インターネットの発達した今では、アイスランドに住んでいながら日本の事情に付いていくことに関して、たった十年前に比べても月とスッポンの違いがあります。主要なニュースに付いていくことに関してはほとんど問題はないのではないでしょうか?
しかしそれでも限界はあります。帰省してみるとやはり「その場の空気」というのでしょうか?活字では伝わらない出来事の一面というものはあるなあ、と感じさせられます。ただ、日本に住んでいても東京の人は例えば九州の空気というものは分からなかったりするのではないか、と想像します。「空気」が伝わる半径というものはどのくらいなのでしょうか?
さて、空気だけではなく話題にも乗り遅れているということももちろんあります。帰省する度にそのような何かを見つけることになります。今回のサッポロ帰りでの「発見」は本に関してでした。
本はよく読む方なので、帰省の際の書店巡りは楽しみのひとつです。昨夏に帰国した際には桂木圭一郎さんの「美食カメラマン 星井裕」シリーズにはまり相当册数を買い込むはめになりました。京都舞台のこのミステリーシリーズ、アイスランドに戻ってからも京都のガイドブックを横において夏の楽しみになりました。
今回のおはまりシリーズは「ビブリオ古書堂の事件手帳」でした。作者は三上延さん。これは新春から月9のドラマにもなっていたそうですが、全く知りませんでした。やけに少女マンガっぽい表紙のイラストだったので、普段なら素通りしたはずなのですが、手に取ってしまった最新巻が江戸川乱歩に関わるものだったので、小学生の頃少年探偵団キッドだったワタシのスイッチが入ってしまいました。
これは相当面白いなあ、と思いました。若くてシャイな古本屋店主栞子(しおりこ)さん主人公の物語り。人の死なないライトミステリーですね。謎は魅力的だし、人情味もあります。ただ、すぐ読めてしまうのでもったいない気がしてしまいます。今のところ全4巻なのですが、今現在2冊を読んで、後半の2冊はまだ読まずに残してあります。
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「ビブリオ古書堂の事件手帳」 おじさんにも心地良いストーリー
で、その代わりに読むものを捜し始めまして、似た作風というか、はやりのタッチというかで、岡崎琢磨さんの「珈琲店タレーランの事件簿」や太田紫織さんの「櫻子(さくらこ)さんの足下には死体が埋まっている」とかを買って読みました。いずれも「ビブリオ古書堂」と同様にメルヘンチックなイラストが表紙になっています。
買う時もそうでしたが、ワタシは地下鉄の中で読む時などもカバーをつけていないので周りから丸見え。多少恥ずかしい気がしなくもないですね。五十半ばのおじさんが読むような雰囲気ではないかも。
実際内容を見てみると「ビブリオ古書堂」「櫻子さん」のふたつでは高校生の男の子(「ビブリオ」では正確には新大卒かな。始まり時は高校生ですが)がお話しの語り手。その高校生男子が少し年上のお姉様である栞子さんと櫻子さんに憧れとときめきを抱きながら事件に巻き込まれていくわけですから、その年代が読者のターゲットなのでしょう。
そうは言ってもです。面白いのです、話しが。しかも、ワタシは読んでいく中で完璧に語り手の高校生男子に感情移入し一体化しているのです。人の記憶のフラッシュバックとは面白いものですね。五十半ばになって「最近の若いもんはわからん」などとぼやいているにもかかわらず、あるポイントではいともすみやかに17歳の少年に戻ってしまい、その頃の男の子にとっての二十歳半ばの「お姉さん」がどんなにときめく存在であるかを共時的に追体験できてしまうのですから。
これらの作品、結構笑わせてくれる場面もあり、吹き出してしまいます。地下鉄の中でおじさんがこのイラスト表紙の文庫を読みながらニタニタしていたら、周りの女子はぞっとするでしょうね。
気をつけよ。
応援します、若い力。Meet Iceland
しかしそれでも限界はあります。帰省してみるとやはり「その場の空気」というのでしょうか?活字では伝わらない出来事の一面というものはあるなあ、と感じさせられます。ただ、日本に住んでいても東京の人は例えば九州の空気というものは分からなかったりするのではないか、と想像します。「空気」が伝わる半径というものはどのくらいなのでしょうか?
さて、空気だけではなく話題にも乗り遅れているということももちろんあります。帰省する度にそのような何かを見つけることになります。今回のサッポロ帰りでの「発見」は本に関してでした。
本はよく読む方なので、帰省の際の書店巡りは楽しみのひとつです。昨夏に帰国した際には桂木圭一郎さんの「美食カメラマン 星井裕」シリーズにはまり相当册数を買い込むはめになりました。京都舞台のこのミステリーシリーズ、アイスランドに戻ってからも京都のガイドブックを横において夏の楽しみになりました。
今回のおはまりシリーズは「ビブリオ古書堂の事件手帳」でした。作者は三上延さん。これは新春から月9のドラマにもなっていたそうですが、全く知りませんでした。やけに少女マンガっぽい表紙のイラストだったので、普段なら素通りしたはずなのですが、手に取ってしまった最新巻が江戸川乱歩に関わるものだったので、小学生の頃少年探偵団キッドだったワタシのスイッチが入ってしまいました。
これは相当面白いなあ、と思いました。若くてシャイな古本屋店主栞子(しおりこ)さん主人公の物語り。人の死なないライトミステリーですね。謎は魅力的だし、人情味もあります。ただ、すぐ読めてしまうのでもったいない気がしてしまいます。今のところ全4巻なのですが、今現在2冊を読んで、後半の2冊はまだ読まずに残してあります。

「ビブリオ古書堂の事件手帳」 おじさんにも心地良いストーリー
で、その代わりに読むものを捜し始めまして、似た作風というか、はやりのタッチというかで、岡崎琢磨さんの「珈琲店タレーランの事件簿」や太田紫織さんの「櫻子(さくらこ)さんの足下には死体が埋まっている」とかを買って読みました。いずれも「ビブリオ古書堂」と同様にメルヘンチックなイラストが表紙になっています。
買う時もそうでしたが、ワタシは地下鉄の中で読む時などもカバーをつけていないので周りから丸見え。多少恥ずかしい気がしなくもないですね。五十半ばのおじさんが読むような雰囲気ではないかも。
実際内容を見てみると「ビブリオ古書堂」「櫻子さん」のふたつでは高校生の男の子(「ビブリオ」では正確には新大卒かな。始まり時は高校生ですが)がお話しの語り手。その高校生男子が少し年上のお姉様である栞子さんと櫻子さんに憧れとときめきを抱きながら事件に巻き込まれていくわけですから、その年代が読者のターゲットなのでしょう。
そうは言ってもです。面白いのです、話しが。しかも、ワタシは読んでいく中で完璧に語り手の高校生男子に感情移入し一体化しているのです。人の記憶のフラッシュバックとは面白いものですね。五十半ばになって「最近の若いもんはわからん」などとぼやいているにもかかわらず、あるポイントではいともすみやかに17歳の少年に戻ってしまい、その頃の男の子にとっての二十歳半ばの「お姉さん」がどんなにときめく存在であるかを共時的に追体験できてしまうのですから。
これらの作品、結構笑わせてくれる場面もあり、吹き出してしまいます。地下鉄の中でおじさんがこのイラスト表紙の文庫を読みながらニタニタしていたら、周りの女子はぞっとするでしょうね。
気をつけよ。
応援します、若い力。Meet Iceland