人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

ホジャイノフ+飯森+東響でショパン「ピアノ協奏曲第2番」他を聴く~第629回定期演奏会

2015年04月20日 07時01分12秒 | 日記

20日(月)。わが家に来てから194日目を迎え,ついに箱入り息子になったモコタロです 

 

          

           モコタロの詰め合わせだよ 1箱1,000円でどう  安!

 

  閑話休題   

 

昨日の朝,3か前の残った料理を食べたら,急に気分が悪くなりお腹の調子がおかしくなってきました.出すものを出したら気分も少し良くなってきたので,予定通りコンサートに出かけることにしました 

という訳で,昨日サントリーホールで東京交響楽団の第629回定期演奏会を聴きました プログラムは①ショパン「ピアノ協奏曲第2番ヘ短調」、②カンチェリ「ステュクス~ヴィオラ、混声合唱と管弦楽のための」、③ドビュッシー「海~管弦楽のための3つの交響的素描」です 指揮は飯森範親、①のピアノ独奏はニコライ・ホジャイノフ、②のヴィオラ独奏は東響首席・青木篤子,コンマスは大谷康子です

 

          

 

合唱が入るプログラムの関係で,P席(分かりますね.指揮者のポディウムの見える席のことでしたね)は空席になっています こういう場合は,P席の定期会員は自分の席がないことを承知で年間チケットを買っているはずです

さて,1曲目のショパンのピアノ協奏曲第2番は,出版の順番が第1番と入れ替わったため第2番となったもので,実際には最初に作曲されました 指揮者・飯森範親とともに赤い蝶ネクタイのホジャイノフが登場します

第1楽章「マエストーソ」の振幅の大きな音楽が会場に響き渡ります 序奏が長く,主人公のピアノはなかなか出てきません この辺りはモーツアルトの協奏曲に似ています.女王は後からおもむろに登場するのです ホジャイノフを聴くのはこれが3度目だと思いますが,彼の良いところは弱音が非常に綺麗で,しかも音の力が維持されているところです したがって,第2楽章「ラルゲット」が一番の聴きどころになります.ホジャイノフは完璧なテクニックのもと,ロマンティシズムの極致を表現していきます 彼はロシア生まれで現在モスクワ音楽院在籍の弱冠23歳の若者ですが,すでに演奏スタイルが確立しているように思います

会場一杯の拍手とブラボーに,アンコールとしてワルツのような曲を弾き始めました 相当技巧を要する曲です.後でロビーの掲示で確かめたらローゼンタールの「ヨハン・シュトラウスの主題によるウィーンの謝肉祭」とありました.ローゼンタールは1862年にポーランドで生まれた作曲家・ピアニストで,リストの高弟です この曲を分かり易く言えば,まるでリストの”超絶技巧パラフレーズ”です

 

          

 

休憩後の最初はギア・カンチェリの「ステュクス~ヴィオラ,混声合唱と管弦楽のための」です.P席に合唱団が配置に着きますが,男女がばらばらに入り組んでいて,文字通り混声合唱の様相です ソリストの青木篤子が指揮者とともに登場,指揮台の脇でスタンバイします

ギア・カンチェリ(1935年~)は,いま,国名を4月から「ジョージア」にしようということで世界的に話題になっている「グルジア」の出身です.グルジアといっても馴染みがありませんが,一番有名なのは幸か不幸か恐怖政治のスターリンです タイトルのステュクスは「古代ギリシアの生者と死者の世界に流れる川」を意味しているとのことです 静けさが支配していたかと思うと,いきなり管弦楽と合唱とが一体となって最強音を発するといった油断できない曲です 圧倒的なエネルギーの爆発の後は,沈黙の世界が待っています.この,爆発と沈黙の対比がこの作曲家の特徴のようです なぜわざわざヴィオラをソロに仕立てたのか,とつらつら考えると,”動”対”静”の”静”を語らせるのにヴァイオリンではなくヴィオラを使ったのではないか,と思います

この曲のコーラスを担う東響コーラスは,ジョージアの人が聞いても理解される発音を目指し,在日ジョージア大使館の協力を得て,ジョージアの首都トビリシ出身のゴギナシュヴィリ氏の指導のもとジョージアの国と言語を学んだそうです 東響コーラスの皆さん,大変でしたね.お疲れ様でした 皆さんの勉強の成果はしっかり合唱に表れていましたよ

最後は東京交響楽団の十八番,ドビュッシー「海ー管弦楽のための3つの交響的素描」です 第1楽章「海上の夜明けから正午まで」,第2楽章「波の戯れ」,第3楽章「風と海の対話」から成ります この日はオーボエの荒絵理子,フルートの甲藤さち,クラリネットのエマニュエル・ヌヴ―,バスーンの福井蔵ら木管楽器をはじめ,金管楽器を含めて首席クラス総動員の態勢だったこともあり,迫力のある演奏が楽しめました

何となくムカムカする気分の悪さは多少残っていたものの,何とか最後まで聴くことができて一安心です 結局,昨日の昼以降はまったく飲まず食わずで過ごし,今朝やっとポタージュ・スープを飲んで一息つきました.もう2度と3日前の残り物は食べないぞ と固く決心したのでした

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メッツマッハ―+新日本フィルでR.シュトラウスとヴァレーズを聴く~最後に花束を!

2015年04月19日 09時00分13秒 | 日記

19日(日)。わが家に来てから193日目を迎え,コードをかじって観られなくなったテレビの前でリラックスするモコタロです 

 

          

 

  閑話休題  

 

昨日、すみだトリフォニーホールで新日本フィルの第540回定期演奏会を聴きました プログラムは①R.シュトラウス「ティル=オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」、②ヴァレーズ「アメリカ」、③同「アルカナ」(日本初演)、④R.シュトラウス「交響詩”死と変容”」です 指揮はインゴ・メッツマッハ―です

 

          

 

メッツマッハ―は1957年,ドイツのハノーファー生まれ.とくに現代音楽にかけては定評がある指揮者です この日のプログラムは管弦楽器・打楽器奏者総動員といった趣きで,これ以上は舞台に載らないのではないかと思うほど楽員で埋め尽くされています オケはヴァイオリンが左右に分かれる対向配置です.コンマスのチェ・ムンスの合図でチューニングが行われ,指揮者メッツマッハ―の登場です

この日の公演は,昨年生誕150年を迎えたリヒャルト・シュトラウスと,今年没後50年を迎えたヴァレーズをフィーチャーしたプログラムです 1曲目のリヒャルト・シュトラウス「ティル=オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」は1894年から翌年にかけて作曲されましたが,内容は「陽気な道化者は騎士になり,やがて裁判にかけられ絞首刑になる」という短くも波乱万丈の物語です

メッツマッハ―の指揮ぶりを見ていると,鋭い切れ味の日本刀のような感じを受けます ここぞという時にオケを煽り立ててバッサリいきます オケも鋭く反応します.オーボエの古部賢一,フルートの白尾彰,クラリネットの重松希巳江といった木管楽器群はいつも通り素晴らしい演奏を展開しています

