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人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

ブラームス「ドイツ・レクイエム」を聴く~第22回Kissポート・クラシック~頑張ったコーラス

2013年09月20日 07時00分34秒 | 日記

20日(金)。昨夕、サントリーホールで第22回Kissポート・クラシックコンサートを聴きました コンサートを聴くのは12日ぶりです 

これはKissポート財団(公益財団法人港区スポーツふれあい文化健康財団)が主催するコンサートです。プログラムは第1部がメンデルスゾーン「ヴァイオリン協奏曲ホ短調」(Vn独奏:周防亮介)、第2部がブラームス「ドイツレクイエム」(SP:森麻季、Br:三原剛、ミナトシティコーラス)、大友直人指揮東京交響楽団の演奏です

 

          

 

自席は1階13列15番、左ブロックの右通路側席です。会場は8~9割方埋まっている感じです 想像するに、合唱を担うミナトシティコーラスの家族・知人が多いと思われます オケのメンバーが揃い、コンマスの大谷康子が登場します。チューニングの後、ソリストの周防亮介が指揮者・大友直人に伴われて登場します。髪の毛が長いのでまるで女の子のようです プログラムの経歴を見ると、現在、東京音楽大学付属高校3年特別特待奨学生とあります。まだ高校生じゃありませんか

1曲目のメンデルスゾーン「ヴァイオリン協奏曲ホ短調」は、ヴァイオリン協奏曲の代名詞のような有名曲ですメンデルスゾーンは好きな作曲家ですが、どうもヴァイオリン協奏曲というと、図ったようにこの曲が選ばれるので若干ウンザリしてしまうところがあります それでも名曲中の名曲には違いありません 周防は実に素直にのびのびと美しいメロディーを奏でて聴衆を魅了しました

休憩時間には必ずロビーに出るのですが、なぜか人出が極端に少ないので驚きました 8~9割方埋まっていると思ったのが実際にはそう見えただけなのか(1人おきに座っていたとか)、コンサート慣れしている人が少なく、休憩時間中もずっと座ったまま過ごした人が多かったのか、よく分かりません。とにかく、いつものコンサートとは聴衆の種類が違います

2曲目のブラームスの「ドイツ・レクイエム」を歌うため、舞台後方のP席にコーラス陣が入場します。センター・ブロックに男声陣約60名、両サイドのブロックに女声陣がそれぞれ約70名、合計200名の大合唱団です 去年も気が付いたのですが、男声陣の平均年齢が非常に高いように思います。多分70から80歳までの間くらいではないかと思われます 女声陣はその半分より若干上の平均年齢ではないでしょうか 次いで、ソリストの森麻季と三原剛が登場します。衣装は曲がレクイエムなので当然、黒です

ドイツ・レクイエムは恩師シューマンの死(1856年)をきっかけに作曲が開始され、1865年の母の死を受けて急速に作曲が進んだようです。第1曲から第7曲までの全7曲から成りますが、全曲としては1869年2月18日、ライネッケ指揮ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団によって初演されました

第1曲は、冒頭からオルガンの通奏低音が響き、その上に低弦が乗り、そこにコーラスがかぶっていきます 第3曲はバリトン独唱が活躍します。第5曲は唯一ソプラノ独唱が歌われます。森麻季は、かなり昔の話ですが、声量が足りないと思った時があったのですが、最近は管弦楽やコーラスを抜けてソプラノが浮き上がってきます。ビロードのような美しい声です

第6曲は再びバリトンが登場します。ラッパが轟き、主を讃えるコーラスが高らかに歌われます。このフィナーレがドイツ・レクイエムの山場でしょう。力強いコーラスです 第7曲は、一転、第1曲の世界に戻り、静かに曲を閉じます

