都議会決算特別委員会では、河川管理の問題についても質問しました。
台風19号で、氾濫した河川について、日常的な管理点検がどうだったのか。昨年の7月豪雨災害を教訓にしてどのような取り組みをしてきたのかについて質問を組み立てました。
この質問の最初に「平成30年7月豪雨では、河川浚渫や樹木の流木対策の重要性が指摘されています。近年の豪雨災害の重大化のもと、知事は、河川管理の重要性についてどのような認識をしているでしょうか」と質問しました。
知事からは、
- 近年、頻発、激甚化しているのはご指摘の通り。豪雨に備える、調節池や護岸工事など整備するとともに、河川施設を良好な状態に維持管理することが重要。
- との施設については、施設の点検、樹木の伐採や浚渫を実施。
- 水害から命や暮らしを守るために、こうした取り組みを着実に推進していく。
という趣旨の答弁がありました。
昨年7月の豪雨を受けて、東京都でも2つの河川で緊急点検を行ったということです。
一つは境川です。流木化する恐れのある樹木が約600本確認され、うち昨年度は90本伐採しました。
もう一つが、空堀川です。流木化する恐れのある樹木が約400本確認され、うち昨年度は230本伐採しました。
こうした取り組みが、今年の台風の時に氾濫危険水位に達しながら、ギリギリのところで溢水しなかった要因になったという点から重要な取り組みだったと思います。
一方で、多摩地域の中小河川全体で、日常的な土砂堆積の除去や樹木伐採が十分なのかが問われています。
実際、日常的な土砂堆積の除去や樹木伐採は「維持管理費」の中で行われて、独自の予算があるわけではありません。そして、その額についても横ばいというのが実情です。
この機会に、ある区間からある区間までのしゅんせつを行う、一本工事と呼ばれる工事について推移を見てみました。
そのグラフがこちらです。
これを見ると、一目瞭然です。
平成14年度(2002年度)までは、実績として1万㎥を超えていますが、平成16年度(2004年度)から予定量であり実績ではありません。
実績で見ると、
- 平成26年度(2014)予定量3300㎥、実績量1000㎥
- 平成27年度(2015)予定量1200㎥、実績量1200㎥
- 平成28年度(2016)予定量2300㎥、実績量ゼロ
- 平成29年度(2017)予定量2300㎥、実績量1600㎥
- 平成30年度(2018)予定量2300㎥、実績量450㎥
という状況です。
この5年は、ゼロから1000立米台と平成の前半の15年間と比べると、1割以下に落ち込んでいます。
平成の後半、とくに最近になると、多摩地域の川に土砂がたまりにくくなって、浚渫する必要が極端に少なくなったということはとても考えられません。知事は、冒頭に着実に推進すると答弁されましたが、予算や体制が十分とは言えないのではないかと感じるわけです。
知事は豪雨災害が激甚化、頻発化するという認識を示されています。私は、河川の樹木伐採や浚渫にしても、点検を強化し、緊急に対策を進める、そのためにも予算も抜本的に増やす方向に切り替えることがいま、求められていると思います。
定期的な点検を実施していることが、必ずしも、対策を確実に打つことにつながるわけではない、この点に、私は注意が必要だと思っています。
この点については、引き続き追及していきたと思います。
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