2曲目はヴァレーズの「アメリカ」(アメリクス)です.エドガー・ヴァレーズ(1883-1965)はパリに生まれ,ブルゴーニュとトリノで育ちました.アメリクス(南北アメリカ大陸)は1918年から作曲を開始し22年に完成した作品で,単一楽章の交響詩です 冒頭のアルト・フルートのテーマとその後に続く鋭いリズムを聴く限り,ストラヴィンスキーの春の祭典を聴いているような感じです まるでジャングルに迷い込で彷徨っているような感覚です そうかと思っていると,急にサイレンの音が聞こえてきて,ここはコンクリート・ジャングルだったのか,と思ったりもしました.一言で言うと「混沌」です.ヴァレーズはアメリカをこういう風に捉えていたのか,と感慨深いものがあります

 

          

 

休憩を挟んで,3曲目は同じくヴァレーズの「アルカナ」の日本初演です.1925年から27年にかけて作曲されました.この曲もどちらかというとリズム主体の推進力の強い音楽です ヴァレーズは「自分の生きている時代を解釈する,それがモダンであるということだ」と語ったそうですが,この曲も「混沌とする時代」を写し取ったと言えるかも知れません

最後の曲はリヒャルト・シュトラウスの「死と変容」です.1889年から翌年にかけて作曲されました.彼はこの曲について「高邁な理想に向かって努力する芸術家としての人間の死の瞬間を表現しようと着想した」と述べています 初演の際に,敬愛したリッターにまとめさせた次のような詩が総譜の冒頭に掲げられていたといいます

「死と闘う病人が眠り,憂愁な微笑を浮かべる.生への執着と死の力が闘争するが決さず,静寂が訪れる.生涯を次々に回想し,心深く憧れたものを求めるが未だ見出せずに,死の一撃がくだる.しかし,天界から彼に救済と浄化が響く」

展開部の死と生の闘争の場面では,メツマッハーのタクトが冴えわたり,オケから最強音を引き出します この曲でもオーボエの古部,フルートの白尾,クラリネットの重松の演奏は光っていました

演奏後,今月が契約期間満了となるメッツマッハ―に対し,コンマスのチェから大きな花束 が贈呈され,会場から,舞台上の楽員から大きな拍手が送られました

2013年9月から今年4月まで,1年半の短いConductor in Residence でした それ以上の契約については,メッツマッハ―側のもっと20世紀の音楽を取り上げたいという意向と,新日本フィル経営側のもっとポピュラーな曲を取り上げてほしいという意向とが対立したのかも知れませんが,これは私の推測に過ぎません 後任として今年4月から上岡敏之氏がアーティスティック・アドヴァイザーとなり,2016年9月から音楽監督に就任することが決まっています 上岡敏之に期待したいと思います

 

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花房晴美・室内楽シリーズ「パリ・音楽のアトリエ”第9集ポーランドからパリへ”」を聴く

2015年04月18日 07時42分23秒 | 日記

18日(土)。わが家に来てから192日目を迎え,ガールフレンドとくつろぐモコタロです 

 

          

            ついにお友達になったんだもんね 白ウサちゃんと

 

  閑話休題  

 

昨日、読響チケットWEBを通じて8月16日(日)午後2時から東京オペラシティコンサートホールで開かれる読響第3回オペラシティ名曲シリーズのチケットを手配しました プログラムはいわゆる「三大交響曲」で、①シューベルト「交響曲第7番ロ短調”未完成”」、②ベートーヴェン「交響曲第5番ハ短調”運命”」、③ドヴォルザーク「交響曲第9番ホ短調”新世界から”」です 指揮はケン=デイヴィッド・マズアです。実はその翌日=17日(月),同じ演奏者により同じプログラムのコンサート(読響サマーフェスティバル2015「三大交響曲」)が東京芸術劇場で開かれるのですが、それと間違えて買ったのです。もっとも中身はまったく同じで,料金も同じなので大勢に影響はないのですが

 

          

 

  も一度、閑話休題  

 

昨夕、東京文化会館小ホールで「花房晴美・室内楽シリーズ『パリ・音楽のアトリエ”第9集ポーランドからパリへ”』」を聴きました プログラムは①メシアン「世の終わりのための四重奏曲」、②ドビュッシー「練習曲第12番”和音のための"」、③ショパン「ピアノ三重奏曲ト長調」です 出演はピアノ=花房晴美、ヴァイオリン=漆原啓子、チェロ=藤原真理、クラリネット=遠藤文江です

 

          

 

全自由席のため少し早目に会場に着いて、J20番,センターブロック左通路側席を押さえました。会場はほぼ満席 この小ホールを満席にできるアーティストはそう多くはありません.”主役”の花房晴美の魅力と,ネームバリューの高いゲストの漆原啓子,藤原真理,そしてオーケストラ・アンサンブル金沢で活躍する遠藤文江の相乗効果の現れと言っても良いでしょう

花房晴美はブルー系のラメ入り衣装,漆原啓子はダークブルー,藤原真理はワインカラー,遠藤文江は黒のシックな衣装で登場します いつも思うのですが,花房はファッショナブルでキラキラです

プログラム前半はフランスの作曲家,オリヴィエ・メシアンの「世の終わりのための四重奏曲」です.多分,私は初めて聴く曲です ①水晶の典礼,②世の終わりを告げる天使のためのヴォカリーズ,③鳥たちの深淵,④間奏曲,⑤イエスの永遠性への賛歌,⑥7つのトランペットのための虹の錯乱,⑧イエスの不滅性への賛歌,の8つの楽曲から成ります 解説によると,キリスト教の「天地創造」に費やされる6日間の後,7日目の安息日を経て「永遠の8日目」に至るという発想が下敷きにあるとのことです

メシアンは,先日のブログでご紹介した柚月裕子の「臨床心理」のテーマにもなっていた「共感覚」の持ち主だったようです 「共感覚」とは,音に色彩を見ることができる能力のことです 例えば,2曲目の「時の終わりを告げる天使のためのヴォカリーズ」では強烈なリズムが刻まれ,その後,天使のような優しい和音が奏でられますが,メシアンは音に色を感じながら作曲したのではないか,と想像します

基本的に,私はメシアンの曲はあえて聴こうとまでは思わないのですが,この曲の最後の第8曲「イエスの不滅性への賛歌」は素晴らしいと思いました それはヴァイオリンの漆原啓子とピアノの花房晴美のアンサンブルが見事だったからです.とくに漆原の演奏は弱音の美しさに満ちていました

 

          

 

プログラムの後半,第1曲目はドビュッシーの「練習曲第12番”和音のための”」です.花房のソロで演奏されましたが,曲の冒頭はピアノを打楽器のように扱ったリズム中心の曲想で,彼女の持ち前のパワーが炸裂しました

最後の曲はショパンの「ピアノ三重奏曲ト短調」です 曲の冒頭を聴いて,これは個性と個性のぶつかり合いになるかな,とくに花房の主張が強く出ているな・・・・と思ったのですが,曲が進むにつれ,3人のバランスが取れてきて美しい演奏になりました

3人は最後の楽章をアンコールしましたが,演奏後,花房が「今日はありがとうございました.次回は『パリのアトリエ第10記念公演』を迎えるので是非聴きに来てください」とPRしていました.プログラムには10月15日公演のチラシがしっかりと挟まれていました

花房晴美のコンサートは,見たところ男性よりも女性の方が,とくに中高年の女性が多いように思います さらに言えば何人かで連れだって来ているような・・・・.宝塚のスターに憧れるのと同じように,自分が出来ないことが出来る華やかな人に憧れる,その対象になっているのではないか,と思ったりしました.それは決して悪いことではありません

 

          

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「サントリーホール・バックステージツアー」に参加する~toraもステージ・デビュー!

