3月31日に、だしと精進料理のお勉強で延暦寺に伺った際、
根本中堂でご住職のとてもありがたいお話を拝聴しました。
それは、1200年もの間、一度も消えたことがない
「不滅の法灯」というお灯明のお話です。
この灯を守り続けるために、毎朝夕に燃料の菜種油を絶やさないように
僧侶が継ぎ足し続けているそうです。
しかし、そのための係は決めていません。
係を決めて、その人任せにしてしまうのではなく、
皆で守っていくことが大切だからです。
油を注ぐということ自体は、単純で簡単なことですが、
気を抜くことがあれば、油が断たれて灯が消えてしまいます。
「油断」というのはここから来た言葉です。
この単純で簡単なことを1200年もの間、継続することは
とても大変なこと。
伝統という言葉があります。
これは、本来は「伝燈」と書くのだそうです。
つまり燈を守り、伝えること。
新しい油を注ぐことによって、「伝燈」は守られていきます。
だしソムリエになり、協会認定講師にもなり、
色々と迷うことも多い中、とても良いお話を伺いました。
だしという料理のベースになる「燈」を
新しいアイデアを注ぎながら、守り伝えていきたいと思います。
※写真でもおわかりのように、根本中堂は平成28年度より
約10年かけて大改修をしております。
詳しくは、こちらをご覧ください。