保育の現状と課題」というテーマでパネル・ディスカッションをやるのだが、保護者の代表として出席してくれないか、という打診がありました 湯河原への1泊出張の2日目だったのですが、時間的には間に合うだろうと、引き受けることにしました そんな時「阪神淡路大震災」が起こりました。記録によると1995年(平成7年)1月でしたが、パネルはその1週間か2週間くらい後に都内で開かれました

パネルは、保育園側、行政側、保護者側から各1名と、大学の先生が司会を務めました。たしか、保育園側の代表者が阪神大震災で保育園が被災した園長先生でした 私は前の日の出張で風邪を引いてしまいドラ声で発言しました。「子どもはちょっとしたことですぐに熱を出してしまう。不思議と仕事で忙しい時に限って高熱を出す 風邪が治りかけたな、と思って朝、熱を計ると平熱よりずっと高いこともしばしばだ。どうしても出勤しなければならない時は、保育園には申し訳ないが、おしりに座薬を入れて熱を下げて保育園に預けたものだ。この会場に当時の園長先生がいらっしゃるが、この場で謝罪したい」と話したのを覚えています。

”育児に積極的に関わる父親”の先輩として、今”イクメン”と騒がれている若い父親にはエールを送りたいと思いますが、周りで騒いでいる世間を見ると「何を今さら」と言いたくなる今日この頃です

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

あれは何だったのか?~神楽坂での優雅なアルバイトの思い出

2013年02月06日 07時01分24秒 | 日記

6日(水)。昨夕、9階記者クラブで近隣のビル管理関係者の新年会が開かれ、出席しました。当社が幹事で1月中の開催という予定で日程調整したのですが、5社の都合を合わせるのが難しく2月にずれ込んだものです 主にビールとワインを飲みながら和食のフルコースをいただき、ビル共通の話題で盛り上がりました。「HKビルでは韓国家庭料理屋がオープンすると聞いていますが・・・・」「はい、他のビルに入居している店ですが、そこでも評判の良い店です」「FSビル地下のすし屋の前は新しい店が入ると聞いていますが・・・・」「実はPCビルから昨年夏に撤退したK屋の系列店が入ることになっています」などなど、最新の情報を得ることができました

予定の2時間を経過したころ、マナーモードにしていたケータイが鳴るので発信者を見ると”X部長”が表示されたので、しばし放っておきました するとクラブの担当者が「X部長がお見えです」と言うので、しぶしぶ部屋を出ると「地下のOで飲んでるから、そこんとこよろしく」と言います。迎えに来られたら行かないわけにはいかないので、新年会終了後、大胆にも単身でOに乗り込みました。というのはN監査役が”X部長”という単語を聞いた途端に逃走したからです。X部長=焼鳥O=上野でカラオケ=デスマッチ=雪で帰れない・・・と連想したものと思われます。まあ、気持ちは分かりますが・・・・・・

焼鳥Oでは、X部長のほかS建設の巨漢F氏、内装工事Mの巨艦M氏、同じく内装工事Uの駆逐艦U氏が何の話か知らないけれど盛り上がっていました 実はほぼ1年前の飲み会で内装工事Mの社長の隣で飲んだことがあるのですが、文字通りダジャレの連発でヘキヘキしたことがあります そのことをM氏に話すと「社長がダジャレを言っても社員は無視していますが、あれでも人望があっていろいろ世話役を引き受けているんですよ」とかばっていました。涙がチョチョ切れるほどの美談ではないですか えっ、そうでもない? あっ、そう

その後、X部長が「上野、行くよね」と言うので、夜中から大雪になると言うウワサ(世間では”天気予報”と呼んでいる)を物ともせず、次の瞬間にはタクシーに乗り込んでいました カラオケ・スナックFでいつものようにカラオケ歌合戦 を繰り広げ、最高94点で並んで、恨みっこなしで深夜帰宅しました。雪にこそ降られなかったものの、ほんとに”今日さえ良ければいい”毎日を送っているな。われながら それにしても、今日は雪が積もりそうですねぇ。ユキ過ぎにならないといいのですが

 

  閑話休題   

 