2015年04月17日 07時01分01秒 | 日記

17日(金)。わが家に来てから191日目を迎え,あら見てたのねポーズをとるモコタロです 

 

          

            たまにはこういうポーズもいいでしょ あら見てたのね!

 

  閑話休題  

 

サントリーホールの「バックステージツアー」に申し込んだところ、抽選の結果当選したので、昨日休暇を取って参加してきました 10時40分にホール正面玄関前に集合、50分からツアーが始まりました。案内係の方の説明によると,この日の抽選の当選競争率は通常よりも高く,当選した約80人は極めてラッキーだったとのことでした

 

          

 

最初にブルーローズ(小ホール)に入り,説明を受けました ブルーローズは最大432席の椅子を並べることが可能で,椅子の布はオーストリア製,木の部分はマホガニー,床はチーク材を使用しており,天井に輝くシャンデリアはスワロフスキー製のクリスタルだそうです 相当贅沢に出来ていることが判ります

次いで「サントリーホール誕生」と題する記録映像の上映がありました 約20分の”短編ドキュメンタリー映画”ですが,サントリーホールが出来た翌年の1987年の制作とのことで,映像に出てくるアーティストは若き日のクラウディオ・アバード,ゲオルグ・ショルティ,ヨーヨー・マ,内田光子,堤剛などです ステージを客席が囲む「ワインヤード(ぶどう棚)形式」はカラヤンのアドヴァイスによるものというのは良く知られた話です 映像でおやっと思ったのは,ホールのオープン前の音出し調整のため客席に合唱を入れてマーラーの「千人の交響曲」を演奏するシーンが映し出されたのですが,指揮者が指揮台で飛び上がっているのです.間違いなく伝説の熱血指揮者,指揮界のエンタテイナー山田一雄氏です この映像を観て私は嬉しくなりました そして,サントリーホールのこけら落とし公演の様子が映し出され,若き日のクラウディオ・アバードがウィーン・フィルを振ってベートーヴェンの第7交響曲を演奏しています アバードは颯爽とタクトを振っていてカッコいい

短編映画鑑賞後は,受付で配布されたスケジュール表の色によって3つのグループに分かれてツアーに出ました.私は黄色のグループで,案内係は松崎さんという女性スタッフです 廊下を奥まで行って,上手から舞台裏のアーティスト・ラウンジに入りました.途中,「廊下の絨毯は毎日,目立てをして足跡がない状態でお客様をお迎えしています」という説明に参加者から「おーっ!」という驚きの声が ラウンジには演奏家の椅子がたくさん出番を待っているのは予想通りですが,飲み物の自動販売機が置いてあったのが意外でした 飲み物は90円で飲めるようです.ラウンジの壁には,ホールを訪れた著名な演奏家のサインが飾られていました.リヒテルもあるでよ.ちょん切れてしまったけれど 思ったより舞台裏のラウンジが狭いのには驚きました.100人規模のオケの団員が詰めるにはちょっと窮屈なのでは,と思いました

 

          

          

 

          

          

 

ロッカーやボードには公演の記念にと,日本や外来オケのステッカーが処狭しと貼られています

 

          

 

次に指揮者とソリストの楽屋を見学しました 下の写真Aが指揮者の楽屋です.奥にはトイレもシャワールームもあります

 

          

 

指揮者の楽屋はまるで高級ホテルの一室です.楽屋からステージまでは11~12歩の距離.これは「室内で高めた緊張感をそのままステージまで維持できるように」というカラヤンの助言によるものだそうです

 

          

 

隣のBはソリストの控室です.ピアノも置いてあります.もちろん,この部屋にも奥にトイレ,シャワールームがあります

 

          

 

そして楽屋からステージに出る出入り口ドアです.指揮者もソリストもオーケストラのメンバーもここからステージに出て行きます

 

          

 

すぐ近くにはステージや客席を見ることが出来る”覗き窓”があります 部屋を暗くしているので客席からは,覗いているのが見えないそうです

 

          

 

次に地下に下りました.どこかのだれかが制作した合成写真です(名前を忘れました).登場人物は一人を除いて全員が同じ人物とのことですよ

 

          

 

地下にはグランド・ピアノがスタンバイしています.ピアノ庫は湿度50%,温度23.5度を保ち,ピアノがベストな状態にキープしているとのことで,エレベーター式にステージ上に移動するそうです

 

          

 

楽器類はこのエレベーター↓で上階に上げられます この向こう側は駐車場になっていて,ここにトラックを着けて楽器を搬入するそうです

 

          

 

ここで一旦ツアーを中断し,12時15分から30分間,一般の聴衆とともに「オルガン・プロムナード・コンサート」を聴きました このコンサートはサントリーホールが月1回無料で開いているもので,会場に入って驚きました.ウィークデーの木曜にも関わらず,かなりの人々が集まっています 会場の半分以上は埋まっているのではないかと思われます.私は2階LB席に座りました

 

          

 

この日の演奏者はイタリア,ヴェネト出身の若いオルガ二スト,アレックス・ガイです.プログラムは①モランディ「序曲,主題と変奏,フィナーレ」,②M.E.ボッシ「英雄的小品」,③ペトラーリ「グローリアのための詩句」から3曲です

アレックス・ガイがカジュアルなワイシャツ姿でオルガン席に着きます.1曲目の作曲家モランディはロッシーニの初舞台を手助けした人とのことですが,この曲を聴くと,まるでロッシーニのオペラを聴いているような感じを受けました とにかく楽しい曲です.2曲目の「英雄的小品」の作曲者ボッシはイタリア・ロマン派を代表するオルガ二ストとのことです.曲はまさにタイトル通り英雄的な堂々たる作品ですが,最後は静かに終わります 3曲目のペトラーリの「グローリアのための詩句」は,モランディ同様,まるでオペラのような作品です.次々とアリアが歌われているような感じがします 大音響で聴くパイプオルガンの響きは気持ちの良いものです

 

          

 

演奏鑑賞後,再び1階通路奥のスペースに集まり,今度はステージに乗ることになりました.そこでパイプオルガンの説明を受けましたが,サントリーホールのオルガンはオーストリアのリーガー社製で,ストップ数は74(つまり74の音色を奏でることができる),パイプ数は5898本とのことで,すべて手作りにより完成したそうです 5898本ですよ,奥さん

 

         

 

ステージから客席を見るとこんな感じで,客席とすごく近いです.壮観です

 

         

 

