昨年日本ハムを引退した稲葉篤紀氏が言った。
「夏の甲子園をじっくり見たのは初めてだが、開会式で常連校が目の前を通る時“おっ”って小さいころプロ野球選手を見たときと同じような気持ちになった」
それだけのインパクトを持つ夏の全国高等学校野球大会、15 日間の期間中最も注目を浴びた選手の一人が、早稲田実業の 1 年生選手清宮幸太郎だ。
彼は、13 歳中学 1 年生で、アメリカで行われたリトルリーグの世界大会に出場し、訪問したイチロー選手から“デカッ”といわれた。
また、優勝の報告で都庁を訪れ、石原慎太郎都知事から、「君は大きいね」と声をかけられた。
今回何度も TV で見た彼の風貌は「まさかりかついで金太郎 熊にまたがりお馬の稽古・・・♪」と童謡に歌われる、あの金太郎を連想させた。
“金太郎飴”のふっくらした顔でもある。
伝説によると、金太郎は長じて武士となり、鬼退治で名を馳せた源頼光(みなもとの よりみつ)の四天王の一人坂田金時として活躍する。
平成 27 年夏、16 歳の清宮幸太郎クンは、甲子園で早稲田実業 3 番 1 塁手として、準決勝までの 5 試合に出場した。
その打撃成績は、本塁打 2 打率 4 割 7 分 4 厘 8 打点だった。
かくして一躍寵児となり、マスコミは今後彼の一挙手一投足に注目するようになるだろう。
“足柄山の山奥でけだもの集めて相撲の稽古・・・♪”はやっていられないだろう。
でもゆくゆくは、侍ジャパンの一員となり、その打撃で、世界をうならせてくれることでしょう。