昨日の日経朝刊首都圏欄の「なんでも調査団」に「神楽坂は”プチフランス”~仏政府の学校設置契機」という記事が載りました 神楽坂の通りを歩くとフランス料理店が目に付き「プチフランス」との言葉をよく聞く、と書いています

私は近くの飯田橋の映画館「ギンレイホール」には時々行きますが、神楽坂には滅多に行きません。せいぜい神楽坂のコンビニで昼食の弁当を買って映画館に入るくらいです

今ではそんな付き合いしかない神楽坂ですが、学生時代に忘れられない思い出があります 大学4年の時だったと思いますが、当時のSゼミの指導教授から研究室に呼ばれ「文章添削のアルバイトをしないか」と声をかけられたのです S教授はA新聞社の調査部長を務め上げてから大学の新聞学科の教授に迎えられた人です

詳しく聞いてみると、「(S教授の)旧知のA新聞社〇〇氏が、原稿の添削をしてくれる学生を探している。ただし、この件は外部に知られたくない ついては口の堅い学生を一人紹介してほしい」ということで、当時ゼミ長をやっていた私に白羽の矢が立ったとのことでした その時どんな原稿を添削したのか、アルバイト料がいくらだったのか等まったく覚えていません。領収書にサインした時には、楽な仕事の割には高い時給だなと思いましたが 唯一覚えているのは、仕事の場所が神楽坂の坂を上がった辺りにある料亭だったことです。仕事の最中、どこからともなくチントンシャンと三味線の音 が聴こえてきて「こんな優雅な処でこんなアルバイトしていていいのかな」と思ったものです。〇〇氏は別の部屋で原稿を書いているようでした。アルバイトはたしか2日間だったと思いますが、「根を詰めると疲れるから適当に散歩でもしてらっしゃい」と言われ、近くの毘沙門天まで散歩したのを覚えています

今から思うに、〇〇氏はA新聞社に内緒で外部原稿を書いて原稿料を稼いでいて、それを”口の堅い”学生に添削させたのではないかと勘ぐっています もちろん”口の堅い”私は、ゼミのメンバーはじめ他の学生には一切この話はしませんでした。今日の今日まで。それにしても、なぜ神楽坂の料亭で添削のアルバイトだったのか、イマイチよく理解できないままでいます

S教授は十数年前に亡くなり、おそらく旧知の〇〇氏ももはやこの世に存在しないでしょうが、神楽坂というとこの不思議なアルバイトのことを思い出します

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

映画における因数分解?~「全思考 北野武」を読む

2013年02月05日 06時59分22秒 | 日記

5日(火)。北野武著「全思考 北野武」(幻冬舎文庫)を読み終わりました この本はお笑いタレントで、映画監督で、俳優で、東京藝大の教授でもある、あのタケシが、どんなことを考えて毎日を生きているかを綴ったエッセイです

第1章「生死の問題」、第2章「教育の問題」、第3章「関係の問題」、第4章「作法の問題」、第5章「映画の問題」の5つの章から構成されています

漫才コンビ”ツー・ビート”の頃から思っていたのは毒舌で馴らしたタケシの頭の回転の速さです タケシは明治大学理工学部で学んでいた(中退)という事実があります 今でこそ、大学出の漫才コンビはごく普通のことのように存在していますが、タケシが漫才の全盛期だった1980年代はそうではありませんでした。中退とはいえ大学で理科系を専攻していた漫才師は異例だったと思います

理科系的な発想だな、と思わず納得したのが「映画の問題」の中に出てくる”因数分解”の話です

「銃を持った殺し屋が、道の向こうから歩いてくる。その通りには、ゴミ置き場の裏だの、ビルの屋上だのに、その殺し屋を迎え撃つ警官が、何人も隠れてる 観客は当然、そこで激しい銃撃戦が起きることを期待する。だけど、それをやりたくない たとえば、そこで因数分解はできないかと考える。数学で習った因数分解だ。殺し屋と銃を X 、警官を a b c d e とする。普通の銃撃戦を数式で表せば、こうなる

ax + bx + cx + dx + ex

これを x で括ったら、どうなるかと考えるわけだ 答えは次の通り。

x ( a + b + c + d + e )