天井の照明はこんな感じです.壁はすべて凸凹があり,まっすぐなところは1か所もありません.これは音の反射を効果的に利用するためで,残響は空席時で2.6秒,満席時で2.1秒との説明がありました

 

          

 

床には半円形の筋(隙間)が入っていますが,これは37分割可能な電動セリで,コンピューター制御によりせり上がるとのこと 1センチずつ高くすることが出来,最高で1メートルの高さまでせり上げることができるそうです 床には微妙に無数の穴が空いていますが,これはチェロのエンドピンの跡だそうです 演奏家によっては,自分の楽器の穴の位置が分かるそうです.プロは,穴取れないですね

 

          

 

「ステージの後ろの席をP席と言いますが,なぜP席と言うかわかりますか?パイプオルガンの下だからP,ではありません.指揮者の居る指揮台をポディウムと言います.そのポディウムが見られる席ということでP席なのです」という説明です 私はかつて知っていましたが,忘れていました

最後に,「皆さん,記念にステージ・デビューしましょう」という掛け声がかかり,案内係の方が「ドレミの歌」の歌詞を書いた大きな紙を高く掲げ,参加者全員で歌いました こっぱずかしくも私も歌いました 写真の右に写っているのが黄色グループの案内をして下さった松崎さんです.素敵な女性でしょう

 

          

 

ここで,ホワイエに戻り,建物内の装飾がサントリーらしくお酒にまつわるアイテムでデザインされているという説明を聞き,納得しました 麦の穂の形が,そこかしこにデザインされていて,こだわりのホールであることが分かります ホワイエの絨毯は1枚物の特注品とのこと.また,かつてサントリーのロゴマークで,今はサントリーホールのロゴマークになっているデザインは漢字の「響」を表していることや,ホール前に設置されているカタツムリのような形をした黄金色のオブジェも,実は「響」が隠されていることなど,驚きの事実が明かされました

 

          

 

最後に階段で2階へ上がる途中の踊り場から「ブルーローズ」入口の上に飾られた青いバラを見ました これは木で作ったものだそうです.今までサントリーホールには数えきれないほど来ていますが,木が付きませんでした

 

          

 

ツアーは13時15分に終了しましたが,参加して感じたのはホールの建設費はパイプオルガン,絨毯,シャンデリア等を含めて膨大だっただろうということ,また,それ以上にホールの維持費が半端ではないだろうということです このツアーで有り難かったのは,動画撮影とオルガン・コンサートを除いて写真撮影が自由にできたことです サントリーという企業から見れば周到なイメージ・アップ戦略の一環なのでしょうが,サントリーホールの太っ腹の配慮に感謝感激雨あられです

それぞれがアンケートに感想を書いてホールを後にしました 私はサントリーホールが出来た年に娘が生まれたので親近感を感じている旨の感想を書きました.松崎さんの説明は分かり易くとても参考になりました ご案内いただいた松崎さんはじめスタッフの皆さん,お世話になりありがとうございました.お陰様で楽しく充実した時間を過ごすことができました

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柚月裕子著「臨床心理(上・下)」を読む~デビュー作にしては驚きの力作!

2015年04月16日 07時04分50秒 | 日記

16日(木)。わが家に来てから190日目を迎え、見慣れないオブジェに話しかけるモコタロです 

 

          

           ねえ、きみ この辺じゃ見慣れない顔だけど いったい何者?

 

  閑話休題  

 

昨日は,取締役会が無事に終了したので,打ち上げをやりました X部長の「ビル地下に2軒しかない飲食店の片方だけに飲みにいくのはテナント対策として不公平だ.したがって両方に行く」という固い方針のもと,まず焼鳥Rで生ビールと日本酒 を飲んで,次に焼鳥0で日本酒とサボテン酒(テキーラという名前です)をキュッとひっかけました こっちの店は2日連続です.3種類のお酒をハシゴしたので,久しぶりに今日は朝から頭がボヤ~っとしています いつもと変わらないか・・・・

 

  も一度,閑話休題  

 

昨日の朝日朝刊・社会面に「HMV渋谷、今秋復活~『渋谷系』発信源5年ぶり」という記事が載っていました HMV渋谷はCD販売の減少などから2010年8月に閉店しましたが、5年ぶりに復活するということです 売場面積は国内のHMVで最大級の1815㎡で、書籍も扱うとのこと。今までは、渋谷と新宿のタワーレコードだけが頼りだったのが、競争相手が現れればサービスの向上も期待できるので大歓迎です ただ、気になるのは「30~40代の働く女性を中心に幅広い世代の利用を見込んでいる」という記述です。30~40代の働く女性の多くがクラシックを聴いているとはどうしても思えません 問題はクラシック売場にどれくらいのスペースを確保するのかです また、記事にはどこにオープンするのかが書かれていなかったので、場所も気になるところです

 

  最後の,閑話休題  

 

柚月裕子著「臨床心理(上・下)」(宝島社文庫)を読み終わりました 柚月裕子は1968年,岩手県生まれ.このブログでは,あっと驚く「最後の証人」から「検事の本懐」「検事の死命」まで取り上げてきましたが,この「臨床真理」はそれらの原点とも言うべき作品です.第7回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞しています

 

          

 

臨床心理士の佐久間美帆は,勤務先の東高原病院精神科で,藤木司という20歳の青年を担当し,カウンセリングを行うことになった.司は,同じ施設である知的障がい者入所更生施設「至誠学園」で共に暮らしていた少女・彩の自殺が納得できず,なかなか心を開こうとしなかった 根気よく向き合う美穂に司は,彩は自殺ではなく殺されたのだ,と訴える.司は,真実を話している時は白,嘘をついている時は赤を感じることが出来る「共感覚」の持ち主だった 美帆は司の潜在能力を正面から信じることは出来ないものの,司の治療のため彩の死亡の背景にある真実を調査することを決意する 美帆はかつての同級生で警察官の栗原の協力を得て,至誠学園の内部を調べ始めるが,調査が進むにつれ,あってはならない事実が明らかになり,美帆の身近な人物も事件に関わっていたことが判明する

 

          

 

上・下巻合わせて430ページに及ぶ大作を読み終わって思うのは,これが本当に新人・柚月裕子のデビュー作なのだろうか,という驚きです ストーリー展開に多少の無理を感じるところがあるものの,読者をぐんぐん引きこんでいくストーリー・テラーとしての能力は相当なものだと思います この人の書く作品に共通しているのは「不正は絶対許さない.悪は裁かれなければならない」という強い信念だと思います

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モーツアルト「ピアノ四重奏曲第1番、第2番」他・室内楽コンサートのチケットを買う

2015年04月15日 07時10分07秒 | 日記

15日(水)。わが家に来てから189日目を迎え,室内をパトロールするモコタロです 

 

          

           怪しい人物はいないか・・・・いた! おっと,ご主人か

 

  閑話休題  

 

先日,当ブログの読者Nさんから「22日のN響定期公演に行けなくなったので,都合がつけばチケットを譲ります」というメールをいただきました プログラムは大好きなシューマンの「ピアノ協奏曲」とブルックナーの「交響曲第4番」です 幸いその日は何の予定も入っていなかったので,「是非行かせていただきたい」と返信しました

昨夕,Nさんがそのチケットの受け渡しのためわざわざ当ビルまで出向いてくださったので,お礼方々地下の焼鳥0で飲むことにしました さっそく22日のチケットをいただき,生ビールを飲みながら音楽談義に花を咲かせました 重力に逆らえないかのように落ちてきた記憶力をフルに作動させて断片的に思い出すと,こんな会話をしていました

Nさん:作曲家ではブルックナーが苦手です

トラ:ブルックナーのコンサートでは,いつものコンサートと違って,男子用トイレに長蛇の列が出来ます.女性でブルックナーが好きだという人はあまりいないと思いますよ

Nさん:マーラーはブルックナーほど苦手ではないんですが・・・・ところでワーグナーはどうですか?

