日曜日に見てきました。
ロードショーなんて年に1回見るかどうかという私ですが、半年振りに夫と休みがあったので映画デートしました。たくさんの候補からこの作品を選んだのは、やっぱり「シャーロック」のベネディクト・カンバーバッチが出ているから。
「風立ちぬ」は満席で入れなかったけど、こちらはガラガラでした。10人ちょっと。私の周りのネットの世界では相当な盛り上がりだったけど、実際はそうでもないのかな?2D字幕だったからかも。最近の洋画は字幕版の入りが悪いらしいですね。
スタートレックの世界については、昔のTVシリーズだって言うことくらいしか予備知識がなく、上映前にwikiで少し確認。
そうか、これは未来のお話なのね。
そのころは戦争はない地球なのね。
ふむふむ。
SF作品だからか、予告も同じような作品ばかりが続いて、本編始まる前にいい加減お腹いっぱいになった。これは逆効果なのでは??しかも、全部SFだから、本編始まるタイミングが分からなかったし。(プリンスシネマさん、その辺よろしくです)
ここから感想書きます。
超辛口なので、好きな方には申し訳ないです。
鑑賞後すぐに書いたんですが、このブログ、シャーロックつながりのベネディクトファンの皆さんもかなりご覧になっているだろうと思うとなかなかアップできませんでした。でも万が一でも製作や宣伝側の方の目に触れたなら読んでもらいたいです。
核心には触れないつもりですが、細かなネタバレしますので、未見の方はお気をつけください。
オープニングは面白かった。
映像もきれいだし。一気に引き込まれた。
持ちうる予算のほとんどを映像に使ったのではないかっていうくらい。
し、か、し。
ハリウッドの限界を悲しいほど感じてしまいました。
こういう映画を大金かけて作ってるのか・・・。
脚本にはお金かけないのか。
はぁ・・・。
とにかく殴り合いのシーン多すぎ。
しかも素手。
ボクシング映画?
未来なのに、宇宙なのに。
転送とか出来るのに。宇宙船作れるのに。
最初から最後まで足で走って、素手で殴り合いしてる印象。
横から「宇宙船の中で銃とかダメでしょ」とフォローが入ったけど、地球の空飛ぶトラックの上でも延々殴りあってたし。
殴りあいが好きなだけでしょ?
いったいいつ弱点の「愛」が出てくるの?
もしかして「愛」だから素手で殴りあいなの?
殴り合いのシーンと言えば、先日見たTEDでも延々ぬいぐるみと殴りあうシーン合った。あとずいぶん前に見たジョニーデップ主演の何とかっていう吸血鬼映画でも殴り合いじゃないけど、吸血鬼同士のセックスシーンが似たような構成だった。
どちらも、ハリウッドの「殴りあいシーンを15%以上入れること」という不文律(違)をパロったんじゃなかろうか?
去年唯一ロードショーで見た「リアルスチール」は勿論殴り合いのシーンだらけだったけど、ボクシング映画だから気にならなかった(当たり前)
それと音楽がorz。
クライマックスの連続というのは、脚本演出もそうだから、音楽だけの責任じゃないと思うけど、メリハリなさ過ぎ。
昔、刑事コロンボで、映画音楽の巨匠(でも才能は枯渇してしまっていて弟子に作曲させてる)が犯人のあったけど、あの巨匠が担当したらこうなるのかもという出来。
冗長。
延々とクライマックス。
眠かった。
隣の人はすやすや寝ていた。
映像は楽しめました。
未来のロンドン、サンフランシスコ。
チラッとセントポール寺院が見えたり、金門橋やアルカトラズが見えたりするのはくすくす。スタートレックのファンなら、他にもきっとコネタがいっぱい楽しめたのだろうケド、私にはその知識はないので。でもそれが分からなかった点は、映画のよしあしとは関係ないはず。
結局お話が全然ダメだったと思う。
子供向けのアクション映画?
せっかくのベネディクトも無駄遣い。
役者に罪はないけど、なんとも惜しい。
ビッジュアルもかっこよかったのに。
彼が超人類で、悪の権化で、100回殺しても死なない。なんてことは、素手の殴り合いを延々見せられなくても、ほんの3カットくらいで分かるし。
何のためにあんなに殴り合ってたんでしょうか?
殴り合いって、TEDでもそうだったけど、ある程度愛情持ってる相手とじゃないとやれないんじゃないのかな?
だって、自分も痛いし。
愛情ないなら尖ったものでぐさっといけばそれでいいじゃんか・・ね。
まぁ、ポスターに書いてあったアオリ文句「人類最大の弱点は、愛だ」を読んで、勝手に背筋がゾクゾクするような心理的悪役を期待してたこっちも悪いけど。
でもあの広告の文句は映画本編と何かリンクしてただろうか???
変な期待を抱かせるミスリードではないのかな?
結局お話を詰めるより、「息もつかせぬ!」というのを狙った作品なんでしょうね。
確かにずっとジェットコースターに乗ってる気分でした。
「絶対の映像美で魅せる!息もつかせぬ宇宙戦争」とかいうベタな宣伝にしててほしかったヨ。
3Dで見ればよかったのかな。
そうすれば、もっとアトラクション的に楽しめたと思います。
見たのは2Dでしたが、それでも迫ってくる障害物を避けようと結構体が右へ左へ揺れましたもんね。
その昔ディズニーランドに「スターツアーズ」ってアトラクションがありましたが(今もある?)、あそこで見たら素直に感動したかも。
気になったのは、虫けらのように死んでいくエンタープライズの乗組員たち。
命の軽いこと軽いこと。
キャプテンカークにとって、大事なのは友人スポックの命だけ?
そして最後に自分だけは超人の血で助かるキャプテン。
なら他の乗組員も全員助けてやればいいのに。
説得力ないし、感情移入できないし。
愛とか友情とかがテーマのように見せかけて、全然フォローなし。
悔やむシーンがひとつでもあれば、ちがったんだと思うけど、何の反省もないまま、ただ極々内輪の友情温めて、また新しい旅に出発って、
ソリャナイヨ、カントク・・・。
クライマックスの連続でもさらにクライマックスだったと思われる、カークとスポックのドア越しのシーンなんて、陳腐すぎる学芸会的展開に思いっきり置いていかれてしまい、映画館なのに早送りしたくなったですよ。
(ホント、辛口でファンの方には申し訳ないです。)
ネット見ると高評価のようなので、私がこの監督と相性悪いだけかもしれないけど。お金をかけると、お金を出した人たちの多くの思惑がのっかかるので、その結果映画がつまらなくなるのかも知れない。
ああ、1800円・・・・。
ベネディクトへのご祝儀ってことで。