四季おりおり

自然散策そして音楽のことなど・・・ 
2010年秋より里山・谷戸歩きで見た風景や蝶・花の紹介が増えてきました。

越冬明けのキタテハ

2012-04-03 09:56:00 | 
キタテハは、成虫で越冬するタテハ科の蝶です。
越冬中のキタテハは、草むら斜面の東向きの窪みなどを利用し、頭を下に向け、翅を閉じた状態で過ごします。

暖かくなり、里山を歩くと、たくさんの越冬明けのキタテハに会うことができました。

<占有行動>

キタテハ(町田市にて、4月1日 12:09)

明るい谷戸では、雄が活発に飛び交い、時々日向に下りる行動を繰返していました。写真は、ツクシの生える谷戸に下りたところです。行動から見て雄でしょうか。


キタテハ(拡大)

前年の9月頃に羽化した秋型の個体ですが、翅の痛み方はあまりないようです。



キタテハ(別個体、12:39)

谷戸の南向き林縁で昼食にしようとして座ったところ、近くの板に止まっていたキタテハが一瞬緊張して翅を閉じたところです。その後飛び立ちました。

<吸蜜など>

キタテハ(町田市にて、4月2日 10:46)

午前中に畑脇を緩やかに飛んで少し移動しては止まる行動を繰返していた個体です。写真は、移動中に花に立ち寄り吸蜜しているところ。


キタテハ(同一個体)

その後、枯れ草の上で日光浴。

<睡眠場所へ>


午後3時15分頃、枯れた草地で飛ぶキタテハを見付けました。その直後に草地の縁の日陰斜面に隠れました。


キタテハ(伊東市にて、3月28日 15:15)

急いで着地点を見ると、窪みに入り込み、頭を下に向け、翅を開閉していました。



直ぐに翅を閉じ、静止。この窪みで一夜を過ごすことになった瞬間です。触覚を翅の外に出していました。
15分後に再び観察。撮影のため、このキタテハの手前の枯れた茎を取り除いたりしましたが、睡眠に入ったらしく、身動き一つしませんでした。

翌日の9:30頃にこの草地の窪みを見ると、すでにキタテハは不在でした。11:30頃、草地を歩いていると、1頭のキタテハが飛び立ったので、昨日のキタテハが枯れた草地の中央で日光浴していたのかもしれません。

秋に枯れ草の窪みに入り、そこに留まるようになった時がすなわち越冬の始まりだということです。

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