トラ:以前はあまりの長さに退屈でお尻が痛くなって困ったのですが,最近は少しずつ良さが分かってきたような気がします

Nさん:いま注目のアーティストは,やっぱりカノンちゃんですか?ブログに松田華音は凄いと書いていましたが・・・・今の時代,ロシアに留学するのは珍しいですよね

トラ:松田華音はCDで聴いて凄いと思って,リサイタルを聴いたのですが,実力は本物でした.とにかく凄かったです 確かに今の時代,ロシアへの留学は珍しいですね

Nさん:彼女の母親もロシアに付いて行ってるんですよね.

トラ:そうです.母親のブログを見ましたが,凄いです.娘の才能を伸ばすためにロシアに付いていくのって,かつての五嶋みどりの母子みたいです

Nさん:知人に,息子のために全財産を投げ打って音楽の教育を受けさせたという人がいますが,どこまで子供のためにやるかって線引きが難しいですよね

トラ:たしかNさんのご子息も今,アメリカの音楽学校で学んでおられるのですよね

Nさん:そうです.音楽学校に通うというよりも〇〇先生に付いて学ぶということですが アメリカの音楽学校はジュリアードにしても,どこにしても,とくに弦楽器では中国,韓国系の生徒が圧倒的に多いのが現状です

トラ:アジア系のクラシック界への進出は凄いですよね

Nさん:東響のミューザ川崎「名曲シリーズ」は会場が遠いので会員を止めました.代わりに読響サントリーホール・シリーズの定期会員になりました ただ先日の新年度第1回目のコンサートには行けませんでした  (注)プログラムの一つは”苦手な”ブルックナー!

トラ:これからはサントリーホールでお目にかかることがあるかも知れませんね 

という感じで,刺身や焼鳥を食べながら楽しく懇談しましたが,あっという間に2時間半が過ぎ去りました Nさん,昨夕はありがとうございました.22日のコンサート,楽しませていただきます

 

  も一度,閑話休題  

 

昨日,家に帰ったら新日本フィルから2015-2016シーズンの定期演奏会連続券が届いていました 現在はトりフォニーシリーズ第2夜の会員ですが,次期は上演プログラムを比較した結果,サントリーホールシリーズの会員にシフトすることにしました 1月度の定期演奏会は読響アンサンブルシリーズとダブっているので,新日本フィルの振替制度を利用してトりフォニーシリーズに振り替えようと思っています

 

          

 

  さらに,閑話休題  

 

4月24日(金)午後7時からJTアートホール”アフィニス”で開催される「室内楽コンサート」のチケットを買いました プログラムは①モーツアルト「ピアノ四重奏曲第2番変ホ長調K.493」、②シューベルト「アルペジオーネ・ソナタ」、③ブラームス「ピアノ四重奏曲第1番ト短調」です。出演はヴァイオリン=加藤知子、ヴィオラ=佐々木亮、チェロ=木越洋、ピアノ=中井恒仁です 全自由席で5,000円。つい最近までこのコンサートがあるのを知りませんでした

 

          

 

  最後の、閑話休題  

 

昨日聴いたCDは「スヴァトスラフ・リヒテル 幻のカーネギー・ホール・ライブ1960 第4夜」です 収録曲目は①ベートーヴェン「ピアノ・ソナタ第7番」,②シューマン「ノヴェレッテ」より第1,第2,第8番,③ラフマニノフ「前奏曲」より作品23-1、作品32-9、10,12、作品23-8、作品32-1,2,6,7、作品23-2,(以下アンコール)④ラフマニノフ「前奏曲」作品23-4,5,7、⑤ショパン「練習曲”別れの曲”」,⑥同「マズルカ」より作品24-2,⑦ドビュッシー「映像第2集から第1曲」,⑧プロコフィエフ「シンデレラ」から3つの小品・作品95第2曲「ガヴォット」です

その当時、ベートーヴェンのピアノ・ソナタを演奏するのに第7番を選ぶ人はそれ程いなかったのではないかと思われます 演奏はとても新鮮です ただ、この日のメインはやはりラフマニノフの前奏曲でしょう。10曲演奏していますが、最後の変ロ長調作品23-2で演奏の頂点を築き上げるかのように爆発します これがリヒテルだと言わんばかりの爆演です

驚くのは、この日1960年10月28日のコンサートで、リヒテルはこのCDに収録されていないラヴェルの「鏡」とショパンのマズルカ作品15を含めて9曲ものアンコールを演奏していることです よほどこの日の聴衆の反応が熱狂的だったのでしょう。それは決して鮮明とは言えない録音からも伝わってきます

 

 

         

 

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中山七里著「連続殺人鬼カエル男」を読む~クラシック・ネタも仕組まれています

2015年04月14日 07時01分13秒 | 日記

14日(火)。わが家に来てから188日目を迎え、年貢の取り立ての延期を懇願するモコタロです 

 

          

            年貢の納め時・・・お代官様 そこを何とか・・・いつの時代か!?

 

  閑話休題  

 

昨日の朝日夕刊・文化欄に載った吉田純子編集委員によるコラム「音を継ぐ 戦後とクラシック」で山本直純を取り上げていました 山本直純と言えば「大きいことはいいことだ」という某チョコレート・メーカーのコマーシャルと,映画「男はつらいよ」のテーマ・ソングの作曲者として,知る人ぞ知る,知らない人は知らない人物です 2002年6月,当時記者だった吉田さんはが山本の通夜の日に小澤征爾を呼び止めたところ,語気荒く次のように返したといいます

「大きいことはいいことだ.あの大振りのすごさがわかる?あの表情,あの動きで大勢を束ねる.それがどれだけすごい能力か,みんな全然わかっちゃいない

吉田編集委員は「時代の寵児に祭り上げられ,才能の凄みを十分に理解されずに逝った盟友への複雑な思いが,小澤の中で交錯していた」と結んでいます.そこで思い出すのが,学生時代に山本直純が盟友・小澤征爾に言ったという次の言葉です

「俺は日本に留まって底辺を広げる.君は世界の頂点を目指せ」

その言葉通り,小澤征爾はウィーン国立歌劇場の音楽監督まで登りつめ,世界の頂点に立ちました 一方,山本直純はテレビ番組「オーケストラがやってきた」などでクラシック音楽の大衆化に尽力しましたが,今から13年前,急性心不全により69歳の生涯を閉じました 今さらながら,すごい人だったのだな,と思います

