”農”と言える!?

元・食推おばさんのソムリエ日記

心が喜ぶ料理本

2017-04-08 15:21:21 | 本と雑誌

料理の写真がうまく撮れずに悩んでいた頃(今もその悩みは続いていますが)、

デジカメ講座にも通い、カメラも買い替え、

自然光が一番きれいに差し込む時間を目指して料理を作り、写真を撮る

・・・などということをやって、心身ともにへとへとになっていました。

  

今は、スマホのカメラの性能が優れているおかげで、

あの頃ほどの苦労はなくなりましたが、

それでも、一切加工などしていないため、彩りには気を使っています。

  

ある時、コーヒーショップで隣りに座った女の子たちがこんな会話を・・・。

「一眼レフのカメラなんて買えないし・・・。」

「大丈夫だよ。スマホの写真で!!」

「そうだよ。加工で何とでもなるじゃん。一眼レフなんか買わなくても。」

  

そうなのよね。

私が、いまだに光の具合とか、料理の彩りとかに気を使っているのに、

若い子たちは(いや、さほど若くない人も)、

そんなの写真加工アプリで何とかしちゃう。

そして、SNSに(ほんとかうそかわからない)「すてきな私の暮らし」を

毎日、毎日投稿しています。

   

テレビを見れば、「インスタ映えする料理が食べられるお店」の紹介。

雑誌を広げれば、「インスタ映えするサラダの盛り付け方」の特集。

色鮮やかすぎる料理が次々に出てきて・・・。

 

もう、そんな現状に嫌気が差していたのだと思います。

  

この本を買ったのは、新聞の書評が気に入ったからでした。

 

  

 

「この地味な表紙がすべてを物語っている。

 色鮮やかな写真に刺激的なフレーズのレシピ本があふれる中、

 本書はその深みで最先端かもしれない。」

  

たなかれいこさんの「腸がよろこぶ料理」。

「季節の食材をなるべく手を加えずに」という姿勢で、

使う食材や調味料も、米、味噌、醤油、オリーブオイルが基本となっています。

 

だから、写真もどぎつくないのです。

 

 

ちょうど、お昼にテレビを見ていたら、その番組内で女性タレントさんが、

この本に出てくる「かぼちゃの煮物」を作っていらっしゃいました。

だしの大切さが伝わってくるお料理でした。

  

この本は、私にとって「お皿に彩りを」という強迫観念から解放してくれる

まさに「心が喜ぶ料理本」となりました。

 

SNS映えする過剰な演出のお料理、いつまで続くのでしょうね。

 

コメント (2)
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