大友のタクトで曲が始まってから、平均年齢の高いコーラス陣は立ちっぱなしだったので、特に男声陣の誰かが途中で座り込んでしまわないかと心配していましたが、一人の脱落者もなく最後まで歌い切りました 例年より暑さが厳しい夏の中、練習も大変だったと思います。熱中症で倒れた人もいたのではないかと想像します 「おまえ、ドイツ語で歌ってみろ」と言われても、私には出来ません 皆さまお疲れ様でした。打ち上げのビールはさぞかし美味しかったことでしょう

 

          

 

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1950年代のクラシック音楽演奏会の音源発掘される~予想通りCD化も

2013年09月19日 07時00分24秒 | 日記

19日(木)。昨日の日経夕刊「生活・ひと」欄に歌手ジュディ・オングのインタビュー記事が載っていました 今90歳の父、86歳の母を持つ彼女は「両親の笑顔のために今日という日を一生懸命に生きる、そして親が望むことを一生懸命にやることが親孝行だと思います」と語っています いま、両親のない私にとっては身につまされる思いです

ところで、ジュディ・オングといえば、中学生の時に思い出があります。1年生の時の担任はTという英語の男性教師でしたが、なぜか芸能界で活躍しているジュディ・オングの知り合いで、「だれかジュディ・オングと英語で文通しない?希望者は申し出てくれれば仲立ちをしてあげるよ」と言っていました 手を挙げようかと思ったのですが、田舎の中学生が、芸能界で脚光を浴びる都会の彼女に、いったい英語で何を書けばいいのか見当もつかなかったので思いとどまりました 結局、だれも”志願”しなかったようで、先生は「ざ、ざんねん」と下を向いていました。あの時、彼女と文通していたら今ごろどうなっていたろうか・・・・・と思って、一人ニヤニヤしている今日この頃です

 

  閑話休題  

 

17日の日経朝刊「文化欄」に音楽ジャーナリスト・林田直樹氏が「巨匠の響き 戦後ラジオに~クラシック音楽の貴重な録音218点を発掘・紹介」と題するエッセイを書いています 記事を要約すると、

「1950年代、1日に6本ものクラシック音楽番組を流す民放ラジオ局があった ラジオ東京(現TBS)である。専属オーケストラとして東京交響楽団を抱え、海外の一流音楽家も次々と招聘した。ピアノのケンプとバックハウス、ヴァイオリンのハイフェッツ、チェロのロストロポーヴィチ、指揮者のアルヴィド・ヤンソンス(マリスの父)、カザルス(チェロの巨匠)など 

ユニークなものでは、ウィーン・フィルの元コンサート・マスター、ワルター・バリリが中学生時代の前橋汀子らにヴァイオリンを指導する模様がある バリリ氏は92歳の今も元気で、今回の発見を大変喜んでくれた。これらの録音から感じられるのは『伝えようという強い意志』だ。演奏会は、はるばる訪れた日本で音楽の素晴らしさを伝える気迫と、外国からの客人を歓迎する雰囲気に満ちている 

TBSが運営するインターネット放送局OTTAVAの特別番組でオンデマンド配信しているほか「TBS VINTAGE CLASSICS」と題してCDも出し始め、最終的には数十枚に及びそうである

ラジオ東京の新音源発見のニュースは、9月6日の当ブログで取り上げました そこで「商魂たくましい放送局だから、『往年の巨匠による来日公演ライブシリーズ』などと銘打ってCD化するのではないか」と書きましたが、タイトルこそ異なるものの、その通りになりました

記事に出てくる「東京交響楽団」は、現在ミューザ川崎に本拠地を置く東京交響楽団のことです 元々は1946年に「東宝交響楽団」として設立され、1951年に「東京交響楽団」と改称されました。その後、1964年にTBSとの専属契約を打ち切られて経営が破たんし、財団法人を解散、楽員の自主管理によりオーケストラを運営することで再出発しました その後、1980年に財団法人として再び認可を受け、現在に至っています。1964年から2004年まで秋山和慶が音楽監督及び常任指揮者を務め、現在は桂冠指揮者を務めています 現在オーケストラ、オペラ等8つ定期会員になっていますが、そのうち3つが東京交響楽団です(サントリーシリーズ、オペラシティシリーズ、ミューザ川崎名曲全集)