 

  も一度,閑話休題  

 

中山七里著「連続殺人鬼カエル男」(宝島社文庫)を読み終わりました 中山七里の作品は最近だけでも「切り裂きジャックの告白」、「スタート!」を取り上げてきたので、もうお馴染みですね この作品は先日のブログにも書きましたが、彼のデビュー作の一つです。というのは2009年の「このミステリーがすごい!」の最終選考に彼の2つの作品が残り、そのうちの「バイバイ、ドビュッシー」が「さよならドビュッシー」と改題し本賞を受賞しデビューしたのですが、もう一つが「災厄の季節」が後に「連続殺人鬼カエル男」と改題されたこの作品だったのです

 

          

 

マンションの13階からぶら下げられた女性の全裸死体の傍らに残されていたのは、子供が書いたような稚拙な犯行声明文だった 警察の捜査が進展しない中、第2、第3の殺人事件が起こる。街中がパニックに陥り、市民が警察に押しかけて容疑者のデータを公表しろと迫る そうした中、警察は無秩序に思われた被害者には共通点があることを突き止める カエル男とはいったい誰なのか、目的は何なのか・・・・

この作品には、もう一つの作品「さよならドビュッシー」を彷彿とさせる音楽ネタが仕組まれています 小手川刑事が容疑者の一人・当真勝雄の保護司でピアノ教師・有働さゆりの家を訪問した時の会話です

音楽に癒しの力があることを今はもう疑いようがなかった。

「・・・今の曲名を・・・もう一度・・・・」

「ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第8番ハ短調”悲愴”」

「悲愴っていう感じの曲じゃないですね」

「作曲者自身がフランス語でGrande sonate pathetique つまり悲愴な大ソナタと命名しているから。ただ、フランス語のpathetique は強い情動を掻き立てるもの、という意味だから日本語の悲愴という語感が偏っているのね」

中山七里はクラシック音楽に相当詳しく、そればかりでなく自らピアノを弾きこなす実力を備えているのではないかとさえ思える記述が少なくありません 私が彼の作品を好んで読むのはそうしたことも大きな要因です

 

  最後の,閑話休題  

 

昨日聴いたCDは,スヴャトスラフ・リヒテル「幻のカーネギー・ホール・ライブ1960 第3夜」です 収録曲目は①ハイドン「ピアノ・ソナタ第50番」,②シューマン「ノヴェレッティ」より第1番,第2番,第8番,③ドビュッシー「ベルガマスク組曲」,④映像第1集より1,2,3,⑤喜びの島,(以下アンコール)⑥ドビュッシー「映像第2集」より1,⑦前奏曲集第1巻より3,5です

ハイドンがいいです。普段は地味なハイドンのソナタなど聴かないのですが、この演奏を聴くと新鮮に感じます.また,ドビュッシーのベルがマスク組曲の”前奏曲”や”月の光”などでは,ベートーヴェンの”熱情ソナタ”の豪演とはまったく別のリヒテルの魅力が味わえます

 

          

 

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大野和士+東京都交響楽団でベルリオーズ「レクイエム」を聴く~東京・春・音楽祭

2015年04月13日 07時01分06秒 | 日記

13日(月)。わが家に来てから187日目を迎え,久しぶりに体重を測るモコタロです 

 

          

           体重を測ってもらったら1,100グラムあったよ 随分増えたな!

 

  閑話休題  

 

昨日,JRで上野に行こうと思ったら,朝のニュースで,山手線が神田―秋葉原間の架線の支柱が線路側に倒れたことから運転中止になっていることを知りました 仕方ないので地下鉄で上野御徒町に出て,上野の山を登り東京文化会館に着きました.もう桜の花はほとんど残っていないのに,桜の木の下ではあちこちで宴会が繰り広げられていました  要するに,花見というのは花を見て楽しむというよりも,お酒を飲んで楽しむのが日本の流儀のようです 歩いていて気が付くのは,すれ違う人の半分が日本人ではないのではないか,ということです 隣りの超大国の国民が多いようです.これを”国際性豊か”と言って喜んでよいのか,非常に疑問に思います

と言う訳で,昨日、上野の東京文化会館大ホールでベルリオーズ「レクイエム」を聴きました これは東京・春・音楽祭の一環として開かれたコンサートです。出演はテノール=ロバート・ディーン・スミス、管弦楽=東京都交響楽団、指揮=大野和士、合唱=東京オペラシンガーズです

 

          

 

この作品は,1837年3月末にフランス政府からベルリオーズに対し,7月革命の犠牲者と1835年のルイ・フィリップ王暗殺の犠牲者のための慰霊祭(7月28日に開催)で演奏するレクイエムの作曲が依頼されたこと受けて作曲されました 当時33歳という若いベルリオーズに政府の公式行事のための楽曲が依頼されたのは異例なことでしたが,これはベルリオーズに好意を抱いていた内務大臣アドリアン・ド・ガスパランの意向によるものと言われています 後にこの曲はガスパランに献呈されています

ベルリオーズは慰霊祭まで4か月足らずしかなかったにも関わらず,旧作の「荘厳ミサ曲」の一部を転用するなどして全曲を完成しましたが,革命記念式典では規模が縮小され,パリのアンヴァリッド礼拝堂で予定されていた「レクイエム」の演奏は急きょ中止になりました その後,アルジェリアでの戦争で戦死したフランス軍のシャルル=マリー・ドニ・ド・ダムレモンを始めとする将兵の追悼式典で初演されました

 

          

 

自席は1階R7列12番,右ブロック右通路側席です.会場は5階席までほぼ満席です 30分前に会場に着き,10分前に席に着きましたが,ステージ上にはすでに木管楽器がスタンバイし,開演時間になるとステージ後方に合唱団が入場し,次いで弦楽器,金管楽器,打楽器が入場しました オケは左から第1ヴァイオリン,第2バイオリン,チェロ,ヴィオラ,その後ろにコントラバスというオーソドックスな編成をとりますが,大太鼓(2)とティンパ二(7)がオケと合唱の間に横一列に並んでいるのが壮観です 2階席,3階席の左右サイドの一角にはトランペットやトロンボーンから成るバンダがスタンバイしています.コンマスは矢部達哉です

指揮者・大野和士が登場します.彼の姿を見るのはいつ以来のことか思い出せません 随分貫録が出て来たな,と思いました.大野のタクトにより第1曲「レクイエムとキリエ」が演奏されます.大野の指揮姿を見て感じるのは,決して華麗ではないけれど,指示が的確だということです

第2曲「怒りの日」では2階,3階のバンダを含めて金管楽器が咆哮し,弦楽器が唸り,打楽器が炸裂します 合唱も最強音で迫ります.第3曲「その時あわれなる我」は一転静けさが際立ちます.第4曲「恐るべき王」では再び管弦楽が爆発します.そして,第5曲「我を求めたまう」では,大野はタクトを置き両手で指揮をします.管弦楽は鳴りをひそめ,合唱のみのアカペラで祈りの音楽が歌われます

そして,第6曲「ラクリモザ」を迎えます.白状すると,私はベルリオーズの「レクイエム」を聴くのはこれが初めてなのですが,モーツアルトやフォーレの「ラクリモーザ」に慣れている者にとって,このベルリオーズのこの曲は驚異的です 「怒りの日」と同様,管弦楽が爆発します テキストをよく見ると,次のようになっています

「それは涙の日, 人々が被告として裁きを受けるために 灰の中から蘇る日

慈悲深きイエスよ,彼らに永遠の休息を授けてください.

