レイキャビク西街ひとり日誌 (Blog from Iceland)

北の小さな島国アイスランドはレイキャビクの西街からの、男独りブログです。

フェルミングの始まり

2013-08-22 05:00:00 | 日記
原則として、働く者全てが一ヶ月の夏休みを取ることになっているアイスランドでは –そして実際に皆が休みを取ります- 五月に学校が終了すると六月、七月、そして八月前半はオフ状態となり、生産性が低まります。

そして八月の終わりから学校が新年度で再開して、九月からが職場でも新年度へと入っていきます。仕事上のスケジュールなどを見ても、はっきりと九月から五月末が「オンシーズン」夏期が「オフシーズン」と区切られています。

オフシーズンの間は各種の定期会合や会議などは行われません。もちろん国際会議のように、「外」と関連があるものはオフにも突入してきますが。

教会でも「オン」「オフ」は同じで、六七月の平日は閑散としてのんびりとしたムードになります。私のオフィスのあるネス教会は、明るく清潔な新館を持ち、キッチンも使えるしトイレは広いし、静かな夏の間は、ここに住もうか?と思うほど居心地がよくなります。(なぜかシャワーと仮眠室がないのが欠点)

しかし...その静かな日々もついに終わりました。今週から「Fermingarfraedsla」という来年堅信礼を受ける子供たちの集中授業が始まったのです。「Ferming」が堅信礼(英語のConfirmation)で、「Fraedsla」は授業/講義のことです。

前にも書きましが繰り返します。国民の九割がキリスト教徒であるこの国では、ほとんどの子供が赤ちゃんの時にキリスト教徒となる洗礼式を受けています。ただこれは本人の自覚ではなく親の意向でなされるものですから、その子が自立した際に自らの意志でキリスト教であることを確認した方がよかろう、という習わしとなりました。

というわけで、子供が14歳になる前後に堅信礼を受けることになったのです。
現在集中授業に参加しているのは、原則として来年14歳になる子供たちです。学校の学年でいうと八年生になります。原則として学校のある教区の教会へ皆行きます。ですから子供たちの側から見ると、いつもの友だちと学校のかわりに教会で勉強、ということ気分でしょうか?

堅信礼は春の復活祭前後に実施されますが、それにあずかるためには一応キリスト教の基礎を学び、課題を修了し、規定数(大体月一回)に足るだけ礼拝に参加しなければなりません。

そしてこのしょっぱなの一週間に、テキストを使いながら聖書のことや、おおまかなキリストの生涯、必須の教理等を一夜漬けならぬ一週間漬けしてしまおうという魂胆なのです。学校が始まるのは来週なので、朝九時から午後四時までみっちりです。

もちろん本を開いての勉強だけでなく、ビデオを見たり、グループワークをしたり、バスに乗っての遠足までついています。



昼食時の様子 でもこれは大体半数くらいです
メニューは彼ら好みのピザでした


子供たちの数は教区によって差があります。子供が多い地区とそうでない地区というのがありますから。私のいる教会の地区は人口が多く、フェルミングを受ける子供の数も例年多く100人以上になります。ただ今年は少なめで75人くらいでしょうか。

それだけの数のティーンの方々にお越しいただくと、それはまあ賑やかなことで、はっきり言って相当騒がしくなります。しかもこの年頃、男の子は肉体的にも精神的にも女の子よりはずっと未熟なガキなのですが、その分虚勢を張って関心を引こうと大物気取りをする奴が必ずいるのです。でも今年に限って言えばそれほどの悪ガキはいないようでした。ここでも草食男性化かなあ?

夏休み気分の静かな日々から、一挙にこの喧噪に放り込まれるのは結構つらいものがあり、その前の週末にはウツになりそうです。ですがある種の「ショック療法効果」?でこれを通過するとほぼ普通の仕事モードに戻ります。

夏、終わっちゃいました。シーズン開幕です。


応援します、若い力。Meet Iceland


藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori アット gmail.com

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