この音源の価値は”ライブ録音”であるところです このうちケンプとバックハウスは共にベートーヴェンの「ピアノ協奏曲第5番”皇帝”」を弾いているとのことですが、林田氏によると、ケンプの演奏の方は”唸り声を含む激しいもの”ということです。是非聴いてみたいと思います

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朝日新聞『タイタニックのバイオリン発見』の記事はオカシイ!~9月17日付夕刊

2013年09月18日 07時00分29秒 | 日記

18日(水)。昨日の朝日夕刊に「タイタニックのバイオリン発見」という大見出しの記事が載りました 記事を要約すると、

「1912年に大西洋で沈没、約1500人の犠牲者を出した英国の豪華客船タイタニック号で、沈没直前まで演奏を続けた音楽家のバイオリンが見つかった 18日から、客船が建造された英・北アイルランドのベルファストで公開される。AFP通信によると、バイオリンは、タイタニック号の楽団長だった英国人ウォレス・ハートリー氏のもの。婚約者のマリア・ロビンソンさんが事故の2年前、婚約記念にプレゼントしたもの

この記事を読んでデジャヴ―を感じました 確か以前、同じようなニュースを新聞記事で見て、このtoraブログで紹介したような記憶があったので調べてみました すると、案の定、今日からちょうど6か月前の3月18日のブログで次のように書いていました

「昨日の日経朝刊に『タイタニック沈没 最後まで演奏 悲劇のバイオリン発見 英で展示後、競売に』という小さな記事が載りました 記事を要約すると、『英競売会社”ヘンリー・オルドリッジ&サン”はこのほど、1912年に沈没した英豪華客船タイタニック号の沈没間際まで船上で演奏を続けた楽団のバイオリンが見つかったと発表した 非難する乗客らを落ち着かせるために楽団が最後まで演奏を続けたことは有名。バイオリンは楽団長だった英国人ウォレス・ハートリーさんのもの』」

この2つの記事は同じヴァイオリンのことを言っていることは誰が見ても明らかです 昨夕の朝日の記事が明らかにオカシイと思う根拠は、同じ朝日の記事の中に「専門家の調査を経て今年3月、ハートリー氏のバイオリンだと断定された」と書かれているからです それにも関わらず、見出しで「バイオリン発見」とし、記事の中で「見つかった」と書いて、そのヴァイオリンがあたかもつい最近発見されたかのように報道するのは、数百万部の発行部数を誇り”クォリティーペーパー”を標榜する全国紙としていかがなものでしょうか

新聞の見出しは記事のエッセンスを要約したものでなければなりません。新聞でトップ記事のことをリードと言いますが、誤解を招く見出しは”ミスリード”と言います。”奢るな朝日”と言っておきます

 

          

                  (9月17日付朝日新聞夕刊)

 

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東川篤也著「殺意は必ず三度ある」(光文社文庫)を読む~強引とも言えるトリック!

2013年09月17日 07時00分25秒 | 日記

18日(火)。昨日は大型台風18号が日本列島を縦断し関東地方を通過したため、午前中から強い風雨が吹き荒れていました 雨が小降りになったのを見計らってマンション1階のコンビニに買い物に出た以外は、一日中家で本を読んで過ごしました。夕方には”台風一過”、美しい夕焼けが見られました

今朝は、朝6時の気温が21度。肌寒いくらいの涼しさ。9月に入って最低気温だと思います これで昼間に暑くならなければ本格的な秋の到来になるのですが・・・・・・・・・・さあ、どうでしょうか

 

  閑話休題  

 

東川篤也著「殺意は必ず三度ある」(光文社文庫)を読み終わりました 東川篤也といえば「密室の鍵貸します」「密室に向かって撃て!」「完全犯罪に猫は何匹必要か?」「ここに死体を捨てないで下さい」など、すっとぼけた味の推理小説を書くユニークな作家です