それは波の日,(~以下同じ)」

モーツアルトだって,フォーレだって,ベルリオーズだって,同じテキストに音楽を付けているのに,ベルリオーズだけがとんでもない音楽を付けています モーツアルトとフォーレが「慈悲深きイエスよ,彼らに永遠の休息を授けてください」の部分に重きをおいて音楽を付けたのに対し,ベルリオーズは「人々が被告として裁きを受けるために 灰の中から蘇る日」の部分に重点を置いて作曲したのではないか,と思います ベルリオーズはとんでもない「レクイエム」を作ったものです

 

          

 

ここでテノール歌手が舞台左袖から合唱の後ろを通って最後列の中央にスタンバイします.第7曲「オッフェルトリウム」,第8曲「賛美の生けにえ」で合唱を堪能し,第9曲ではテノールのロバート・ディーン・スミスが「主よ,私たちはあなたに賛美のいけにえと祈りを捧げます.それをこの魂たちのために受け容れてください.私たちは今日を彼らの記念にしているのです」と歌い上げます スミスは4月4日のワーグナー「ワルキューレ」でジークムントを圧倒的な歌唱力で歌い,会場一杯のスタンディング・オベーションを受けたテノールです.まったく歌に無理がなく,美しい輝く歌声です

最後に第10曲「アニュス・デイ」が合唱で歌われ,アーメンで静かに締めくくられます 約80分の大作ですが,あっという間に時間が経ちました

この日は,私にとってはベルリオーズの「レクイエム」との出会いの日であり,大野和士と都響にとっては新たな時代を予見させる記念すべき日になりました 今月から大野和士を音楽監督に迎えた都響は,これから目が離せない存在になるかもしれません

 

          

 

帰りは,ようやく山手線が動いたというので,JR上野駅で電車を待ちました.「山手線は1番線の京浜東北線のホームに到着します.山手線は京浜東北線の線路を走ります.1番線には京浜東北線の後に山手線が到着します」とアナウンスがありました 山手線が京浜東北線の線路を走るって?両線は田端までは並行して走っているからいいけれど,その先は右に左に分かれるので,いったいどうやって京浜東北線の線路から山手線の線路に移るのだろう?と考えてしまいました 「地下鉄はどうやって入れるんでしょうねえ」以来の疑問です.実際に乗って様子を見ていたら,どうやら田端駅の手前の段階でポイントの切り替えによって移っていたようです 巣鴨駅に着くと,振り替え輸送の手続きで改札の一部に長蛇の列が出来ていました 

『レクイエム』第3曲『怒りの日』 

「何ごとも容赦なく調べ尽くし 裁く方がおいでになるとき その震撼はどれほどになるだろう」

昨日の山手線の事故の影響はあまりにも大きい.あれが電車を直撃していたらいったいどうなっていたか.JR当局には,責任の所在をハッキリさせ再発防止に努めるよう強く求めたいと思います

  

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最強のコンビ=ディドナート&フローレスのロッシーニ「湖上の美人」~METライブ

2015年04月12日 09時09分00秒 | 日記

12日(日)。わが家に来てから186日目を迎え,主役の座から降りようとするモコタロです 

 

          

           いや~ あちこちでボクを写そうとギャラリーがうるさくて~

 

  閑話休題  

 

読売日本交響楽団から「読響アンサンブル・シリーズ」のチケットが送付されてきました 6月16日、7月26日、9月16日、11月5日、1月27日の5回分です。このうち来年の1月27日の回は新日本フィル定期演奏会と重なっています 新日フィルの振替制度を利用して他の日に振り替えようと思います

 

          

 

  も一度、閑話休題  

 

昨日、新宿ピカデリーでMETライブビューイング、ロッシーニの歌劇「湖上の美人」を観ました これは今年3月14日にニューヨークのメトロポリタン歌劇場で上演されたオペラのライブ録画映像で、この歌劇はMET初演です キャストはエレナにジョイス・ディドナート(メゾソプラノ)、スコットランド王/ウベルトにファン・ディエゴ・フローレス(テノール)、マルコムにダニエラ・バルチェッロ―ナ(メゾソプラノ)、ロドリーゴにジョン・オズボーン(テノール)、ダグラスにオレン・グラドゥス(バス)、指揮はミケーレ・マリオッティ、演出はポール・カランです

 

          

 

物語は16世紀初め、戦乱のスコットランド。狩人ウベルトに変装して湖を訪れた国王ジャコモ5世は”湖上の美人”と噂のエレナに出逢う 彼女の家を訪れた王はエレナの父ダグラスが国の反逆者であることを知り狼狽する 父ダグラスは娘エレナを反乱軍の頭領ロドリーゴと結婚させるつもりでいる。しかし、エレナには騎士マルコムという恋人がいる。出陣を控えたロドリーゴにマルコムが反乱軍に加わりたいと申し出るが、2人は互いがエレナをめぐるライバルだと感づく。ダグラスも娘がマルコムを愛していることに気づく。それぞれの想いを胸に秘めながら男たちは出陣する(以上第1幕)。エレナを想う気持ちが押さえられない王は、再びウベルトに変装して彼女に愛を打ち明けるが、拒否される ウベルト(王)は彼女への誠意の証しに「国王からの指輪」をエレナに贈り、危機が訪れた時には役立てるよう伝える。そこにロドリーゴが現われ、ウベルトがライバルと知って決闘を申し込む 国王軍との戦いが始まるが、敗戦が濃厚になり、ダグラスは自分が犠牲になるから娘や叛乱軍を許してくれるよう王に懇願する。エレナは捕らわれた父を助けに、指輪をもって国王のもとを訪れるが、指輪をくれたウベルトは国王に引き合わせてくれない。しかし、ウベルトこそ国王その人だと知って驚く 王はダグラスを釈放し、マルコムには恩赦を与えエレナとの結婚を許す(以上第2幕)

オープニングのトークで歌手のラセットが、この複雑な物語を一言で言い表していました

「メゾソプラノの主役が、3人から求愛されるけれど、ズボン役のメゾソプラノが彼女を射止めます。2人のテノールが可哀そう

このオペラはMET初演ですが、ディドナートとフローレスの『ロッシーニ・コンビ』が居なかったら実現しなかったのではないか、と思えるほど、大きな存在感を誇っていました