映画の表現に直せば、こういう感じになる

最初のシーンで、銃を持った殺し屋が、道の向こうから歩いてくる。通りには、警官隊が隠れている。次のシーンでは、その通りを去っていく殺し屋の後ろ姿だ。通りのあちこちには、aからeの警官が死んで倒れている。一発も弾を撃つシーンはないんだけど、そういうやり方でも、銃撃戦と殺し屋の腕を表現できるわけだ

普通の人はこういう考え方をしないと思います。そこがタケシの理科系的な感性なのだと思います

この本には、タケシが行きつけのお店の主人、通称”クマさん”が登場して、世間には知られていないタケシの素顔を語っています それが何とも微笑ましく”人間タケシ”を身近に感じて温かい気持ちになります

私は基本的にはテレビを観ませんが、たまに子供たちが観ている番組にタケシが出ていて、毒舌をはいて笑いを取っているのを見ると、エッセイに書いてあったように「タケシという人間を演じるのはつらく疲れる」だろうな、と思い同情してしまいます

 

          

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

チョン・キョンファのヴァイオリン・リサイタルのチケットを入手

2013年02月04日 06時59分30秒 | 日記

4日(月)。昨日、子どもたちと、入院中の母を見舞いに行きました。ちょうど甥のK夫妻と子供たちが来ていて久しぶりに再会しました 母は幸い呼吸も脈拍も安定しており、前に見舞ったときよりも顔色も良く、安心して病院を後にしました その後、妹夫婦の住む実家に寄って猫のミラに再会しました。ミラとは未来の略ではなく、ミラクルのミラです 何しろ体重が7キロと”奇跡的”にデブなのです 大きな身体の割には小心者で普段は”猫をかぶっている”のですが、チョッカイを出すと反撃してきます。見てください、この7キロの体重から繰り出す肉球パンチを

 

          

 

  閑話休題  

 

2日(土)の日経「夕刊文化」欄に、小松潔編集委員の「コンマスと指揮者」というエッセイが載りました要約すると、

「本当にいいコンマスだと指揮者の仕事は半分ぐらいですむという あるコンマスの話では一番緊張するのは本番ではなくゲネプロ(本番と同じ条件でする総リハーサル)とのこと。ソロを弾くと、腕前が衰えていないか、楽員が皆、耳を澄ますのがわかるという 危機管理の役割も担う。1984年のベルリン・フィル来日公演の際、R.シュトラウスの「ドン・ファン」のはずが、カラヤンは別の曲と間違えて指揮を始めた。その時、コンマスの安永徹は楽員に無意識に開始の合図を出し、カラヤンもわかったというそぶりでやり直した これには後日談があり、ホールにいた日本人関係者は”あれは翌日のプログラムにあったドビュッシーの交響詩『海』と間違えた”と語ったが、会場で聴いていた先輩コンマス、ミシェル・シュバルベは”あれはチャイコフスキーの『第5番』”と言い切ったという カラヤンは直前にこの曲が入ったヘッドホンステレオをもらったとのこと。しかしシュバルベはそのことを知らない。昨年10月、シュバルベは92歳でこの世を去った。先に逝ったカラヤンは笑顔で迎えたに違いない

コンマス恐るべし である。曲の冒頭の合図を出す指揮者の表情や仕草で、プログラムと違う曲を始めようとしているなと瞬時に判断して楽員に合図を送ることができるのです しかも、ベルリン・フィルのコンマスは何の曲と間違えたのかも当ててしまう その伝統は現コンマス、樫本大進に受け継がれているわけです。ベルリン・フィル恐るべし

 

  も一度、閑話休題  

 

数日前の朝日朝刊に韓国のヴァイオリニスト、チョン・キョンファの「ヴァイオリン・リサイタル」の広告が載りました 早速チケットを買いに走りました リサイタルは6月11日(火)午後7時からサントリーホールで開かれます。プログラムは①モーツアルト「ヴァイオリン・ソナタK.379」、②プロコフィエフ「ヴァイオリン・ソナタ第1番」、③バッハ「シャコンヌ(無伴奏パルティータ第2番より)、④フランク「ヴァイオリン・ソナタ」です。何とも魅力的なプログラムです