常敗チームである鯉ヶ窪学園野球部のグラウンドからベースが盗まれた 同学園の探偵部の面々も事件解決に挑むが思うように行かない。その1週間後、ライバル校・飛龍館高校との対抗戦のさなかに、野球部監督の死体がバックスクリーンで発見された 傍らには何故か盗まれたベースとグローブとボールが置いてあった。その後、高校の関係者・竜ヶ崎賢三が殺され、次いで家政婦・吉野も殺されそうになる。そこにもベースが置かれていた。果たしてこれは”見立て殺人”なのか だれがどういう動機で監督を殺したのか・・・・・・

われわれ素人では考えもつかない、強引とも言えるトリックで犯人は関係者を騙しました 読んだあと「そんなのアリ」と思わず叫びたくなったことを告白しなければなりません

 

          

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真保裕一「ブルー・ゴールド」、湊かなえ「花の鎖」、池波正太郎「男の作法」、阿川佐和子「残るは食欲」

2013年09月16日 08時00分57秒 | 日記

16日(月・祝)。昨日は埼玉県の志木まで弔問に行って来ました 叔母が9月初旬に亡くなったのですが、家族葬で済ませたという手紙が届いたので、できるだけ早い時期にお線香をあげに行きたいと思っていました。この間、辻堂の叔父の葬儀があったりして日程調整が難しかったのですが、16日にと一旦は決めました ところが、台風が日本に接近中で16日に関東上空を通過するというニュースが入ったので、急きょ15日に繰り上げて弔問するよう変更したのです

朝9時頃家を出る時はどしゃぶりの雨で、ズボンがずぶ濡れになってしまいました 志木駅では従兄が車で迎えに来てくれたので助かりました。お線香をあげ30分ほど話をしてお暇しました。その足で狭山の実家に行くことにし、東上線で川越市に出て、歩いて西武新宿線の本川越駅に行きました。川越もすっかり変わってしまったという印象を持ちました この頃には雨も小降りになっていました。狭山から巣鴨へ戻る車中では、なぜか太陽の光が入ってきて眩しいくらいでした 台風はいったいどうしたのか、と思ってテレビを見ると、予定通り今日の昼間に関東地方をかすめていくとのことでした。昨日、用事を済ませて良かったと思います

 

  閑話休題  

 

本を4冊買いました 1冊目は真保裕一著「ブルー・ゴールド」(朝日文庫)です。真保裕一は1961年生まれの作家ですが、91年に「連鎖」で江戸川乱歩賞を受賞してデビューしました。「デパートへ行こう!」が面白かったので、期待を込めて買いました

 

          

 

 

2冊目は湊かなえ著「花の鎖」(文春文庫)です。湊かなえは「少女」「夜行観覧車」などの作品でお馴染みの作家です。何気に怖いお話が多いですよね

 

          

 

3冊目は池波正太郎著「男の作法」(新潮文庫)です。池波正太郎と言えば、「鬼平犯科帳」で有名ですが、この本は「男の常識、男の生き方」を語っている、と裏表紙に書かれていました

 

          

 

4冊目は阿川佐和子著「残るは食欲」(新潮文庫)です。阿川佐和子と言えば、インタビューの極意を書いた新書「聞く力」がベストセラーになっている、また、TBSテレビ土曜朝7時半からの「サワコの朝」でホステス役を務めている素敵な女性です

 

          

 

いずれ、このグログでご紹介していきます

 

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METライブビューイング・アンコールでプッチーニ「トゥーランドット」を観る~5回目!

