八月になってしまいました。というと何か悲観的に響くかもしれませんが、これまでも書いてきましたように、アイスランドでは皆が顔を合わせれば挨拶がわりに口にするほどの良い夏に恵まれています。
ですからその「夏」をキープしたい気持ちになってしまい、ずっと七月でいて欲しくなっていたのです。
もっとも八月になったものの好天は持続してくれています。この週末、つまり八月の第一の週末なのですが、Verslumannahelgiヴェルスルマンナヘルギと呼ばれお祭りの週末となっています。週明けの月曜日も祝日でお休み。
このヴェルスルマンナヘルギは、現在では「野外どんちゃん騒ぎ」の機会として定着しています。ヴェストゥマンナ島を始め、国内の多くの場所で「野外どんちゃん騒ぎ」の会場が設営されています。
ヴェストマンナ島のお祭りは特に有名で、昨今は外国からの観光客もいるので、何万に届く群衆が集まるようです。何が面白いやら... 言わずもがな、でしょうがワタシにはほとんど関わりのないお祭りです。
昨年のヴェストゥマンナ諸島での野外パーティーの様子
Myndin er ur Visir.is
たとえ雨天でも相当数の人が参加していますので、この夏のように好天が保証されている暁にはどんだけー?という感じがします。
この週末の関してはこちらも
八月のアイスランド「準備中」
ところで、このVerslumannahelgiですが、Verslunヴェルスルンは「商店」 mannaマンナは「人々の」helgiヘルギは「週末」を意味しますので、日本語にすると「お店で働く人たちの週末」という感じになるでしょう。
一昔前というか、二昔前くらいには商店関係の人たちは、あまり休みが取れなかった、とかで、骨休めをしてもらおう、ということでできた祝日と聞いています。
ですがその二昔前には、商店は日曜祝日はお休み、かつ夏休みもガッツリ取っているように見ましたので、本当はただ祝日を持ちたいだけだったのではないか、と私は疑っています。(^-^;
で、少し最近になって一昔前ですが、この週末は本当にすべてのお店が閉まって、皆がお休みを取っていました。当然ですよね、そのために作った祝日なんですから。
当然、それを見こしてこの週末に必要になるものは、事前に買い物を済ませておくことが必要でした。クリスマスや復活祭(パスカー)の前と同じような感じです。
21度という信じ難い数値が観られた先日の天気予報
Ur Vedur.is
今年もその感じで買い物を済ませておかないといけないなと思い、ネットであちこちのお店がいつから閉まるかチェックしようとしました。そしたらですねえ、週末を通してずーっと営業しているお店(ここではスーパーマーケットですが)が多いのです。
私が良く行くお店、Hagkaupハグコイープではお休みの通告はまったく見当たりません。同じくわりと良く行くお店Krinanクローナンは「週末を通して営業します」と宣言しています。
もう一軒良くお買い物するNettoネットウというスーパーは「5日の月曜日は以下の店舗が営業」というように、月曜日だけお休みになる店舗があることを知らせています。
めったに行かないBonusボーナスというブタのマークのスーパーは「(全店舗で)月曜日はお休みです」とアナウンス。同じくめったに行かないIcelandというスーパーも「月曜日はお休み」宣言。
そのほか、スーパーというよりは日本のコンビニに近い10/11ティーユエトゥレブというお店のHPにも何のお休み通告もありません。
こうしてみると、全般的に「休みにしない」という方向に向かっているような気がします。休むとしても月曜日のみ、とか。
もちろんアイスランドでもお店の商戦は激しいですし、一日の売り上げがなくなるというのは大変ことでしょう。ただ、お休み返上という気風を加速させている要因がふたつあるように思われます。
ひとつは外国人観光客の存在です。十年余り前の経済破綻から、アイスランドがこれほど急速に復興できた理由のいの一番が、観光業の成功にあったことは誰もが認めています。
現在、観光客を抜きにしてのこの国の経済は考えられなくなっています。当然のことですが、観光客の皆さんは毎日のようにお買い物ができないと困る人たちなのです。
私がこの国に移ってきた前世紀末(!)の1990年代では、例えば復活祭前の「受苦日」の金曜日(キリストが十字架刑になったことを偲ぶ休日)などには、文字通りすべてのお店、カフェなどがお休みになっていました。
すると、たまたまその時期にアイスランドに滞在していた外国人の人たちが非常に困ったハメになることがありました。当人たちもびっくりしたでしょうね。産業が発達している国、例えば日本やイギリス等々から来ていた人だったら、「すべてのお店が閉まる」というような事態はまったく頭になかったろうと想像します。