チョン・キョンファは1948年3月26日にソウルで生まれました。姉のチョン・ミュンファはチェリスト、弟のチョン・ミュンフンは指揮者という音楽一家です。彼女は12歳でジュリアード音楽院に留学しイヴァン・ガラミアンに師事、その後、ヨーゼフ・シゲティにも師事しました

LPレコード時代を中心に多くの録音を残していますが、私もチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲をはじめとする名演奏をLPやCDで聴いてきました。しかし、残念ながら生で彼女の演奏を聴く機会はありませんでした 以前から是非とも生で聴きたいと思っていたので、日本でリサイタルを開くと言われれば聴きに行くしかありません

彼女は1984年にイギリス人の実業家と結婚、出産を機に一時活動を休止していました。その後現役復帰したものの、2005年から指の怪我のため長期療養が続き、2010年に再度復帰しました 待望のヴァイオリンの女王の復活リサイタルです。どんな演奏になるのか、今から楽しみです

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

仲道郁代でベートーヴェン「ピアノ協奏曲第5番”皇帝”」を聴く~東京フィル文京シビックシリーズ

2013年02月03日 08時02分11秒 | 日記

3日(日)。昨日、文京シビックホールで東京フィルの「響きの森クラシック・シリーズ」公演を聴きましたプログラムは①ベートーヴェン「ピアノ協奏曲第5番”皇帝”」、②同「交響曲第7番」の2曲。この組み合わせは、最も人を呼びやすいプログラムと言っても過言ではないでしょう 指揮は世間で”炎のコバケン”と呼ばれる小林研一郎、①のソリストは仲道郁代です

このブログにも書きましたが、1月15日にまったく同じプログラムを外山雄三+読売日響+小川典子の演奏で聴いています 否が応でも聴き比べることになります

舞台中央にセッティングされたピアノの椅子を見て”おやっ?”と思いました。椅子の前の方の脚が短いのです。つまりピアニストが座ると自然と前のめりになるようにセッティングされているのです 仲道郁代のベートーヴェンの”皇帝”に対峙する覚悟を示しているかのようです

仲道郁代がゴールドのドレスに身を包まれて小林研一郎とともに登場します 小林はいつも通り、折れた箇所を黒のテープで巻いた指揮棒で開始の合図をします 冒頭からピアノが華麗に登場します。目の前で演奏する彼女の演奏を観て聴いているうちに、私は先日の小川典子の演奏を思い浮かべていました 小川は終始うつむき加減で余裕がなく、そのせいか音楽が内にこもった感じがして、開放感がありませんでした それに比べて、目の前で展開する仲道の演奏は堂々としたもので”皇帝”に相応しい輝きに満ちていました

とくに感心したのは第1楽章「アレグロ」です。これまで何回この曲を聴いてきたか分かりませんが、これまで聴こえていなかった左手による旋律がはっきりと聴こえてきたのです 彼女の演奏を聴いて初めて”第1楽章にはこういうメロディーが隠れていたのか”と気づきました

第2楽章のアダージョはあくまでも静かにそして美しく演奏しました そして続けて演奏された第3楽章「ロンド:アレグロ」の何と力強いことか。これが”皇帝”だ!という堂々たる演奏です

小林のタクトが上がり、会場一杯の拍手とブラボーが仲道に押し寄せました 仲道はオケも立たせるよう小林に促しますが、小林はソリストを立てます。それが何度か繰り返されました。仲道という人はステージマナーが素晴らしいと思いました 舞台に呼び戻される際、小林が仲道の肩を抱きながら何やら囁きました。そして強引にピアノの椅子に座らせて、自分は第1ヴァイオリンの席に(半分)座ってしまいました 仲道は「子犬のワルツを弾いてちょうだいって言われたんです」とタネを明かして、演奏に移りました。軽やかに弾むように演奏し、また会場一杯の賞賛を受けました

正直言ってこれまで仲道郁代というピアニストに対してはあまり良いイメージを持っていませんでした。美人を売りにして人気を得ているけど、演奏はたいしたことないじゃん、と思っていたのです しかし、この日の演奏を境に、彼女に対するイメージは一新しました。彼女は演奏も素晴らしいし、ステージマナーも素晴らしいピアニストです これからはもっと生で聴きたいと思います