2013年09月15日 07時00分36秒 | 日記

15日(日)。13日付朝日夕刊に「イグ・ノーベル賞に日本人 移植後はオペラが効く」という記事が載りました記事を要約すると、

「人々を笑わせ、考えさせる研究や業績に贈る今年の『イグ・ノーベル賞』で日本人研究者が『医学賞』と『化学賞』を受賞した 日本人の受賞は7年連続。医学賞を受賞したのは帝京大医学部の新見正則准教授ら。マウスの腹に別の心臓を移植すると、その心臓は免疫の拒絶反応で8日後には鼓動が止まる。ところが手術後にオペラ『椿姫』を聴かせ続けると、平均26.5日、最長約100日間も心臓が動き続けた 鼓膜を壊すと効果はないため、音楽が脳を介して免疫反応に影響していると考えられる

「モーツアルトの音楽を流しながら酒を醸造すると味が滑らかになる」とかいう話はよく耳にしますが、オペラ「椿姫」が心臓の働きを促進するという話は初めてです が、ここで疑問なのは、ひとことで『椿姫』と言うけれど、①長いオペラのどの部分(アリア?)なのか、②誰の演奏(歌?)なのか、ということです。一番考えられ易いのは第1幕冒頭の『乾杯の歌』です。シャンパンやワインで乾杯する歌なら健康に良さそうだし、心臓の働きを活発にするような気がします。ハズレだったら『完敗』です・・・・・・・ヴィアータくらいのレベルの低さでしたね

 

  閑話休題  

 

次は同じ13日付朝日夕刊の中村紘子さんのインタビュー記事の話です 「クラシック音楽に未来はありますか?」という質問に、彼女は次のように答えています

「役目を終えてはいないと思いますが、大きな未来があるとは思えないですね 表現形式も楽器も完成しているから、それを上回る魅力を持った音楽がこの先出現するかどうか。いい音楽は演奏家に触感的な感動を与えるんです。キーを通したある種のエクスタシー、その恍惚感が聴衆に伝わる 加えて、天才が生まれる土壌が社会にありません。時間をかけて育まなければならないのに、大衆社会は才能ある人の足を引っ張るか、成熟を待たないまま摩耗させてしまう 一種の大衆迎合をしないと世の中に出られない面もある。クラシックはそもそも、愛好人口が広がる性質の音楽ではなかったと思います むしろ現代の日本はかなり広がっている方ではないでしょうか

この中で「時間をかけて育まなければならないのに、大衆社会は才能ある人の足を引っ張るか、成熟を待たないまま摩耗させてしまう」と言っているのは、彼女の名著『チャイコフスキー・コンクール』の中でも言及しているアメリカのピアニスト、ヴァン・クライヴァーンのことを念頭に置いていることは間違いないでしょう 「米ソ対立」という世界情勢の中、ソ連で開かれた第1回チャイコフスキー・コンクールで何とアメリカのピアニスト、クライヴァーンが優勝したのですから世界中が大騒ぎになりました その結果、大人気となったクライヴァーンはハードな演奏旅行を組まされ、優勝曲であるチャイコフスキーやラフマニノフなどの限られたピアノ協奏曲だけを演奏するように求められ、結局スポイルされてしまったのです それと同じような傾向が現在でもある、と彼女は言っているのだと思います

 

 も一度、閑話休題  

 

昨日、東銀座の東劇でMETライブビューイング・アンコール、プッチーニ「トゥーランドット」を観ました 東劇に着いて、ロビー奥のマッサージチェアを利用しようとしたのですが姿形が見えません。どうも撤去されたようです。休憩時間のお伴がなくなり寂しい限りです。自席はR10番、センター通路側席です

このライブ映像を観るのはこれで5回目です 何と言ってもフランコ・ゼフィレッリの演出が群を抜いていますヴェルディ「アイーダ」、プッチーニ「ラ・ボエーム」とともにMETにおける彼の3大演出と言っても良いでしょう とにかく絢爛豪華で、”本物”の香りがします。この公演は2009年11月7日に米メトロポリタン歌劇場で上演された公演の録画です

アンドリス・ネルソンスの気合の入った指揮で幕が開きます この迫力でこの公演は半分成功したようなものです。オペラは最初が肝心です

マリア・グレギーナの、冷酷なトゥーランドット姫の役に徹した歌と演技が光ります 現在、彼女を超すトゥーランドット歌手はいないでしょう マリーナ・ポプラフスカヤのリューの歌と演技は観る者の涙を誘います。この当時、彼女はまだMETにデビューして間もない頃でしたが、聴衆の心をすっかり捉えています