ジョイス・ディドナートはカンザス州生まれのメゾですが、バロックからベルカントまで完璧な技術で、しかも美しい歌声で聴衆を魅了します グラミー賞も受賞しています

一方のファン・ディエゴ・フローレスはペルー生まれのテノールですが、「100年に一度のロッシーニ&ベルカント・テノール」と言われています 最高音部を歌う彼の歌を聴くと戦慄さえ覚えます。とにかく凄いテノールです 私は、2011年9月24日にボローニャ歌劇場来日公演・ベッリーニ「清教徒」でフローレスを聴くのを楽しみにしていたのですが、咽喉の痛みにより来日不可となり聴けなかったのが、今だに残念です

このオペラは他のロッシーニの作品でもそうであるように、アリアに次ぐアリアの連続で、聴きどころ満載です ディドナートとフローレスのデュオも何度かありますが、あまりの素晴らしさに感動で震えます この二人に共通しているのは役に成りきって歌い演じるところです

他の出演者たちも、指揮のマリオッティも、演出もそれぞれが素晴らしかったですが、上の二人のこと以外に書く気がしません。ゴメンナサイ

 

          

 

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カンブルラン+読響でブルックナー「交響曲第7番」を聴く~第547回定期演奏会

2015年04月11日 08時02分51秒 | 日記

11日(土)。わが家に来てから185日目を迎え、下界を見下ろすモコタロです 

 

          

            消費税が上がってからシモジモの生活も大変だなあ

 

  閑話休題  

 

8月4日(火)午後7時からサントリーホールで開かれる「PMFオーケストラ東京公演」のチケットを同ホール・メンバーズ・クラブ会員先行発売で購入しました 会員は1割引きです。プログラムは①ベートーヴェン「ピアノ協奏曲第5番”皇帝”」、②ショスタコーヴィチ「交響曲第10番ホ短調」です。指揮はワレリー・ゲルギエフ、①のピアノは2015年チャイコフスキー国際コンクール入賞者です PMFとはパシフィック・ミュージック・フェスティバルのことです。これは何といってもゲルギエフのショスタコでしょう

 

          

 

  も一度、閑話休題  

 

昨夕、サントリーホールで読売日本交響楽団の第547回定期演奏会を聴きました 新年度第1回目のプログラムは①リーム「厳粛な歌~歌曲付き」(日本初演)、②ブルックナー「交響曲第7番ホ長調」。指揮は常任指揮者シルヴァン・カンブルラン、①のバリトン独唱は日本人初のドイツ宮廷歌手・小森輝彦です

 

          

 

読響定期会員になったのは10年以上前の、ドイツの名指揮者ゲルト・アルブレヒトが常任指揮者だった時以来のことです アルブレヒトは、かの巨匠フルトヴェングラーのような、いかにも”ドイツ”といった風貌でしたが、現在の常任指揮者カンブレランはフランス・アミアン生まれです。長い髪を後ろで束ね、スタイリッシュです

自席は、東京交響楽団サントリーシリーズの指定席の2つ後ろの席です。もちろん通路側席です。客席からステージを見た時の景色はそれほど変わりません

さて、1曲目は1952年ドイツ生まれのリームの作曲による「厳粛な歌ー歌曲付き」です。オケのメンバーが登場します。ステージの左サイドに管楽器群が陣取り、右サイドに弦楽器群が陣取ります が、よく見ると、管楽器ではフルート、オーボエ、トランペットといった高音を担当する楽器が見当たりません。また弦楽器ではヴァイオリン・セクションが一人も居ません 要するにこの曲は、低音を担当する楽器、つまり管楽器ではクラリネット、ファゴット、ホルン、トロンボーン、チューバなど、弦楽器ではヴィオラ、チェロ、コントラバスで演奏され、独唱もバリトンで歌われる種類の音楽なのです したがって、チューニングはヴィオラの首席・鈴木康浩が音頭を取ります プログラムに載った歌詞の対訳を見て納得しました。「吐き気も、気怠さも感じない ただ疲れた とても疲れた 主よ 我に安息を恵みたまえ」ですから。これを「暗いMax」と言わずして何と言うのか?初めて聴いた感じではリームではあるけれど、ちょっとムーリかな

 

          

 

休憩後はブルックナーの「交響曲第7番ホ長調」です。この曲で思い出すのは学生時代に白黒テレビで観たこの曲を振るカラヤンです 何気なく点けたテレビにいきなり映し出されたのはカラヤンの顔のアップでした。そこから流れてきた音楽は紛れもなくブルックナーの第7番の第1楽章でした カラヤンは終始目を瞑って音を紡ぎ出します。私はその映像にくぎ付けになりました。これがカラヤンか と思いました。決して良い音とは言えないテレビ音声でしたが、美しく深い音楽に感動を覚えました

ステージ上はヴァイオリン・セクションが追加され、管楽器群も拡大します。オケの態勢は、左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスといったオーソドックスな配置をとります 全体を見渡して気が付くのは、相変わらず他の在京オーケストラと比べて男性比率が圧倒的に高いということです。管楽器は4人しかいません。弦楽器は半分は男性奏者でしょう。東京交響楽団や東京フィルなど、とくに弦楽器が圧倒的に女性が多いオケを見慣れている聴き手にとっては、読響はN響とともに新鮮に見えます この日のコンマスは小森谷巧、その隣には長原幸太が控えます。ヴィオラ・セクションは鈴木康治、柳瀬省汰が並びます

カンブルランのタクトで第1楽章が開始されます。弦楽器のトレモロに乗って、ホルンとチェロによって第1主題が提示されます。これは「ブルックナー開始」とでも言うべき導入で、「これからブルックナーの交響曲が始まりますよ」という合図です 私はこの部分を聴くと、ドイツの深い森と雄大な山々を思い浮かべます

第2楽章「アダージョ」は深い音楽です。聴いていて思わず感情移入してしまいます。第3楽章「スケルツォ」のトランペットによる冒頭のテーマは、雄鶏の朝の鳴き声からヒントを得たと言われているようですが、たしかに、コケコッッコーとしり上がりに鳴く有様が想像できます 

第4楽章は軽快に始まりますが、最後は堂々たるフィナーレを迎えます。最後の音が会場に波紋のように広がり、一瞬のしじまが訪れます。この瞬間こそクラシックを生で聴く醍醐味でしょう。カンブルランのタクトが下ろされて初めて会場一杯の拍手とブラボーが会場を満たします

第1楽章を聴いている辺りでは、弦楽器で言えばヴィオラ、チェロ、コントラバスなどの低音部が充実しているな、と思ったのですが、楽章が後に行くにしたがって、ヴァイオリン・セクションもなかなか力があるな、と思うようになりました 管楽器では、ときに”外す”セクションもありましたが、厚みのある音で迫ってきます

ところで、読響の機関誌「月刊オーケストラ4月号」に「オーディションのお知らせ」というのがあって、「募集パート:首席チェロ1名」とありました。私は10数年読響の会員から離れていたので、事情がよく分かりませんが、要するに現体制では首席クラスの人材が不足しているということか、あるいは首席クラスが近々辞める予定があるのか、どちらかなのだろうか、と想像します。いずれにしても、読響がより良い音を求めて体制を立て直そうとする姿勢は好ましく思います

          

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