2曲目のベートーヴェン「交響曲第7番」は、ご存知”のだめカンタービレ”のテーマ音楽です 小林は情熱的にタクトを振り、東京フィルから強靭な音楽を引き出していました とくに第3楽章「プレスト」ではティンパ二に思いきり叩かせベートーヴェンの推進力を見せつけていました

圧倒的なフィナーレで、会場割れんばかりのブラボーと拍手に包まれ、小林はいつものようにオーケストラのメンバーをセクションごとに立たせて賞賛を集めました そして会場の拍手を制して「きょうはありがとうございました。アンコールには”静かな曲”を演奏したいと思います」とアナウンスして、弦楽セクションによってドヴォルザークの「ユーモレスク」を思い入れたっぷりに演奏しました

この日は何はともあれ、仲道郁代の再発見、再評価の記念すべきコンサートになりました

 

          

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

新日本フィル室内楽”音楽家たちの饗宴2012-2013”後半4回連続券申し込み

2013年02月02日 07時00分28秒 | 日記

2日(土)。昨夕、「それじゃ、また」と言ってX部長と当ビルの玄関ホールで別れたのに、上野のカラオケ・スナックで気持ち良く歌っていると、突然ほろ酔い気分のX部長が現われました 兄弟で深刻な話し合いをしているはずだったX部長は、マイクを手にした私を発見するなり「何でここに居るの まさか居るとは思わなかったよ こっちは話が長引いて終わったのが9時半になちゃったけど、来ちゃったよ、ばかだねえ」と自虐的な発言をしていました。というわけで、またしてもべろんべろんのX部長を相手にカラオケ歌合戦 を繰り広げ、私が1点差の94点で逃げ切りました 朝から頭が痛いのはいつもの土曜日のことです

 

  閑話休題  

 

昨日、新日本フィル室内楽シリーズ”音楽家たちの饗宴2012-2013”後半4回連続券の申し込みをしました。席は現在の前方左通路側です

日程・プログラムは次のとおりです。時間は午後7時からプレ・トーク、同7時15分から開演です 演奏終了後、ホワイエでワイン飲み放題のワンコイン・パーティー(参加費500円)があります

第5回:4月18日(木) シューマン「弦楽四重奏曲第1番イ短調」、ブラームス「ピアノ四重奏曲第1番ト短調」ほか。※ブラ―ムスにはプレ・トークの篠原秀和さんが出演します

第6回:5月15日(水) J.シュトラウス「喜歌劇”こうもり”序曲」(コントラバス四重奏版)、モーツアルト「交響曲第40番ト短調K.550」(木管五重奏版)ほか。J.シュトラウスには次期プレ・トーク担当に内定している村松裕子さんが出演します

第7回:6月26日(水) コダ―イ「弦楽四重奏曲第1番ハ短調」、シューマン「ピアノ五重奏曲変ホ長調」。コダ―イにはコンマスの西江辰郎さんが出演します

第8回:7月25日(木) モーツアルト「ヴァイオリンとヴィオラのための二重奏曲ト長調K.423」、ストラヴィンスキー「兵士の物語」。ストラヴィンスキーにはクラリネットの重松希巳江さんが出演します

1回券は@3,000円ですが、4回連続券は1割引きの10,800円です 新日本フィル定期会員以外の一般の方は本日から受付が開始されます。申し込みは新日本フィル・チケットボックス(電話:03-5610-3815)まで

新日本フィルのメンバーが身近で演奏するので、楽員に親しみを感じるようになります まだ参加されたことがない方は是非一度お聴きになってください。”プレ・トーク”、”ワンコイン・パーティー”ともども充実していて楽しいですよ

 

          

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ブラボー!シラクーザ~新国立オペラでドニゼッティ「愛の妙薬」を観る

