ほんとうは「まいちゃん」ですが、「うまいちゃん」と呼ぶことにしました。
おじいちゃんの作ったカレーライスを残さずに食べたからです。
「うまい」「うまい」と言って食べたわけではありませんが、まずければ少しは残すでしょう。
残さずたべたんですよ。
お正月の朝、おかあさんが言いました。
「お餅、いくつ食べられるかしら」
「6さいだから 6つ」
「えっ。6個も食べるの?むり むり」
と、お兄ちゃんが言いました。
「だったら、ぼくなんか10個も食べなくっちゃあならないぞ」
「10個食べなさいよ」
お母さんが、いたずらっぽく笑いながら言いました。
「むり むり」
お兄ちゃんは真剣です。
「10個なんて、絶対むり」
お雑煮の準備ができました。
妹のうまいちゃんは6個、お兄ちゃんのしゅんちゃんは10個です。
「お兄ちゃん、食べられたじゃあない」
うまいちゃんが言いました。
「そうか、お母さん、お餅を小さく切ったんでしょう」
「いくつに切ったか当ててごらん」
「4つに切ったんでしょう。だから、ぼくは2切れと1/2。まいは、1切れと1/2、ぼくの方が1切れ多いんだ」
「そうね。よく分かったわね。今年もがんばってね。勉強と運動」
お母さんは笑いながら言いました。