観光立国となっている現在、そのような事態は由々しいことになるわけです。
「お休みにはならない」宣言をしたKronanというスーパー
'Ur Kronan.is
もうひとつの要因は、これも外国人がらみなのですが、移民労働者の増加です。経済の盛り返しに連れて、移民労働者も帰ってきました。端的に言って、移民労働者は景気の良いところへ集まるのです。
今現在のアイスランド在住外国人は三万五千人くらいを数えます。ワタシもその中のひとり。移民労働者は経済の底を支える力なのですが、同時にホスト国の、この場合はアイスランドの文化伝統に縛られていない、という特性があります。
ですから、国の祝祭日に働くことにそれほど抵抗がなかったりするのです。ちなみにこの同じ特性は「アイスランドの文化社会に適応しようとしない」とかいう批判の的にもなったりします。はっきりいって、言う側の勝手ですが。
しっかりとデータを取って考察しているわけではないので、あくまで私の勝手な推測ですが、移民労働者の存在は、お店が「休みにしない」宣言をさせている原動力の一部になっているに違いありません。
そういえば、六月に東京のコンビニで思ったのですが、本当に外国人の店員さんが多いですね。大体はアジア諸国からの方々とお見受けしました。しかも皆さん、日本語が上手。
これもデータを取ったわけではないのですが、「新橋界隈のコンビニの店員さんは『みんな』外国人」と感じてしまうほどの数でした。これらの人たちが日本で気持ち良く仕事ができていることを願います。
アイスランドへ戻りますが、この週末、私はもちろん「野外どんちゃん騒ぎ」には参加しません。自宅で静かに本を読んだり、料理をしたり(息子が夏休みで帰宅しているから)、Avengers EndgameやJosh Gatesを観たり、 そしてしょうもないブログを書いたりして過ごしています。
Verslumannhelgiは、またの名を「夏休みの最後の砦の週末」と言います。ワタシが言ってるだけですが。この週末が開けちゃうと、いやでも「夏休みは終わった」ムードが押し寄せてきます。「夏」、まだ名残惜しいぞ!!
藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com
Home Page: www.toma.is
ですからその「夏」をキープしたい気持ちになってしまい、ずっと七月でいて欲しくなっていたのです。
もっとも八月になったものの好天は持続してくれています。この週末、つまり八月の第一の週末なのですが、Verslumannahelgiヴェルスルマンナヘルギと呼ばれお祭りの週末となっています。週明けの月曜日も祝日でお休み。
このヴェルスルマンナヘルギは、現在では「野外どんちゃん騒ぎ」の機会として定着しています。ヴェストゥマンナ島を始め、国内の多くの場所で「野外どんちゃん騒ぎ」の会場が設営されています。
ヴェストマンナ島のお祭りは特に有名で、昨今は外国からの観光客もいるので、何万に届く群衆が集まるようです。何が面白いやら... 言わずもがな、でしょうがワタシにはほとんど関わりのないお祭りです。
昨年のヴェストゥマンナ諸島での野外パーティーの様子
Myndin er ur Visir.is
たとえ雨天でも相当数の人が参加していますので、この夏のように好天が保証されている暁にはどんだけー?という感じがします。
この週末の関してはこちらも
八月のアイスランド「準備中」
ところで、このVerslumannahelgiですが、Verslunヴェルスルンは「商店」 mannaマンナは「人々の」helgiヘルギは「週末」を意味しますので、日本語にすると「お店で働く人たちの週末」という感じになるでしょう。
一昔前というか、二昔前くらいには商店関係の人たちは、あまり休みが取れなかった、とかで、骨休めをしてもらおう、ということでできた祝日と聞いています。
ですがその二昔前には、商店は日曜祝日はお休み、かつ夏休みもガッツリ取っているように見ましたので、本当はただ祝日を持ちたいだけだったのではないか、と私は疑っています。(^-^;
で、少し最近になって一昔前ですが、この週末は本当にすべてのお店が閉まって、皆がお休みを取っていました。当然ですよね、そのために作った祝日なんですから。
当然、それを見こしてこの週末に必要になるものは、事前に買い物を済ませておくことが必要でした。クリスマスや復活祭(パスカー)の前と同じような感じです。
21度という信じ難い数値が観られた先日の天気予報
Ur Vedur.is