2013年02月01日 06時59分19秒 | 日記

1日(金)。早いもので、今日から2月です。月の初めに当たって思うのは、政府自民党の安倍首相による”アベノミクス”の行方です 巷間言われているように”アベノリスク”のままで推移するのか、1年後に”アベノミス”で終わるのか、セーフのまま任期を全うすることができるのか、いつの間にか自眠党になって休眠状態で解散の憂き目にあっているのか、結局のところ安倍首相には強気のシンゾーで頑張ってもらうしかないのではないか・・・・・・と、考え出したら夜も眠れない こうなったら、昼寝をするしかないか・・・・・・そんなことを考えているうちに2月は28日しかないこともあって、アッという間に過ぎ去ることでしょうね 

 

  閑話休題  

 

昨夕、初台の新国立劇場でドニゼッティの歌劇「愛の妙薬」を観ました キャストは、アディーナに二コル・キャベル、ネモリーノにアントニーノ・シラクーザ、ベルコーレに成田博之、ドゥルカマーラにレナート・ジローラミ、ジャンネッタに九嶋香奈枝ほか、ジュリアン・サレムクール指揮東京交響楽団、演出はチェーザレ・リエヴィです

「ネモリーノは純朴な農夫ですが、農場主のアディーナに夢中です 軍曹のベルコーレがアディーナに言い寄るので、ネモリーノも勇気を出して告白しますが、相手にされません そこへインチキ薬売りのドゥルカマーラがやってきて、愛の妙薬と称して安いワインを売りつけます ネモリーノは酔いにまかせて強気でアディーナに告白しようとしますが、怒ったアディーナはベルコーレと結婚すると言い出します。ネモリーノはもっと妙薬を買うためのお金を稼ぐためベルコーレの軍隊に入隊します。そのことに心を動かされたアディーナはネモリーノに愛を告白し、二人はめでたく結ばれます

このオペラは同じ演出で2010年の新国立公演で観ています 舞台、衣装からキャストの髪の毛に至るまでカラフルに染められていて、実に明るいイメージを前面に出した演出です

イタリアの指揮者リエヴィのタクトで前奏曲が始まります 若干インパクトが弱いかな、と思っているうちに徐々に東響の本領が発揮されてきました

今回の公演の目玉は何と言ってもネモリーノを歌うシラクーザです。高音部も無理なく美しい声で歌い上げます とくに第2幕後半のロマンツァ”人知れぬ涙”は感動的でした また、アドリブなのか時に日本語のセリフを言って会場の笑いを誘っていました こういうところは天性のものを感じます。この人に喜劇のベルカント・オペラを歌わせたら天下一品です

アディーナを歌った二コル・キャベルはカリフォルニア出身のソプラノです 最初は彼女がアディーナを歌っていることに何となく違和感がありました。人種差別をする気はさらさらないのですが、彼女は黒人なので、衣裳との不釣り合いを感じたのかも知れません それも時間の問題で、彼女の歌うアリアを聴いているうちに、その美しい声に魅せられて、むしろ彼女ほどアディーナに相応しいソプラノはいないのではないか、とさえ思うようになりました とくにネモリーノの”人知れぬ涙”の後にアディーナが歌う”レチタティーヴォとアリア”はほれぼれするような美しい声で、すっかり魅了されました ちなみに彼女は昨年の新国立劇場の「ドン・ジョバンニ」でドンナ・エルヴィーラを歌った歌手です

ベルコーレ役の成田博之は終始安定したバリトンで、シラクーザに食い下がっていました

このオペラでもう一人の主役はバリトンのレナート・ジローラミです 全くの悪役でなく、なぜか憎めないインチキ薬売りのドゥルカマーラを見事に演じ、深みのあるバリトンで歌い上げていました

 

          

 

公演プログラムに山田高誌という人が「興業としてのイタリア・オペラ~特筆されるべきドニゼッティの多作性~」という文章を寄せています それによると、ヴェルディは54年間で26作、ワーグナーは42年間で14作、プッチーニは41年間で12作、それぞれオペラを作曲しましたが、ドニゼッティは27年間で70作以上のオペラを作曲したとのこと。これは意外でした ドニゼッティと言えば「愛の妙薬」のほかには「ランメルモールのルチア」、「アンナ・ボレーナ」、「連隊の娘」、「ドン・パスクワーレ」くらいしか頭に浮かんで来ません。70作以上とは随分異常な多作家だったのですね

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする