キカクブ日誌

熊本県八代市坂本町にある JR肥薩線「さかもと駅」2015年5月の写真です。

リョーユーのマンハッタン GOTOくまもと その3

2020年12月02日 |   └─くまもと
SNSで高校の同窓生とゆるく繋がりを持っている。同窓会などのリアルな集まりには積極的には参加してないもののネット上では時々情報交換をしている。
その仲間うち(特に上京組)で時々話題になるのがこのパンだ。



 リョーユーパンという九州に拠点を持つメーカーの「マンハッタン」という硬めのツイストドーナツにチョコレートがかかった菓子パンで、高校の売店の人気商品だった。お菓子など望むべくもない学校の売店で買える甘いものの筆頭(2番手は夏の味覚凍らせたヤクルトジョア〜これも美味しかった)カロリーを求める高校生にとって夢のような(大げさ)存在。

 東京では手に入らないので、帰省した友人が時々勝ち誇ったように(これまた大げさ)SNSに写真を載せるのを見ては「懐かしいな、食べたいなあ」と思う。とはいえ、毎回いろいろな行事が待つ帰省時にはたいてい忘れているのでなかなか買う機会がなかった。数年前に福岡に帰省した知人からお土産にもらったことがあったっけ。

 今回の帰省では、天草行きのほかはコロナ禍中のことで他にイベントもなかったので、初日は母と買い物を兼ねて近所の散歩をした。コースは、母の日常の買い物コースだ。

 うちの実家は健軍商店街に近いところにあり、買い物はたいてい商店街で済む。ところが、四年前の熊本地震で商店街のスーパーが倒壊し、長く休業することになったため、母の買い物テリトリーが広がることとなったのだ。もちろん今ではそのスーパーも再建しているのだけれど、同じ品物でも店によって値段が違うらしく、不便期間に開拓した遠いスーパーにも結局いまでも買い物に行くのだそうだ。

「この店ではこれが安い」
「この商品の底値は○○円」
「☓☓デーになるとあの商品が安くなる」
など、母の頭には情報が全て入っており、1商品あたり10円単位の値段の違いを深く追究する様子はさながら求道者。買い物が苦手で、あれこれ見比べるくらいなら値段が高くても一箇所で済ませたいと思うような私にはとても真似できない。(実際、実家よりはるかに店の数も多いはずの私の環境だが、食品はほとんど生協の宅配に頼り日常的にスーパーに行くことはほとんどない)

 母は「こうやって少しでも安いものを探しているから、なんとか暮らしていけるのだ」と言う。たしかに、きょうだい3人とも県外の大学進学させてもらえたのは母のやりくりのおかげだろう。学費も生活費も全て自分でアルバイトして賄っていたといううちの夫に比べると相当恵まれていたと思う(夫の家がやりくり下手という話ではないが)。
 
 10円でも安いものを求めて遠くまで歩く、物の値段を何店舗分も覚えて比較する、それぞれ頭も体も使うから老化防止にも役立っているのだと思う。母にはぜひこの先もこの買い物姿勢を貫いてもらいたい。とても私には真似ができないけれど。
 

 さて、リョーユーパンを見つけたのはこの母との買い物時だった。今食べると大して感動はない。高校生の頃のようなカロリーはもはや必要ないからかな?



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