一方、男性陣では、カラフ役のマルチェッロ・ジョルダー二が絶好調で、第3幕の有名なアリア「だれも寝てはならぬ」は最高の出来でした また、カラフの父ティムール役のサミュエル・レイミーは豊かな低音で聴衆を魅了しました

先に、この映画を観るのは5回目である旨書きましたが、何度観ても鳥肌が立つほど素晴らしい舞台、演出、歌手陣です。現在望みうる世界最高水準の『トゥーランドット』と言っても過言ではないでしょう

 

          

 

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近藤史恵著「ダークルーム」を読む~「サクリファイス」など長編だけでなく短編も面白い!

2013年09月14日 07時00分19秒 | 日記

14日(土)。12日午後から13日夕方まで辻堂での葬儀のため家を空けたので新聞が溜りました 最近、新聞に折り込まれるチラシ広告が増えているように感じます。不動産やスーパーが多いようですが、景気回復が進んでいるのでしょうか 折り込み広告は新聞販売店の重要な収入源です。家庭にとっては紙ゴミが増えて困りますが、販売店にとっては多ければ多いほど経済的に助かります

この間、朝日夕刊に連載されたピアニストの中村紘子さんのインタビュー記事を興味深く読みました 12日掲載分は「国際コンクール審査員 裏側も見た」と題する内容です 彼女は芥川賞作家の庄司薫氏と結婚したのですが、出会ったころ、彼の大学時代の仲間と一緒になった時、農学部出身の人に『流派は何ですか?』と尋ねたそうです。『能楽部』かと思ったとのこと 素晴らしい感性ですね 著書「チャイコフスキー・コンクール」に『1位以外は意味がない』と書いていることについて、「あまりにもコンクールの数が増えて、1位をとっても演奏家になれない人が増えてしまった」と語っています

実際、その通りです。本人はもちろんのことですが親が大変です 小さい頃から楽器を習わせ、音大付属高校に通わせ、音大に、そして音大大学院に進学させ、数々のコンクールを受験させ、やっと優勝あるいは入賞しても活躍の場がないのです。その意味では、親の苦労は無限大です

 

  閑話休題  

 

近藤史恵著「ダークルーム」(角川文庫)を読み終わりました 近藤史恵さんは2008年に「サクリファイス」で第10回大藪春彦賞を受賞して話題をさらった作家です。この本は8つの短編小説から成っています

 

          

 

「マリア―ジュ」は、高級フレンチ店に毎日一人で訪れ高額なディナーコースを注文する女性客の秘密の話。サラ金からお金を借りてまで通う女性の事情とは・・・・・

「コワス」は自殺した元恋人が新しい恋人に乗り移ったかのような怖い物語

「SWEET BOYS」は、マンションで暮らす二人の女性の隣室に越してきた二人の男たちとの間に起こる複雑で恐ろしい出来事

「過去の絵」は、芸大の美術学科に在籍する青年が描いた絵の盗作疑惑を巡る物語 この物語の中で鋭いと思った言葉は「芸大や美大は、夢を持った若者が集まるところではなく、若者がそこで夢を失うところだ。何かを手に入れるのは、ほんのひとにぎりだけなのだ」。悲しいかなその通りだと思います

「水仙の季節」は、双子のモデル姉妹に掛けられた殺人疑惑の顛末

「窓の下には」は、今は大人に成った主人公が、十年以上前にもなる子供の頃に突き付けられた敵意を回想する物語

「ダークルーム」は、写真好きな兄を恋い慕う妹の復讐劇。ちなみにダークルームとは写真の「暗室」のこと

「北緯60度の恋」は、3年もの間、ある女性に復習をするために準備をしてきた女性の行く末

こうして短編を読んでみると、近藤史恵という作者は長編だけでなく短編も”読ませるな”と思います

 

 

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「ルツェルン祝祭管弦楽団」公演中止に~高額チケット大量に売れ残りか?

2013年09月13日 19時02分42秒 | 日記

13日(金)。昨日は辻堂の叔父の通夜があるため会社を早退し、今日は忌引き休暇を取りました。今日の告別式が朝早いので昨夜は辻堂駅近くのホテルに泊まりました まだ、母の葬儀を済ませてから1か月も経っていないうちに、次の葬儀があるとは思ってもみませんでした 今年の夏は例年より暑さが厳しかったことが影響したのかも知れません。亡くなった叔父は海軍兵学校を出てからT大で海洋船舶工学を学びM重工を経て静岡県のM造船の社長を務めた人ということもあり、戒名に「舶」と「洋」の字が使われていました

葬儀は身内だけの家族葬で、葬式・告別式・火葬場での骨上げ式・初七日の法要・精進落としと続き、辻堂を出たのは午後3時を回っていました 高齢者の死を人はよく”順番”と言いますが、顔見知りの人の死には、やはり寂しいものがあります

 

  閑話休題  

 

昨日の朝日と日経の案内広告欄に「ルツェルン祝祭管弦楽団公演中止のお知らせ」が載っていました それによると、10月にサントリーホールで予定していたルツェルン祝祭管弦楽団の来日公演は、指揮者クラウディオ・アバドの健康上の理由により中止となり、チケットの払い戻しはKAJIMOTOまたは買い求めたプレイガイドで応じるとのことです

この公演については8月13日のtoraブログで、その入場料金の高さを批判しました ウィーン・フィルが同じサントリーホールでS席35,000円なのに、なぜルツェルン祝祭管弦楽団がS席45,000円なのか だれがこんな高額なコンサートに行くのか というのが趣旨です

「お知らせ」では中止の理由を指揮者アバドの”健康上の理由”としていますが、私は非常に怪しいと思っています あまりにもチケット代が高すぎて、思うようにチケットが捌けず、このままいけば採算割れになると判断したのではないか、と思います 本当に健康上の理由だとしても、チケット代が高いことに変わりはありません。日本は格好のクラシック音楽市場と言われているようですが、こんなことを続けていたら心ある日本のクラシック音楽愛好家は外来音楽家の公演からそっぽを向くようになります 現に私はオペラでもないのに、こんなアホな料金設定のコンサートには絶対行きません。呼び屋さんには猛省を促したいと思います

 

          

 

  も一つ、閑話休題  

 

新国立オペラの年間会員になって10年位になります。運営事務局のジ・アトレから「ポイントアップ・サービス」のアイテムであるプログラム引換券5枚とともに、抽選アイテムのゲネプロ・舞台稽古見学当選通知が送られてきました

ゲネプロは来年3月に上演されるコルンゴルトのオペラ「死の都」のもので、日程は3月9日(日)となっています時間は未定とのことですが、当たってラッキーでした このオペラとその舞台裏を観てみたいと以前から思っていたので、とても嬉しい知らせでした

 

          

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Quartett Humoreske(カルテット・ユーモレスク) のチケットを買う~メンデルスゾーンも演奏!

2013年09月12日 07時00分13秒 | 日記

12日(木)。昨日の朝日朝刊「生活欄」に「『娘と仲良し』父の夢」という記事が載りました 女子高生に対するアンケート結果(都内の私立女子高1年生107人が回答)を紹介しています それによると、

『父親に言われてうれしかった言葉』は、「お前ならできる」、「出来なくても間違っても次頑張れば良い」、「自分のやりたいことをやるといいよ」、「応援している」、「お父さんの宝物だよ~」

逆に『父親に言われて傷ついた言葉』は、「スタイルが貧相」、「何を言っても無駄だ」、「努力が足りない」、「胸がないね」、「なんであまり食べていないのに太ってるの」、「3歳くらいに戻ってほしい」

ということです。私の場合は、娘がとっくに高校を終えて社会人になっているとは言え、気になるものです ただ、『父親に言われて傷ついた言葉』に該当するような、地雷を踏むがごとき言葉を発したことはありません

一方、『父親の好きなところ』は、「優しい」、「頼りがいがある」、「尊敬できる」がトップ3で、逆に『嫌いなところ』は、「頑固」、「すぐ怒る」、「考え方やファッションセンスが古い」、「仕事中心」、「無口」と続いています。最後の「無口」は人によっては「六口」(口が6つあるウルサイ存在)かも知れません 

私の場合は週に数回、夕飯時に娘と日本酒やワインを飲みながら仕事上の愚痴を聞くくらいしかしていませんが、父親としての評価はどうなんでしょうか?自己診断をするのは困難なので直接娘に訊くのが一番手っ取り早いのですが、怖くて訊けません ところで、自己診断して「俺には自信がある」という父親のことを世間では”自身過剰”と言います

 

  閑話休題  

 

JTアートホール”アフィニス”主催による「JTが育てるアンサンブルシリーズ」で、9月6日に聴いた「ほとばしる情熱、メンデルスゾーン」が良かったので、次回の公演も聴くことにしました

11月21日(木)午後7時から虎の門のJTアートホールで開かれるQuartett Humoreske(カルテット ユーモレスク)の公演です プログラムは①ハイドン「弦楽四重奏曲第36番変ロ長調」、②メンデルスゾーン「弦楽四重奏曲第2番イ短調」、③ベートーヴェン「弦楽五重奏曲ハ長調」です これまで多くのコンサートを聴いてきましたが、ベートーヴェンの弦楽五重奏曲がプログラムに載るのを見たのは今回が初めてです。それはそれで楽しみですが、一番の興味はメンデルスゾーンです

演奏はヴァイオリン=對馬哲男、山本美樹子、ヴィオラ=脇屋冴子、チェロ=佐古健一というメンバーで、東京藝大で学んだ仲間たちです 次代を担う若者たちに演奏のチャンスを与えるこのシリーズは素晴らしい企画です。今後もずっと続けてほしいと思います

 

          

 

今夜は叔父の通夜、明日は告別式があるので辻堂に1泊します。したがって、明日のブログは夜更新します

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東川篤哉著「殺意は必ず三度ある」、近藤史恵著「ダークルーム」を買う

2013年09月11日 07時05分24秒 | 日記

11日(水)。昨日の日経朝刊の文化欄にべネズエラ出身の指揮者グスターボ・ドゥダメルのインタビュー記事が載っていました 彼は今、ミラノ・スカラ座公演を指揮するため来日中です。インタビューの中で、彼は次のように語っています

「世の中にはいまも、『国境』が増え続けている 言葉の壁を逃れられる僕たち音楽家が、その橋にならなければ 音楽だけが、常に再生されながら時代を超え、平和のもとに誰しもをシンプルに結びつけることのできる唯一の芸術なのだから

1981年生まれといいますから現在32歳の若さです。ベルリン・フィルも振ったし、現在は米ロサンゼルス・フィルの音楽監督を務めています。”増え続ける国境”を若さあふれる音楽の力で突破してほしいと思います。今後の活躍を期待します

 

  閑話休題  

 

本を2冊買いました 1冊目は東川篤哉著「殺意は必ず三度ある」(光文社文庫)です。東川篤哉は「完全犯罪に猫は何匹必要ですか?」、「ここに死体を置かないでください!」など、すっとぼけたタイトルで推理小説を書きまくっている”ユーモア・ミステリーの雄”です 今回も期待を裏切らないことを祈りつつ買いました

 

          

 

もう2冊目は近藤史恵著「ダークルーム」(角川文庫)です 近藤史恵は2008年に「サクリファイス」で第10回大藪春彦賞を受賞して話題をさらった作家です。この本には8つのミステリが収められています 

どちらもこのブログで内容をご紹介します

 

          

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