今年もその感じで買い物を済ませておかないといけないなと思い、ネットであちこちのお店がいつから閉まるかチェックしようとしました。そしたらですねえ、週末を通してずーっと営業しているお店(ここではスーパーマーケットですが)が多いのです。
私が良く行くお店、Hagkaupハグコイープではお休みの通告はまったく見当たりません。同じくわりと良く行くお店Krinanクローナンは「週末を通して営業します」と宣言しています。
もう一軒良くお買い物するNettoネットウというスーパーは「5日の月曜日は以下の店舗が営業」というように、月曜日だけお休みになる店舗があることを知らせています。
めったに行かないBonusボーナスというブタのマークのスーパーは「(全店舗で)月曜日はお休みです」とアナウンス。同じくめったに行かないIcelandというスーパーも「月曜日はお休み」宣言。
そのほか、スーパーというよりは日本のコンビニに近い10/11ティーユエトゥレブというお店のHPにも何のお休み通告もありません。
こうしてみると、全般的に「休みにしない」という方向に向かっているような気がします。休むとしても月曜日のみ、とか。
もちろんアイスランドでもお店の商戦は激しいですし、一日の売り上げがなくなるというのは大変ことでしょう。ただ、お休み返上という気風を加速させている要因がふたつあるように思われます。
ひとつは外国人観光客の存在です。十年余り前の経済破綻から、アイスランドがこれほど急速に復興できた理由のいの一番が、観光業の成功にあったことは誰もが認めています。
現在、観光客を抜きにしてのこの国の経済は考えられなくなっています。当然のことですが、観光客の皆さんは毎日のようにお買い物ができないと困る人たちなのです。
私がこの国に移ってきた前世紀末(!)の1990年代では、例えば復活祭前の「受苦日」の金曜日(キリストが十字架刑になったことを偲ぶ休日)などには、文字通りすべてのお店、カフェなどがお休みになっていました。
すると、たまたまその時期にアイスランドに滞在していた外国人の人たちが非常に困ったハメになることがありました。当人たちもびっくりしたでしょうね。産業が発達している国、例えば日本やイギリス等々から来ていた人だったら、「すべてのお店が閉まる」というような事態はまったく頭になかったろうと想像します。
観光立国となっている現在、そのような事態は由々しいことになるわけです。
「お休みにはならない」宣言をしたKronanというスーパー
'Ur Kronan.is
もうひとつの要因は、これも外国人がらみなのですが、移民労働者の増加です。経済の盛り返しに連れて、移民労働者も帰ってきました。端的に言って、移民労働者は景気の良いところへ集まるのです。
今現在のアイスランド在住外国人は三万五千人くらいを数えます。ワタシもその中のひとり。移民労働者は経済の底を支える力なのですが、同時にホスト国の、この場合はアイスランドの文化伝統に縛られていない、という特性があります。
ですから、国の祝祭日に働くことにそれほど抵抗がなかったりするのです。ちなみにこの同じ特性は「アイスランドの文化社会に適応しようとしない」とかいう批判の的にもなったりします。はっきりいって、言う側の勝手ですが。
しっかりとデータを取って考察しているわけではないので、あくまで私の勝手な推測ですが、移民労働者の存在は、お店が「休みにしない」宣言をさせている原動力の一部になっているに違いありません。
そういえば、六月に東京のコンビニで思ったのですが、本当に外国人の店員さんが多いですね。大体はアジア諸国からの方々とお見受けしました。しかも皆さん、日本語が上手。
これもデータを取ったわけではないのですが、「新橋界隈のコンビニの店員さんは『みんな』外国人」と感じてしまうほどの数でした。これらの人たちが日本で気持ち良く仕事ができていることを願います。
アイスランドへ戻りますが、この週末、私はもちろん「野外どんちゃん騒ぎ」には参加しません。自宅で静かに本を読んだり、料理をしたり(息子が夏休みで帰宅しているから)、Avengers EndgameやJosh Gatesを観たり、 そしてしょうもないブログを書いたりして過ごしています。
Verslumannhelgiは、またの名を「夏休みの最後の砦の週末」と言います。ワタシが言ってるだけですが。この週末が開けちゃうと、いやでも「夏休みは終わった」ムードが押し寄せてきます。「夏」、まだ名残惜しいぞ!!
藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com
Home Page: www.toma.is
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